↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/1070

第68話 『精神浮遊』

今日6月23日はフミヤが地球で死んで転生した日。

 

「俺の...兄弟子?」

「あぁ!『破壊』が使えるんだろ?なら、俺が兄弟子だ!お前もエイジン師範様の弟子なんだろ?」

「あぁ...そうだが...」

「なら!ならなら!俺の弟じゃないか!ヒヨコなのによく『破壊』を習得したな!兄として誇らしい!」

「何を言っているんだ...お前は!」

 月光徒の中に兄弟子がいることに虫酸が走る。フミヤに虫酸が走る。

「そう言えば...お前も転生者だったな?フミヤ!」

「あ?なぜ、それを?」

「エイジンから聞いたよ!お前が転生者ってことをよ!」

「なんだ!エイジン師範様が仰ったのか!なら、文句はないよ!もちろん、ヒヨコの君も転生者なんだろ?」

「あぁ...俺は転生者だ!日本からのな!」

「おぉ!俺と一緒じゃないか!ヒヨコ!いやぁ...嬉しいなぁ!嬉しいなぁ!」

「俺は哀しいよ...苦しいよ...同じ転生者として、仲良くできそうだったのに...月光徒なんてよぉ!」


 ”バキバキッ”


 俺は不意打ちで『破壊』を使うも、フミヤに平然と避けられる。


「ちっ...避けたか...」

「おいおい!そんなに焦らなくてもいいじゃないか!エイジン師範様の弟子同士会話を楽しもうじゃないか!」

「楽しむ?それは無理だな...」

「そうかぁ...そこの女?を殺したいけど...まだ、我慢してるんだ!そうしないと君が口を聞いてくれなくなるかもしれないから!」

「そこの女って...どいつだよ?」

「わからないのか?言ってるじゃないか!キュラスシタの仇って!そこの巨乳の女だよ!」

 フミヤはショウガを指差す。

「え?我?」

「リカ!ショウガを守れ!フミヤの相手は俺がする!」

「はい!」

 リカは威勢のいい返事をした。


「ねぇ?エイジン師範様は元気かい?」

「うるせぇぇぇ!話しかけるんじゃねぇぇ!」


 ”バキバキッ”


 ”バキバキッ”


『破壊』と『破壊』がぶつかり合う。『破壊』は相殺された。フミヤは余裕そうな顔でこちらを見ている。力を調節しているのだ。俺を殺さないために。俺は空中を大きく旋回する。

「あら...話をしてくれなくなっちゃった!兄は哀しいなぁ!」

「うるせぇ!お前なんか兄じゃねぇ!」

「会話できないのなら...殺すか...」


 ”バキバキッ”


 地面に亀裂が入る。先程の軽快なオーラとは違い、泥水のように歪んだオーラがフミヤから出てきた。これがフミヤの本当のオーラだ。

「さよなら...弟よ...」

 まずい。このままでは、『破壊』されてしまう。跡形もなく消えてしまう。


「待って!」


 どこかから声がする。フミヤはそっちの方向を見た。そこには魔法使いの格好をした一人の女性がいた。

「やっぱり!やっぱりホロンだ!ここに...ここにいたのね!」

 そんなことを言いながら、一人の女性はそんなことを言いながらフミヤの方へ走っていく。

「ホロン!私ね...寂しかった!ホロンがいなくなってね?ずっと一人でね...寂しかった!寂しかったよ!」


「お前は...マリア!」

 後ろから声がする。声の主はカゲユキだ。この、マリアと言う女性を知っているのか。

「ホロン...あぁ、この体の男の名か...」

 フミヤはそんなことを小声で呟く。だが、しっかりと俺には聞こえた。フミヤの今の体は、誰かから乗っ取り手に入れた体だ。

「マリア!この男に近づくなぁぁ!」

 カゲユキは叫ぶ。だが、マリアは止まらない。

「待っていたよ!マリア!こっちにおいで!」

 フミヤはそう甘い言葉をかける。マリアはフミヤに抱きつこうとする。




 ”バキバキバキッ”






「───」

 音にもならないようなマリアの悲鳴が俺たちの耳を木霊する。マリアはフミヤによって破壊されたのだ。


「おま...」

「うん!いいねぇ!やっぱり綺麗な女を破壊するのは!最高だ!最高だよ!気持ちいい!」

 驚きのあまり、俺の中から一瞬に感情というものが無くなってしまった。だが、すぐに怒りが戻ってくる。

「フミヤ...お前は...人じゃないよ...生物変化!」

「ぬぉ!」

 フミヤはバラとなる。俺は「花になれ」と念じたが、バラになるということは、フミヤの心をバラで表現しているのだろう。

「これで...お前を『破壊』する!」


 ”バキバキッ”


「うわぁ!」

 バラの花は破壊される。フミヤはこれで───







 も死なない。



「やったか?」

「まだ生きてる可能性の後押しをするんじゃねぇ!」

 俺はユウヤのフミヤ生存フラグにツッコミをする。

「『精神浮遊』でまだどこかにいる!俺らはその精神体を視認できない!探せ!音で!匂いで!感覚で!」

「あぁ!」

「ショウガを守れよ?俺はフミヤを見つける!」

 俺は探す。己の感覚で。どこに。どこにいるんだ。


「───」


 何かを感じる。

「ここだぁぁ!寿命吸収!」

 俺は寿命を吸収する。吸収するには触れている必要があったので、すぐに避けられてしまったのだが。

「どうして...どうしてだ!なんで...なんでお前が!」

 フミヤの声が聞こえる。

「俺はエイジンを殺した...」

「なっ...お前が!お前ごときが!エイジング師範様を殺していいはずあるか!そんな訳ない!お前は嘘をついている!俺の...俺の...俺の愛したエイジン師範様がお前ごときに負けるはずがない!信じるか!信じられるか!いいや、無理だ!信じられない!能力をエイジン師範様から奪ったのだな!許さん!お前ごときが誇り高い『寿命吸収』を持っていていい訳がない!俺はお前を...必ず殺す!」

 声が消える。どこかに行ってしまったようだ。そして、俺はフミヤのエイジンへの狂愛を見てしまった。偏愛を見てしまった。


「おい!なんだよ!こいつら!」

 俺らの周りには少し黄色く着色された、煙のような足のない人が大量に浮いていた。している格好を多種多様だ。剣士や魔法使い・格闘家の格好をしている人が多い。



 ───こいつらは、幽霊だ。

 ───第三の試験で犠牲になった人の幽霊だった。

フミヤの保有能力は7つ

硬化・・・体の一部を硬くすることが可能。

柔軟・・・体の一部を柔らかくすることが可能。

酸化・・・物体の酸化を早めることが可能。

千里眼・・・本来の自分の目では見えない範囲まで見渡すことが可能。

破壊・・・物質を破壊することが可能。

精神浮遊・・・肉体がなくても生存が可能。精神状態では、他人の体を乗っ取ることも可能。

???・・・幽霊関係であることは確か。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] フミヤ、サディストですね。 キュラスシタとは違うタイプの殺戮者ですなあ。 この場は何とかなりましたが、 フミヤとの再戦は必須ですね。 後、フミヤの保有能力多いですね!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。