第19話 病院
「すげぇな...」
「たくさんお店がありますね!」
俺たちは少し小高い丘のようなところに出る。丘の下にはたくさんの店があった。中華街と言えばそのような感じもあるが、何かが違う。剣道する人が来てそうな上半身が白い袴で、下半身が黒い袴のようなものを着ている集団が多数いるのだ。まぁ、中華街と呼ぶことにしよう。中華街と言っても中華のお店がたくさん並んでいるわけではない。そこは勘違いしないで欲しい。
「イッチ!ニ!サン!イッチ!ニ!サン!」
その先程言った服を着た人間の集団がこちらに向かって大量に走ってくる。
「なっ...なんだ?この集団は...」
「とりあえず、下に行ってみないか?」
「あぁ!そうだな!」
俺たちは階段を降りる。リカが俺を持っているので、ショウガには少し多く荷物を持ってもらっているのだが、大変そうだ。
「まずは、どこに行きます?」
「まずは宿探しだろ?それに、リューガを病院に連れてかなきゃ行けないよな?」
「あぁ...すまない...頼む!」
「最重要課題はその2つですね!」
「あぁ!その2つが終わったら、アイキーを探して、出来ればリューガの能力を鑑定する!かな?」
「あぁ!そうだな!」
「じゃあ、病院を探しますか?」
「あぁ!そうするか!こんだけ人がいればすぐに進むだろ?」
俺たちは中華街を進む。適当なところで角を曲がってみた。
「大丈夫ですか?一つズレるだけですごい暗いんですけど...」
「大丈夫だろ!なんとかなる!なんとかなる!」
角を曲がると、リカと一人の人間にぶつかった。その人間先程紹介した服を着ていた。これが流行なのだろうか。それにしても多すぎる。
「おい?何ぶつかってんだよ?」
「す、すいません!」
「金出せよ?金!慰謝料払えるの?」
「す...すいません!」
「俺は能力持ちだぞ?謝るだけでいいと思ってるのかよ?金出せ!金!」
相手はどう見ても人間だ。人間は能力を持てないんじゃないのか。
「あぁ?お前どっからどう見ても人間だろ?能力持ちってどういうことだよ?」
「この道着も知らないのかよ?てより、金出せよ?あぁ?」
ヤンキーのお兄ちゃんは右拳を握る。すると、右拳は一気に硬くなった。
「生物変化!」
俺は急いでヤンキーのお兄ちゃんをたんぽぽに変える。
「おい!動けないぞ?どういうことだよ!」
「お前は今、”たんぽぽ”になっている!」
「な...何を言ってるんだよ?人間がたんぽぽになるわけ...」
「能力持ちだぞ?本当のな!解除!」
ヤンキーのお兄ちゃんを人間に戻すと、すぐにどこかに逃げていった。
「なんも聞き込みできなかったぞ?」
「あぁ...そうだな...」
俺たちは中華街に戻る。そして、一つの看板が目につく。
能力道場
看板にはそう書かれてあった。
「なんだ?能力道場って...」
「なんかさっきの兄ちゃんと関係ありそうだな!入ってみるか!」
俺たちはその看板が出ている道場に入っていく。
「入門の方ですか?」
受付で俺らは質問される。
「すまない!俺らは2の世界からやって来たんだが...」
受付はこちらを鼻で笑ったような表情で見る。
「何を仰るんですか?」
「まぁ、いい!病院はどこにあるか、わかるか?」
「病院ですと...ここを出たすぐ隣ですよ」
「ありがとうございます!」
「あと、能力道場ってなんですか?」
「簡単に言えば、人間が簡単な能力を手に入れられるようなところです!外で道着を来た人たちがいたでしょう?それは私達の柔道の生徒なんです!」
「そうなんですか!ありがとうございます!では、とりあえず病院に行ってきます!」
「あ、はい!是非入門してくださいね!」
俺たちは道場を出る。
「とりあえず...病院だな?」
俺らは案内された病院に入る。中には道着を来た人が数人いる。
「今日はどういう?」
「あの...ひよこなんですけど、大丈夫ですか?」
「すいません。この病院はひよこは見てないですね...動物病院にでも行かれてはどうです?」
「あの、元人間だったのですけど?」
「そうなんですか...それでも無理ですね...すいません...」
「そうですか!ありがとうございます!」
俺たちは病院を出る。
「駄目だったね...」
「あぁ...そうだな!動物病院でも探すか?」
「あぁ...そうだな...すまない...」
「おい!」
サングラスをかけた髪の毛がパーマのおじさんに話しかけられる。右手には煙草を持っていた。
「ど、どうかしましたか?」
「そのひよこ、元は人間だったのか?」
「あ、はい...そうですけど...」
「どんな症状が出てる?俺は医者だ!見てやる!」
「あ、ありがとうございます!症状は...全身筋肉痛なんです!」
「そうか...なら、対処法は簡単だな!俺の診療所に来い!」
俺たちはおじさんに着いていく。数分ほど走ると診療所に着いた。
「それじゃ、見せてみな!」
おじさんは煙草を灰皿に置く。俺はおじさんの手に移動する。おじさんは俺のことをプニプニ触る。
「なっ...本当にこれ診療ですか?」
「うるせぇ...静かにしてろ...」
声が低くなった。俺は何個か薬を飲み、一本の注射を打つ。
「これでどうだ?」
俺は試しに動いてみる。だが、痛みはこない。先程まであった激痛から解放されたのだ。
「ありがとうございます!えっと...」
「俺の名前か?ショウジだ!」




