第514話 復活した魔神
『陽光の刹那』の紹介
ペトン 茶髪
我武者羅ガム・・・ガムのように粘着性のある物質を作り出すことが可能。伸ばすことはできるが、縮めることはできない。
アイラ 唯一の女子
回収・・・触れたものを異空間にしまうことができる。だが、取り出すことはできない。
オルバ 右目に眼帯
羅針盤・マシンガン・・・決めた方位にのみマシンガンを放つことが可能。
***
「んで、お前がゴエティア序列46位のビフロンスってやつか?」
「いかにも。お前ら一般探訪者なんかよりも、何百倍も生を享受している戦闘狂の集団───その中の序列46位がこの俺、ビフロンスだ。そして、お前らを殺すことにもなる名前の男の名、それがビフロンスだ」
「へぇ、覚えとくよ。ラ・フランスさんよ!」
オルバが、煽るように名前を間違える。そして、その直後、自分の手の平をビフロンスの方に向け───
「『羅針盤・マシンガン』!」
”ドドドドドド”
ビフロンスに向けて、大量に打ち込まれる銃弾。撃っている時は方向を変えられない───という決定こそ存在するが、相手が一体の場合はほとんど問題がないだろう。
「───『陽炎蜉蝣』!」
ビフロンスは、自分の体を包むように『陽炎蜉蝣』で不定形の生物を生み出す。形の定まらない生物に、銃弾が撃ち込まれるもほとんどビフロンスには攻撃が入っていないようだった。
「危ない危ない...」
そして、地面に吐き捨てるようにして落下した『陽炎蜉蝣』の防護壁。
「よくもやってくれるじゃねぇか...このガキ!」
直後、ビフロンスは大量の『陽炎蜉蝣』を生成する。
左右に揺れ動きながら形を決めていく『陽炎蜉蝣』には一種の恐怖までもが感じられた。
「うへぇ...気持ち悪ぅ...」
「これ相手に、1人でリューガは決着を付けたのか...流石だな...」
「本当だ!とりあえず3人で『陽炎蜉蝣』を片付けんぞ!」
リーダーはペトンのはずなのにオルバが指揮を取っている。だが、実際オルバの戦闘においての鑑識眼はペトンよりも優れていた。
それがわかっているからこそ、ペトンやアイラは反発せずにオルバに従う。
───オルバのこの鑑識眼も元をたどれば『陽光の刹那』の元リーダーであったサンであるのだが。
「右の3体を任せる!左と正面の5体は俺が相手をする!」
「わかったわ!」
「そっちも任せた」
「『羅針盤・マシンガン』!」
”ドドドドドド”
「『我武者羅ガム』」
「『回収』」
オルバは、『羅針盤・マシンガン』で5体をそれぞれなぎ倒す。オルバの『羅針盤・マシンガン』の利点としては、残弾数を全く気にすることなくマシンガンを乱射できることだろう。
「こんなの、外にいた兵士と同じくらい雑魚だぜ!」
一方、『我武者羅ガム』で『陽炎蜉蝣』の動きを止めたペトンと『回収』で相手を異界にしまうアイラの2人。ペトンとアイラのペアはかなり強力だった。
今回もいつも通りの手段で、相手の動きを止めて存在ごと消す───という方法を使用していた。
「───って、おいおい...どんどん増えていくじゃねぇか...」
ドンドン増えていく『陽炎蜉蝣』に、若干舌打ちの含まれたオルバの言葉が投げかける。
「一体一体倒していたらきりがない。隙を作ってアイラの『回収』を使用しようじゃないか」
「あぁ、そうだな。それが名案だ」
「わかったわ、援護して頂戴」
オルバは、アイラとペトンの2人の近くまでやってくる。そして『羅針盤・マシンガン』を構えた。
「やり残しはペトン、『我武者羅ガム』で動きを止めてくれ」
「もちろんだ。アイラ、動きを止めたやつは全員無視でいい」
「わかってるわよ。私が狙うのはビフロンス一人でいいのよね」
「おいおい、まだ俺を殺せるだなんて思ってるとは...驚きだぜ!この千年以上、俺はリューガ以外の誰にも殺されなかったんだぜ?お前らごときに俺を殺せると思うな!」
「『羅針盤・マシンガ───ンッ!」
「『蝋燭』だよ、ばーか」
ビフロンスが、オルバに向けて使用する『蝋燭』。それにより、オルバは体が蝋まみれになってしまった。
「さぁ、銃弾を向けてみろよ。引火すんぜ?」
「───あぁ、そうかよ!」
”ドドドドドド”
引火する可能性があるのに、オルバは『羅針盤・マシンガン』を使用する。だが、それでオルバの体が爆発することも炎に包まれることもなかった。
「───んなっ!」
ビフロンスに、数発の銃弾が食い込む。それは、ビフロンスの皮膚を裂き肉を断つような攻撃になった。すぐに、ビフロンスは自分の体を『陽炎蜉蝣』で包み込む。
「隙は作った!アイラ!」
「わかったわ!」
オルバの右斜め後ろから、ビフロンスの方へ突撃するのはアイラとペトンの2人。
「『陽炎蜉蝣』、行けッ!」
自分にアイラを近付けんと、呼び出した大量の『陽炎蜉蝣』を使役するビフロンス。
「『我武者羅ガム』、そこで大人しくしとけ」
ペトンが『我武者羅ガム』を使用し、接近してくる『陽炎蜉蝣』の動きを止めて、一網打尽にする。
「───んなっ!」
「あなたの敗因を教えてあげる。私達の団結力を、舐めすぎたことよ」
アイラは、もうビフロンスの目と鼻の先までやってきた。
「まだ、俺は...ここでッ!」
直後、アイラの体からメラメラと燃え盛る炎が現れた。
「熱っ!」
その温度に藻掻くようにして、アイラはその場に転げ落ちるようにして床でジタバタと体を動かす。
「『病は気から、文明は火から』俺が持っている最後の能力だ、苦しめ」
───ビフロンスは、そう言うとニヤリと下劣な笑みを浮かべた。




