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第51話 賢者集団

 

 ───次の日。

「はぁ!朝かぁ!」

 ショウガは起きる。今日はトーナメント表②の第二予選だ。第二予選と呼んでいるが、結果的には予選だ。

 第一準決勝などと、トーナメント表①とトーナメント表②の区別をつけるようにその名前で呼んでいる。

「あ、おはようございます!」

 リカは洗面所からショウガに声をかける。リカは顔を洗っていた。

「いい朝だな...おはよう!」

「えぇ...昨日は勝ちましたもんね...」

「あぁ...」


 ***


「さて...ありがとうな...ジフ...」

 バント率いる「チームロイバン」はジフにお礼を言って、試験場を出ていく。負けた者は出ていかなければならないのだ。それはルールとしての決まりで、守らなければ罰されてしまう。

「私達は...ずっと...この世界にいるのかな?」

「さぁな...わからない...」

「そうだな...」


 ***


「朝か...」

「そうね...今日は休暇よ...」

「そんなことは知っている...」

「折角教えてあげたのに...」

 バトラズとモンガは自分達の部屋で過ごす。


 ***


「なぁ!サインは試合を見るのか?」

「バカバカしい!昨日敵に情けをかけられたような中途半端な野郎は黙っていろ!」

 サインに話しかけたアグールは怒られる。

「ご、ごめんよ...」


 ***


「レディースアーンド!ジェントルマン!お待たせいたしました!今から第2試験!トーナメントマッチの第二予選を行います!実況は昨日に引き続きこの私、ケイル!ケイルがお送りいたします!昨日は{剣鬼と剣姫}、{タンジェント}、{筋肉は全てを解決する}、{チーム一鶴}の4チームが第一準決勝に勝ち上がりました!今日は一体どのチームが第二準決勝に勝ち上がるのでしょうか!それでは、第二予選第一試合が始まります!{シャーパーズ}vs{金色のフロン}です!彼ら彼女らはどんな鮮やかな闘いを見せてくれるのでしょうか!いや、魅せてくれるのでしょうか!それでは、{シャーパーズ}の方々!入場ー!」

「「「うううううううううううううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」

 観客の叫び声が闘技場内に響き渡る。その声の大きさに俺は驚いてしまった。

「リューガ...大丈夫か?」

「あぁ...少しびっくりしただけだ...」

 ショウガは心配してくれたが、俺は小声で返した。俺たちは昨日と同じで試合を見ることにしている。何だかんだ言って、試合を見るのは楽しいのだ。


「盛り上がってんなぁ...」

「そうね...」

「皆さん、落ち着いてくださいね。私達は勝てるんですから!」

「シャーパーズ」には賢者が4人もいる。リーダーのジョンノン・アブ・Ms.Emma・ナルミは賢者だ。ここまで賢者が多いチームは前代未聞とも言えるだろう。「三人寄れば文殊の知恵」と言うが、賢者4人が集まれば何が生まれるだろうか。QuizK○ockだろうか。

「あぁ!俺らなら勝てるような!」

 このチーム唯一賢者ではないフーは格闘家だ。でも、フーは頭が悪いわけではない。IQは160近くある。天才だ。では、何故格闘家になったのだろうか。


 それは、フーの家計が関係している。フーの父親は格闘家界に名を轟かせる、格闘家の先生であったのだ。

 そんな父親の子供だったから、フーは格闘家として修行を行った。格闘家として育てられたのだ。

 だが、フーの地頭の良さに、ジョンノンやアブは気づいていた。だから、フーを仲間に引き込んだのだ。


「{シャーパーズ}はジョンノン・アブ・Ms.Emma・ナルミ・フーの男女5人組です!彼ら5人の内4人は賢者だ!この天才集団に勝てる天才頭脳はいるのか!戦闘の賦は采配を振るうのか!続いて登場するのはぁ!{金色のフロン}です!それでは、入場ー!」

 一人の男が、闘技場に入ってくる。

「なんだ?あいつ一人だけなのか?」

「そうみたいですね...」

「金色のフロン」は...あいつだ。大広間に一人でいた奴だ。一人で5人もの相手をできるのだろうか。


 ***


「うぅん...今日も僕は綺麗だ!すごく綺麗だ!」

 フロンはそんなことを話しながら、闘技場の中心へと移動する。

「君たちもこんな僕に負けることを光栄に思いなさい!」

「なっ...何を!何を言っているんだ!」

「うん...僕を輝かせる有象無象には丁度いいな!一匹残らず薔薇の花に変えてあげるよ!」

「みんな!騙されるな!あいつは一人だ!僕たちなら十分に相手にできる!」

 リーダーのジョンノンが味方の怒りを上手く沈める。

「冷静でなきゃ駄目だ!そうだろう?みんな!」

「あぁ!リーダー!すまなかったな!」

「いや、試合前に気づけてよかった!」


「それでは...スタートォォォ!」

「「「うううおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」

 そして、試合が始まる。

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