第6話 農園の人間
投稿頻度が下がると思いますが、ご了承おねがいします。
「え?じゃあどこにケイコの糸はあるの?」
「こんな商店街じゃなくてもっと『ファースト』に近い専門店に行きなさいよ!」
俺は洋服店の主人に怒鳴られる。俺はお礼を言って急いで外に出た。
「しょうがない...次はルター芋でも探すか...」
俺は商店街を出る。するとそこには、木で作られた家と、たくさんの野菜が作られている畑が目に入った。
俺は近くにいた老人に声をかける。この老人は半鬼人だった。
「すいません...ルター芋を買いたいんですけど...どこに売ってますかね?」
「え?なんじゃ?」
「ルター芋を買いたいんですけど...どこに売ってますかね?」
「え?もう一度言ってくれぬか?」
「だ!か!ら!ルター芋を買いたいんですけど!どこに売ってますかね!」
「ナンパ?きもーい...」
クソジジイはどこかに行ってしまった。
「なんだよ!あのクソジジイ!ナンパなわけねぇだろ!自意識過剰か!」
「なんだと?若造!ぶち殺すぞ?」
「聞こえてんのかよ!」
俺は走って逃げる。そして、一つの農園を見つけた。
「すいませーん!ルター芋を買いたいんですけど...売ってますかね?」
「あぁ!売ってるよ!どれくらい欲しいんだい?」
「15kgです!」
「15kg?そんなに買うの?」
農家のおじさんは1kgと書いてある袋を15個持ってきてくれた。
「そんじゃ、15kgだから8万ボンね!」
ボンはこの世界の単位だ。1万ボンで1000円ほどらしい。だとすると、8000円だ。低価格だ。
「わかりました!」
俺は8万ボン出す。
「兄ちゃん!一人で持って帰れるかい?」
「あー...無理そうですね...」
「じゃあ、一人連れてっていいよ!おーい!お前ら!」
俺の目の前に3人が並ぶ。2人は蜥蜴人間で一人は人間の女の子だ。女の子はこちらを見ずに俯いている。
「で、どの子にする?」
「あ、じゃあ...人間の子で...」
「え?私ですか!」
「そんじゃ、リカ!行って来い!」
リカと呼ばれた少女は背中に背負ったかごに10kg分ルター芋を入れさせられる。そして、俺たちは農園を出た。一度家に帰ることにしよう。
「どうして...私を選んだんですか?」
リカに問われる。
「どうしてって...俺も人間だからだよ?」
「はい?」
「あぁ...今は蜥蜴人間の姿をしてるけど、本当は人間だったの」
「そうなんですか...奴隷にされなくてよかったですね...」
「奴隷...なのか?」
「はい...人間なので奴隷として無賃金で働かされています...」
状況的には今の俺と一緒だ。
「そうか...大変だな...」
俺は商店街を通り過ぎる。みんな俺たちの方を見ていた。中には、指を指す者もいる。
「すいません...私がいて...」
「いいんだよ...人間なんだろ?自分を責めるな?」
「ありがとうございます...」
俺らは屋敷に着いた。キッチンにルター芋を置く。
「ここでいいですか?」
「あぁ!ありがとう!」
キッチンにメイド長が入ってくる。
「おかえりなさい...って、なんでここに人間がいるのよ!」
「あぁ!荷物持ちとして...」
「この屋敷の中に人間を入れないで頂戴!人間が歩いたところは買い物が終わった後しっかりと掃除するように!」
「あ...はい...すいません...」
「ごめんなさい...私がいるから...」
俺はリカを背負う。
「え?あ!え?」
「お前が歩くと掃除するところが増える...」
俺たちは外に出ると。リカは頬を赤くしている。
「えぇと...お名前は...なんですか?」
「俺?俺は...リューガだ!」
「私はリカと申します...本日は多大な迷惑をかけて申し訳ありませんでした...」
「迷惑なんかかけてねぇよ!お前といて楽しかった!」
「ありがとうございます...」
「あ!ケイコの糸と竜の卵を売ってるところ知らない?」
「私のいる農園の隣の店で両方売ってます!」
「ありがとう!じゃあ帰ろうか!」
俺たちは農園に戻ってくる。
「リカさんの返却に来ましたー!」
「おぉ!兄ちゃん!ありがとう!お金はいらないよ!これからも、よろしくね?」
「は、はい...俺が担当するときは使わせて貰います...」
俺は隣の店でケイコの糸と竜の卵をしっかりと買った。そして、屋敷に戻る。俺はキッチンにいた。
「あ!リューガさん!」
俺と話してくれるメイドがキッチンに来た。
「お!メイドさん!」
「あ、私の名前はサメリです!」
「サメリちゃんか!よろしく!」
「はい!よろしくです!」
「そんで、何の用事?」
「なんで人間なんか連れてきたんですか?」
「あぁ...さっきの子?」
「はい...ジャワラ様は大の人間嫌いなのを覚えてないんですか?」
「あぁ...そうなんだ...」
「買い物は終わったんですか?」
「いや、まだだ!まだ高級茶葉を買ってない!」
「あ、なら早く買いに行った方がいいですよ?」
「あぁ!わかった!ありがとう!」
俺は急いで高級茶葉を買いに行く。高級茶葉はヘイターの屋敷の近くに行けば買えるらしい。
「えぇと...ヘイターって誰だ?」
俺はリューガの脳内を漁る。ヘイターはこの『ファーストヴィレッジ』一番の貴族らしい。ヘイターは『ファースト』の近くに住んでいる。あ、『ファースト』は村の名前だ。『ファースト』は『セカンド』の奥にある。ということは、今日だけで同じ道を3往復する羽目になった。
30分ほど歩いて、『ファースト』までやって来た。




