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第688話 『無色透明』

 

「───がっ、はっ!」

「───イブ!」

「『羅針盤・マシンガン』!」


 ”ドドドドドド”


 イブの身に起こった異変。

 それは、あまりに驚きが大きすぎる奇襲だった。


 ───そう、イブの首が何者かによって斬られたのだ。


 それを見たリミアはすぐにイブに近付き、オルバは姿を見せない刺客を自分達から少しでも遠ざけるために『羅針盤・マシンガン』を適当な方向へぶっ放す。


「───」

 イブは、目を見開き自分の死に際に、身を守るように自分達『チーム一鶴』の周りを地面で囲む。これがあれば、中に入ってくることはないし、もし入ってこようとしてもすぐにわかる。


「相手が透明だ。オルバは上に縦断を!」

「おう!」

 クバルが、すぐにそう指示をしてオルバは上空に銃弾を放った。これにより、防護壁を作っている間に侵入されることをも防いだ。


 首から血がドクドクと流れているイブの肩を抱き、すぐにリミアは自分の能力である『羽休め』でイブの首の傷を回復させる。

 これにより、リミアの『羽休め』は1日イブに対してのみ使用不可能になってしまったけれど、イブの首の致命傷は回復することができた。


 そして、イブ達4人は戦場の真ん中にできたドーム状の土の防御壁の中で作戦会議を開始したのだった。


「───俺を攻撃したのは何者だ?」

「多分、ユイだ」

「───ユイ?」

 イブの質問に答えるのは、クバルであった。


「サウスタンの三鬼の一人であるユイだ。その名の通り鬼神(オニ)で、基礎的な身体能力だけでも優れているけれども一番強力なのは何を言ってもその能力だろう。ユリウス様が言っていたように『無色透明』という能力を持っている」

「『無色透明』か...」


 月光徒の幹部であるチューバは『透明』という能力を持っているが、それは自らを透明化させる能力じゃない。能力概要が透明である───という能力だった。

 だけど、今回の敵であるユイが持っているのは文字通り自分の体を無色透明にする能力だった。

 酷似した───というか、完全に一致している能力を例を上げると、魔神であり現在月光徒と協力関係のあるサルガタナスの持つ『透明化』というものがある。

 能力被りが出てしまうのは、長年続いている連載作品では仕方がない。それに、サルガタナスは魔神だから数個能力を持っている内の1つであまり目立たないから許容範囲だろう。


「───透明になれる能力か...こちらからじゃ視認できなくて面倒だな」

 イブは、全快しておりますそんなことを口にしていた。実際、相手が透明であると見ることができないので大雑把な攻撃をするしかないだろう。


「どうする?逃げるの?」

「いや、逃げない。相手が三鬼だとわかったのならばここで戦うのが一番いいだろう。条件を達成できるし、相手が透明であれば倒してすぐに安心した方がいい。ただでさえ不安要素が多い戦場だ。一つ一つ不安要素は無くしておきたい」

 イブは、冷静にそう口にする。首を斬られて尚、戦うことをやめない姿勢は素直に憧れていいだろう。


「───だが、どうするよ。倒すって言っても見えないんだぜ?」

「あぁ、そうだな。だから、どうすればいいのかだな」


 ───と、その時だった。


 ”ドォォォン”


「───ッ!」

 その刹那、イブ達『チーム一鶴』が入っていた土でできたドームが破壊される。

 外から、爆発的なエネルギーを加えられなければ破壊されないような土のドームだ。


 ───これが、鬼神(オニ)のパワーだろう。


「オルバ!」

「わかってる、『羅針盤・マシンガン』!」


 ”ドドドドドド”


 オルバががすぐに、『羅針盤・マシンガン』を放つ。だけど、銃弾が何者かに当たったような感じはしていなかった。


「相手が喋らないから、場所が全然わからねぇ!」


 無色透明・・・自分の体を無色透明にすることが可能。


 敵は、無色透明になっている以上、敵にも味方にもいかなるヒントを与えていなかった。実際、サウスタンの敵兵はユイに流れ弾が当たらないように銃弾を放とうとしてはいなかった。


「近くにいるってことはわかるんだが...」

 全員、油断せずに辺りを見張る。が、それでも相手は『無色透明』である為見ることはできなかった。


「できれば非戦闘員であるリミアを遠くに連れて行きたいんだがな...」

 そう、イブが口にした刹那。


「───ッここ!」

 オルバが、自分の首筋に何かを感じたのかすぐにのけぞってその方向に『羅針盤・マシンガン』を放つ。


 が、その銃弾が当たっている感じはしない。ギリギリで、オルバは避けることが成功したようだった。

「あっぶねぇ...」

「場所が渡ったしても避けられてしまうのか...」


 敵は透明かつ俊敏であるから、攻撃が当たらない。どうにかして、居場所を探らなければいけないだろう。


「───透明である以上、場所を探るには何か目印を付けたほうがいいだろう...」

 だけど、相手は首を斬り裂いたことからも持ち物も無色透明にできるような敵だ。


「居場所を探るなら...こうだろう!」

 その刹那、イブは地面を揺らす。


 ───その作戦の真意は。

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