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第654話 リューガ、その過去 ─議題─

 

付加価値(アディショナルメンツ)』のオレとチューバを除く13人のメンバーの招集。

 それは、至高の思考に試行錯誤を重ねた物となった。


 ───と、これが起こった時系列を話したほうがいいだろうか。


 まず、『付加価値(アディショナルメンツ)』を作ることになったのが、オレが19の世界での戦いで自分の体以外の全てを失った───要するに、『7人の同志』のメンバーを失ったことと、20の世界の『チーム一鶴』との戦いでヴィオラの死亡が確認されたことから始まる。


 よって、『チーム一鶴』のメンバーが21の世界に行ってからの出来事なのである。

 今日───『チーム一鶴』の4人と22の世界で交わったところには、メンバーは決められているのだから、『チーム一鶴』のメンバーを誘拐して、奴らを檻に監禁した後に、すぐにオレはチューバに招集をかけられてメンバーの選考を始めたのだった。


 ───これが、選考に入るまでの順序である。


 月光徒にも、激震は走っていた。何せ、幹部のヴィオラが死亡して幹部が一人減ってしまったのだ。

 19の世界の、『ゴエティア』と『チーム一鶴』との三つ巴合戦が行われて月光徒の幹部であるチューバの部下はほとんど死亡してしまっていたので、幹部を増やす───という案は出なかったようだ。


 出たとしても、却下されていたらしい。


「───んで、リューガ。どうする?」

「そうだな...正直、オレは誰が強くて誰がいいか───とかわかっていない」

「そうか...そうだよな。幹部の俺は一応人員の把握をしているけれど、リューガはしていなかったようだな。すまない」

「別に構わない。一応、メンバーの提案としてはサルガタナスが招集をかけてくれている魔神の中に使えそうな奴はいる。どうだ?」

「すまない、今回は月光徒の中だけでメンバーを組みたいんだ。別に、援軍として追加するのは構わないだろうけれど初期のメンバーは全員月光徒で固めたい」

「───わかった。サルガタナス達にもその説明はしておく」


 現在、サルガタナスはルキフゲ・ロフォカレという名前の魔神を探して数々の世界を東奔西走しているらしい。だから、説明するのは既に招集に呼び寄せてくれたフルーレティとサタナキアという名前の魔神2人にだろう。


「───と、それとだ。魔女候補のオリリスは駄目らしい。別の所で用途があるんだろうとよ」

「そうか、了解した。まぁ、オレとその魔女候補とやらは関わりがないけどな」


 そう、もう一人の俺───要するに、現在『チーム一鶴』に所属している忌々しきリューガは魔女候補に出会っているのだろうけれど、俺と関わりがあるのはテフネトと、9の世界で殺したアテムとラシューの2人だけであった。

 だけ───と言っても、常人には3人となんか関われる人の方が少ないのだが。


「んじゃ、オレはめっきりだな。『チーム一鶴』に集中し過ぎていて、月光徒の中での仲間の輪が小さすぎる」

「そうだな。俺もリューガに意見を求めたのは間違いだったぜ。まぁ、一応『付加価値(アディショナルメンツ)』の仲間になるから意見は聴いてもらうけどよ」

「あぁ、わかった」


 メンバーの選考は、ほとんどチューバに任せることにしていたのだった。

 どちらにせよ、メンバーは月光徒のボスであるステートに任せる可能性の方が大きかったから、そこに関してはほとんど大差ない。


「まず、今回俺達が勧誘できるのは俺の直属の部下と、ヴィオラの部下だった人物。そして、最後の一人の幹部であるマフィンの部下じゃない人物───まぁ、特に誰の下にも付いていない人物だ」

「そうか」

「ステート様のお気入りも声をかけるのは避けたほうがいいだろう」

「機嫌を損ねられても困るしな」

 俺はそんな言葉を交わす。


「んでだ、俺の直属の部下はほとんど死んだのも知ってるだろ?」

「あぁ、知ってる」

「だけど、嬉しいことに俺の部下で一番強いやつと2番目に強いやつは生きてたんだ」

「じゃあ、そいつ等は勧誘だな」

「あぁ、そうだな」

「名前はなんて言うんだ?」

「『趣味嗜光』オイゲン。そして、『聖夜(クリスマス)』ヒンケル、だ」

「名前からして随分と強そうだな。『聖夜(クリスマス)』って異名に関しては強いのかわからないが」

「大丈夫、安心しろ。俺の部下だ。そこまで弱いわけじゃない」

「あぁ、わかってる。チューバの部下だから信じられる」


「残るメンバーは別のところから引っ張ってこなければ行けないんだけれど───と、そうだな。まずは何人仲間に引き込むか決めるか」

「何人以上必要なんだ?」

「10は必要だろうな。ゲームのこともあるし」

「ゲーム?」


 俺は、チューバから「ゲーム」の説明を受ける。ステートが好みそうな、ゲームだった。人質の命は賭けることはなく、戦う人物だけの命を賭ける───というところが、如何にもステートらしい。


「じゃあ、魔女と同じ人数───13人でいいんじゃないか?」

「13人か...それでもいいかもな。少なからずリューガの案はどこかで採用したかったから13人に極めよう」


 こうして、メンバー13人と、最初の2人のメンバーは決定したのだった。

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