第62話 兵と書いて兵
さて、第二の試験の決勝が行われてから3日が経った。
「それじゃ、時空の結界に行くか!」
「あぁ...そうだな...」
俺たちは、今日「ユウヤチーム」と共に、第三の試験が行われる第4の世界に行く。
俺はショウガの胸の中に入りながら移動する。時空の結界は、試験場の奥にあり、一般では入れないところにあった。
「なぁ...」
「誰だ?」
俺らは不意に誰かに話しかけられた。そこには、バトラズとモンガがいた。
「お前らに...敬意を伝えに来た!」
「敬意?」
「あぁ!私達はあなた達に負けた!私達は勝利に慢心していた。傲慢だった。だから、私達を変えてくれたあなた達に敬意を払う!あなた達はやはり兵だ!」
兵と書いて、兵か。バトラズとモンガらしい読み方だ。
「あぁ!また...どこかで!」
「必ず...会おう!その時は、お手合わせを!」
ショウガとモンガは握手をする。
「それでは...私達がここにいることがバレたら問題になりそうだから...さらばだ!」
一瞬にして、目の前からバトラズとモンガは消える。
「あいつらを...いつか真友と呼べる日がくれば...」
「何言ってるんですか!バトラズさんとモンガさんは、もう友達ですよ!」
リカは笑いながら俺の方を見てくる。
***
俺たちが時空の結界に到着する時には、もう「ユウヤチーム」は到着していた。
「あ、ショウガさん達だ!」
マユミがこちらを指差す。リカは小さく手を振っていった。
「え、本当に?」
ユウヤとトモキがこちらに走ってくる。
「あの...第二の試験から見てたんですが...」
ユウヤとトモキは目を輝かせて俺の方を見てくる。
「「あの...触らせてください!」」
「ま...まぁ...いいけど...」
しょうがない。コイツらに触られてもいいだろう。第三の試験に向けて、仲良くしておくことはいいことだと思うし。
「うわぁ!可愛い!」
ユウヤは俺のことを手の上に乗せている。そして、トモキは...
「げふっ!」
「この変態が!」
トモキはショウガの胸を揉んで、ぶっ飛ばされていた。
「いいって言ったじゃん!いいって!」
「触っていいのは我の胸じゃない!リューガだ!」
「バカだな...トモキは...」
「えぇ...そうね...」
後ろの方で、マユミとカゲユキがトモキのことを笑い者にしている。まぁ、言動からしてしょうがないだろう。
「はい!それじゃあ、第三の試験の説明をさせて頂きます!」
クワンが第三の試験を説明してくれる。
「第三の試験は第4の世界に移動した瞬間スタートします!第三の試験では、アイキーの取り合いを行って頂きます!試験のクリア方法は、第5の世界にアイキーを使って移動することです!」
「ルールとしては簡単だが...取り合いなんだろ?」
「はい!いかなる手段を使ってもいいです!そして、途中離脱はすることが出来ませんので!」
「アイキーで移動する人数とかは?」
「何人でもいいです!なので、他人が使ったアイキーで一緒に入るのもアリです!」
「ありがとうございます!」
「細かいルールは向こうにいる試験官に適宜聞いてください!」
「「「はい!」」」
「クワンさんは...ついてきますか?」
「はい!今回は着いていきますよ!」
「なぁ?ショウガ?どうやって4の世界から3の世界に戻るんだ?」
「さぁ?私も知らないぞ?」
「そんなことも知らないのか?」
カゲユキはこちらを少し蔑むような目で見てくる。
「カゲユキ!知ってるのか?教えてくれ!」
「そんなの嫌に...」
「待てカゲユキ!」
ユウヤがカゲユキが否定するのを止める。
「教えてやる!その代わり、傘下に入れてくれ!」
ユウヤは思いがけないような提案をしてきた。
「なっ...ユウヤ?」
「頼む!」
ユウヤは俺らの方に頭を下げてくる。
「ユウヤ?どういうことだ?」
ユウヤの仲間も困惑している。伝えられていなかったらしい。
「第二の試験を見て、リューガ達の強さはわかってる!それで...第三の試験で敵になるのなら...絶対に勝てない!情報を教えるから!傘下に入れて、俺たちを守ってくれ!」
「あぁ...いいが...」
「本当に?」
「あぁ!じゃあ...今から{ユウヤチーム}は、俺ら{チーム一鶴}の傘下となる!いいな?」
「リーダーの決定なら...しょうがない...」
「どうせ、志半ばで死にたくないからね!」
「ショウガさんの胸を...」
「それは駄目だ!」
トモキの爆弾発言を最後まで聞く前にショウガはツッコミを入れる。
「胸を揉むのは、冗談だよ...いいに決まってる!」
「じゃあ、決定だな!」
「それで、どうやって世界を戻るんだ?」
「戻り石と言う2個で1セットの石がある...その石を持った人はもう片方の石があるところまで移動できる!そういう石だ!」
「ふぅん...なんか、凄い石があるってことはわかった!」
「まぁ...その認識で...いいのか?」
そして、時間が経つ。
「準備はいいでしょうか?」
「「「はい!」」」
「それでは...4の世界に...出発です!」
クワンはアイキーをはめる。俺たちは時空の結界の中に入る。第三の試験が楽しみだ。
こうして、ユウヤ・トモキ・マユミ・カゲユキは「チーム一鶴」の一員になった。
***
「キュラスシタを倒した人を見つけた」
暗闇の中で3人が喋っている。
「そうか。よくやった」
「俺の部下を一人送ったぞ」
「そうか...なら、ひとまずは様子見だな...」




