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第516話 大階段での戦い

 

 ***


 ───一方、こちらは17の世界の王城の1階玄関前にある巨大階段。


 対面しているのは、マユミ・カルガンの2人とMrs.ブーロンであった。


 マユミは魔法杖を構えて、カルガンは己の武器であるハンマーを握り。Mrs.ブーロンは紅色の着物を身に着けて帯の前で手を合わせていた。


 ───武器を持たぬということは、何か能力で戦う証明でもあった。


「───さて、どうするかなんだよな...」

 こちらから攻めても反撃されちゃ問題がある。ならば、近接特攻なら攻撃は駄目だろう。


「マユミ、このMrs.ブーロンとは面識があんだろ?その時はどんな能力だったか覚えてないんか?」

「確か...体を鉄に変えていたような気がするわ」


 Fe・・・自分の体を鉄に変化させることが可能。


 実際、マユミの記憶は正しかった。マユミはしっかり初対面時にMrs.ブーロンの『Fe』を見極めていたのであった。


「なら、少し雷魔法で攻撃してみろ。死ぬほどでもないが、食らいたくはないであろう威力でな」

 マユミに大体の能力概要を聞いた後でも、カウンター系の能力であることを警戒して死なない程度の威力と付けた。


「わかったわ、サンダー!」

 直後、Mrs.ブーロンの頭上に小型の暗雲が現れ、雷が落ちる。


 これまでの雷魔法は、雷が落ちるだけだったが、マユミは雲までをも生み出すことができるようになっていた。この雲は、威力が高いことを表している。


 雲ができることにより、不意打ちとしての雷魔法は無くなるが、それを引き換えに威力をあげることは可能だ。


 ”ゴロゴロゴロ”


 唸りを上げた雷鳴。しかし、Mrs.ブーロンは自らの能力である『Fe』を使用して、地上に雷を逃していた。


「残念でしたわね、鉄になったときの状態では痺れませんの」

「予想通りだ。そして、今の行動で大体お前の能力についても予想がついたぜ!」

「ワタクシの能力は『Fe』で、自分の体を鉄に変化することが可能な能力ですわ」


 Mrs.ブーロンは自らの能力について包み隠すことなくすべてを話してしまった。だが自分の体を鉄に変えるというシンプルな能力故に能力概要を説明しても別に問題はない。


 どうせ、もうマユミとカルガンはその能力についてもう気付いているのだから話したところでほとんど問題ないだろう。


「───そして、能力概要について知った上でどう攻めてくるんですか?スパイのカルガンさん」

「───ンンッ!何故、俺のことを!」

「大事な息子を守るためです。兵の名前や性格・誕生日から血液型に至るまで完璧に把握しています。だから、スパイとして侵入していたアナタのことなんて丸わかりなんですわ」


「じゃ、じゃあ...どうして俺を捕らえなかったんだよ。捕らえなかったのが、俺に気付いていない最大の証明にならねぇか?」

「残念ですが、捕まえないことも全てブーロン2世の決定です。捕虜としているユウヤさん、シンドークさん、バトラズさんの安否を確認しに来ていたのですわね。こちらの方針として拷問をせずに生かしておく───ということを文書にでもして送ればよかったのですが、それは先代の王であるローラン・ハイランドに赦してもらえなかったですし」

「───」


 目の前にいる女傑を前に、マユミとカルガンは若干尻込みしてしまう。が、その程度の尻込みを前に進むパワーに変更するのはカルガンだった。


「バレてたってなら、話は早ぇ!お前を殴り殺す理由だっていらねぇ訳だ!」

 カルガンは両手でハンマーを持ち宙を2回転ほどして、遠心力を付けてからMrs.ブーロンに向けてハンマーを当てる。


 ”ゴンッ”


 そんな鈍い音がして、Mrs.ブーロンの頭がへこむ。ハンマーの形をくっきりと残すように綺麗な凹み跡ができた。


「弱いキャラから順に戦闘に配置される構図が、俺には理解できねぇんだ。んま、俺にかかればお前なんか一殴りよ」


 ───などと、カルガンが勝利宣言をする。


 誰がどう見ても、Mrs.ブーロンの頭は潰れていた───いや、正確には薄く伸ばされていたと言えばいいのだろうか。だが───


「あら、この程度で勝利宣言ですか?」

「───ンンッ?!」


 Mrs.ブーロンの頭は潰されているはずなのに、そこからは声がする。

「なん───」


「はぁ、おとぼけた頭でございますわね。1から100まで解説されないと理解されないのでしょうか?まぁ、優しいから解説して差し上げます。金属には、展性や延性と呼ばれるものがあるのです」


 ───展性や延性。


 それは、圧縮する力や、引き伸ばされる力が加わった時に変形する性質である。

 今回は、ハンマーに叩かれ圧縮される力───展性が加わったと言えるだろう。


「硬いだけじゃないのです。それに、弱いキャラが倒しやすい───だなんて、どこの誰も言っていませんよ?」

「クソッ、面倒くさそうだぜ...」


 カルガンは、Mrs.ブーロンから距離を取る。体全体を鉄に変えられる能力である以上、カルガンのハンマーじゃ完全に殺すことは不可能だ。だから、マユミの魔法を使用して───


 その刹那、カルガンの顔面にめり込むのは、鉄の拳であった。


 ───Mrs.ブーロンは耐久力だけでなくスピードもあったのだ。

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