第27話 ショウジ一家
「「えぇぇぇぇぇ?」」
「ショウジさんって結婚してたの?」
俺たち3人は驚いたような声を出す。
「え?お前ら失礼じゃない?失礼だよね?ねぇ?」
「だって...可愛い子がいたら家の空気が美味しくなるとか言ってたじゃないですか...」
「結婚してるから!冗談に決まってるだろ?」
「あら、あなた?そんなこと言ってたのかしら?」
フスミはショウジの方を見て笑っている。だが、目は笑っていなかった。目は怒っていた。
「ちっ...ちっ...違うんだ!誤解だ!誤解なんだ!別にそんな意味じゃなくて!冗談で...」
「言い訳は後で聞くから...待っててね?」
「ひぃ!」
ショウジは変な悲鳴をあげる。なんか悪いことをしたな。
俺たちは一つの部屋に案内される。家の外装は和風だったが、内装もやっぱり和風だ。俺たちが案内された部屋には畳が敷いてある。
「この床はなんだ?草か?」
ショウガとリカは畳を知らなかった。
「これは畳だ!イ草から作られている!だから...草も間違ってないかも?」
「へぇ...初めて見ました...」
「この押入れの中に布団が入ってるから!あ、リューガは後で鳥小屋を持ってくる!」
「え、あ、はい...」
俺は布団じゃないらしい。俺たちは部屋に荷物を置いたあとにリビングに案内された。
「ママァ?この女の人たち、だーれ?」
リビングには子供がいた。小学生くらいの大きさの男の子だ。フスミの着るエプロンの端を引っ張っている。
「お父さんのお弟子さんたちよ!これから、家に泊まるの!挨拶してらっしゃい!」
「わかった!」
男の子はこちらにやってくる。
「こんばんは!ガジーです!9歳です!」
「こんにちは!我はショウガだ!年齢は...14歳だ!」
「あれ?ショウガってろくじゅうr...」
「14歳だ!」
ショウガは肉体の年齢を答えていた。52年間の豚の時代は数えないらしい。まぁ、見た目も若いのでバレないだろう。胸は14歳には見えないほどデカいけど!
「リカです。16歳です!よろしくお願いします!」
「えぇっと...リューガです!20歳だ!よろしく!」
「ひよこが喋ったぁ!」
ガジーはリカの手から俺を奪い取る。その手はショウジの手と同じように柔らかかった。
「ひよこさん!喋れるの?」
「あぁ!喋れるぞ?」
「喋れるひよこさんは始めて見た!この子も飼うの?」
「飼うって...」
「おいおい!そのひよこさんはお父さんの大事な患者さんだぞ!」
「え、患者さんなの?うわぁ!」
俺はガジーによって上に投げられる。そして、ガジーはフスミの方へ戻っていってしまった。
「うわぁぁ!落ちるぅぅ!」
俺をキャッチできるのはリカとショウガだけだ。リカは驚いて動けていない。
「リューガ!大丈夫か!」
俺は柔らかい物の上に乗る。それは、ショウガの手だった。柔らかい。異常に柔らかかった。
「ふぅ...助かった...」
「ヒヤヒヤした...」
「駄目だろ!ガジー!ひよこさんを投げちゃ!」
「でも、患者さんはバイ菌さん持ってるんでしょ?」
「このひよこさんはバイ菌の病院じゃない!体が痛くてお父さんのところに来てるんだ!」
「そうなの?バイ菌さんじゃないの?」
「あぁ!怪我してるんだから投げちゃ駄目だ!」
ガジーはこちらに近づいてくる。
「ごめんなさい...ひよこさん...」
ガジーは俺の頭を撫でた。小さな手は柔らかかった。
「まぁ、俺も助かったし大丈夫だ!」
「すみませんね...リューガさん...」
「こちらも、泊まらせてもらってるし...文句は言えませんよ...」
「そうだな...家のバカがすまない...」
「家のバカはどっちかしら?私がいるのに若いお姉さんたちにセクハラしてるバカは?」
フスミが晩ごはんを俺たちのところへ持ってくる。4人分だ。
「ひよこさんは...何を食べるの?」
「人間と同じ物を食べますよ?」
「あぁ!そうなの?ごめんなさいね!人間の物を食べるなんて知らなくて!今日は主菜はもう残ってないんです!」
「あ、じゃあ...残っている物でいいですよ!居候させてもらってるので...」
「ごめんなさいね!本当に!」
フスミは俺の分も持ってきてくれる。
「それじゃ...いただきます!」
「「「いただきます!」」」
俺たちは食事を始める。フスミの手料理は美味しかった。ご飯が食べ終わった俺らは部屋に戻る。
「いやぁ...美味かったな!」
「あぁ!そうだな!」
「布団でも引きますか?」
「あぁ!そうするか!」
ショウガとリカは布団を取り出す。その時、ショウジがやってくる。
「おーい!リューガ!薬の時間だぞぉー!」
「あ、はーい!」
俺は薬を何個か飲む。注射は打たなかった。
「これで、よしっと!」
「ありがとうございます!」
「おうよ!」
「すみませんね...何から何まで...」
「いいんだ!いいんだ!家族が増えたみたいでこっちも楽しいしよ!ガジーの遊び相手にもなってくれるだろうし!」
「そうですね!」
「お前らは、第2の世界から来たんだろ?」
「そうですね!第1の世界から...ここまで...あ!ここの世界の名前ってなんですか?」
「ここか?ここは第3の世界 マエストロ だ!」
第3の世界 マエストロ
マエストロはイタリア語で「巨匠」




