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第625話 仲間大捜索

 

 俺とイブは、ただ一人残されたオルバからチューバとの話を聴いた。

「それじゃ、もしかしたらマユミやカゲユキ・セイジにステラはまだどこかにいるかもしれないのか?」

「2人が世界にやって来た時に戦ってないのならいないかもしれない...周り、探したんだろう?」


 オルバは、戦いの途中で風魔法で遠くに吹き飛ばされていたので事を顛末を知らないのであった。

 それ故に、マユミやカゲユキ・セイジとステラがチューバに連れて行かれたことを確信していなかったし、まだどこかにいると考えていたのだ。


「いるかもしれないのなら、もう少し捜索しよう」

「あぁ...そうだな...」

「でも...相手は月光徒の幹部だぞ?」

「安心しろ、オルバ!俺達は月光徒の幹部であるヴィオラを倒してきた!」

「あぁ...そうだ...」

「んな...マジかよ、月光徒の幹部に勝ったのか?」

「あぁ!」


『憑依』を使用して、無理矢理その体を奪ったような感じがするけれど問題はないだろう。

 あ、ヴィオラの元の体───要するに人の形にはなれないので、俺は体の変更を制限している。


 まぁ、ここで20の世界になったら21の世界の全てが埋まってしまうからね。だから、20の世界の姿になることはできない。それ故に、ヴィオラの『脳内辞書』を俺の能力にしようとすることもできない。


『憑依』したからその能力を使えるのではなく、『憑依』をしてその体になってから能力を使用することで体に馴染む───という感じだ。


 これまでの『生物変化』や『寿命吸収』・『雷霆万鈞(らいていばんきん)』はそうやって手に入れてきていた。

 あ、それと『破壊』や『硬化』及び『柔軟』等々の能力道場で手に入れた能力を持つ人物に『憑依』した場合は、その能力を手に入れられないようだった。


 だから、3の世界でカイロに『憑依』した時だって『酸化』は手に入らなかったし、9の世界でリカに『憑依』することになった時だって『硬化』を手に入れるには至らなかった。

 その肉体自身に能力が染み付いているためらしい。


 色々と難しい話だ。

 そして、色々と話が脱線してしまった。


「それじゃ、ステラ達を探そう」

「あぁ、わかった」

 俺達は、周辺の捜索を再度行うことにした。オルバに出会う前までは、集落に向かおうとしていたけれど、戦って生きている可能性があるのであれば探す価値はあるはずだった。


「どうすれば見やすいかな?」

「『生物変化』で木々を変えてしまえば他の生物を見つけやすいんじゃないか?」

「そうか、その手があったか」

 俺は、オルバに提案されてその案を実行することにした。


「んじゃ、『生物変化』!」

 途端に、俺の周りにあった木々が青魚に変わる。

 ピチピチと魚がその場で跳ねては、俺が能力を解除するために元の木に戻っていく。


 魚にした理由は、木を無闇に移動させないためだった。青魚ならば、跳ねる限りでその場から動くことはほとんど無い。

 もっとも、魚はエラ呼吸であるからすぐに木に戻さないと窒息してしまうという憂慮はあった。


 だけど、一度『生物変化』をしてしまえば、その一帯は見て回れるので問題はなかった。

 その、木を魚に変えて木に戻す───という、一見無駄な作業にも見えるものを、俺は世界を飛び回って行った。が───。


「見つからなかったな...マユミ達」

「そうだな...」

「どこに行ったんだ、ステラ...」

 いるかもしれなかったマユミ・カゲユキ・セイジ・ステラの姿さえも見つからなかった。


 チューバもいないと言うことは、もう帰っていったのかもしれない。

「きっと、月光徒の目的は魔女候補だったのかもしれないな...」

 俺はそう口にする。


「魔女候補...俺も声をかけられたことはあるが...そこまでのものなのか?」

 イブが、そんな質問をしてくる。そう言えば、イブは魔女候補に選ばれてはいるけれど「魔女候補」そのものに知識を持っているだけだった。選ばれているだけで、何も説明は受けていないようだった。


「俺は、別に誇らしいことではないと思うのだが...」

 イブはそう付け加える。


「これまでに出会ってきた魔女候補は、例外無く全員強かったよ。選んでいるのが月光徒であるからこそ、逆に信用できるし、逆に誇っていいと思う」

 俺は、これまでに出会ったことのある魔女候補のことも少し話をした。9の世界でお世話になったアテムさんやラシューさんのことだったり、『7人の同志』として俺達の敵として憚ったテフネトのことだったり。


「そうだったのか...」

 俺は、魔女候補であるヌルの考察である「魔女候補は直接的・間接的であれ全員戦死する」という情報を話すことはしなかった。


 そもそも生物はいつか死ぬし、魔女候補は魔法使いであるためにその可能性が高いという訳だった。

 だから、別に特段話す必要はないだろうし、イブにステラのことを心配させるだけだったので、話はしなかった。


「───と、行こうぜ?何も見つからなかった訳だしよ」

「それもそうだな。チューバの言葉を信じるのであれば、ステラ達は月光徒のアジトにいるはずだ」

「また月光徒のアジトかよ...19の世界でもう嫌という程味わったのだからもういいんだけどなぁ...」

 オルバ・イブ・俺と三者三様のことを口にして、集落に向かうことを決めた。


 ───と。


「ひぃ、ひぃぃぃぃ!」

 そう言いながら、俺達の方へ迫ってくる───いや、逃げてくるのは、長髪の女性。そして、その女性を追いかけるようにして後ろを走っているのは、鎌や斧を持っている複数人の男性だった。

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