第187話 現王族騎士団副団長
今話で、Dead or chickenが200部分になりました!
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一方、主人公のリューガは寝たまま。
ショウガ・シンドーク・ブルムンド・リンザルの4人は春都の10層にまであがる。そこには───
「やぁやぁ、皆さんこんにちは。俺の名はフェニー、名前を聞かせてくれ」
「───ッ!フェニーッ!」
ブルムンドが名前を聞いた瞬間声を上げる。赤いジャケットを着た少年と面識があるのだろうか。
「いやはや、そっちの老木はブルムンド君じゃーないですかぁ?」
フェニーが少しニタニタした表情になる。
「ブルムンドさん、面識があるのかい?」
リンザルは、問う。
「あぁ...当たり前だ...フェニーは王族騎士団副団長だったのだから!」
「ノンノン!ブルムンド君?あなたとは違うの。俺は、今も王族騎士団副団長なの!わかる?」
「やはり...その能力のおかげか?」
「御名答。俺の能力は強いからね!」
「おい、老害!あのゲスチンポの能力はなんだ?」
シンドークは、フェニーのことをゲスチンポと呼んでいる。まぁ、そこは無視しよう。
「フェニーの能力は、簡単に言えば不老不死だ」
不死・・・死ぬことが不可能。老いることも不可能。
「不老不死?そんなん勝てないじゃないか!」
「もちろん...再生能力もあるよ?」
フェニーはそんなことをいいながら、その場にいた胡座をかく。
「不老不死か...どうやって倒せばいいのかな?」
「方法というか噂なんだが...」
ブルムンドが再度口を開く。
「フェニーの胸にある赤い球を破壊すれば不老不死じゃないと巷で話題になっている」
「赤い球?そんなのがあるのか?」
ショウガはフェニーの方を注視する。すると、フェニーはジャケットを開き、胸を見せる。そこには、朱色に光った球がたしかに確認できた。その赤い球には太い血管のようなものが繋がっており、見るからに急所のようだ。
「よし、あそこを狙おう!」
「あぁ!そうだな!このシンドークが不死身野郎に勝てることを証明してみせようぞ!」
「そんな強気でいいのかな?本当に、君たちはこの俺に勝てるのかな?」
「あぁ...勝ってみせるぜ!」
「その粋だよ、ショウガ!ここを出たら結婚するんだから!」
「へぇー!君たち2人結婚するの?おめでたじゃん!でも、結婚とか苦手なんだよねぇ!だって、愛する人だけが老いて、死んで、一人ぼっちにされちゃうんだよ?それなら、ワンナイトだけでいいと思うんだよねぇ」
フェニーは一人、語る。そんな言葉を無視して、シンドークが斬りにかかる。
「うおっ!って...君...お坊ちゃんじゃん?」
「このシンドークは女だ!」
「え?」
どこかデジャブのような会話をしている。
「あぁ!そうかそうか!すまないすまない!いやぁー、すまない!勘違いをしていたよ!」
「このシンドークが女らしくないとでも言いたいのか?」
「あぁ、そうさ。シンドーク、君は男だ」
「何を言っている!虚言癖が!このシンドークにお前のように腐ったブツは付いていない!」
「おぉ、そうかそうか。それは、すまなかった。謝罪するよ」
フェニーはヘラヘラしながら、シンドークに謝罪する。シンドークは怒り、フェニーの首を斬った。
「あぁ...酷いなぁ...謝ったじゃんかぁ?」
「鬱陶しいんだ!少し黙っててくれないか?」
「え、黙らせちゃっていいの?俺、結構口軽いから重要な情報を話しちゃうかもよ?」
「例えば...どんなだ?」
「例えば王都には三銃士がいたりだとか?ピーゼンデル14世はまだ6歳の子供だったりだとか?」
「「「なぁ!」」」
フェニーの言葉で、ブルムンド以外の全員が驚く。
「6歳の子供?どういうことだよ!」
「そのまんまさ。ピーゼンデル14世はまだ6歳。生まれて6年しか経ってないのさ。面白いだろう?」
「6歳の子供が、ここまで創れるとは思えないぞ?」
「だから、強制的に創らせたんだよ。ピーゼンデル14世は、フィオーレ宰相という男に操られているのさ。ピーゼンデル14世の『創意』をフィオーレ宰相は利用している。面白い話だろう?」
「ピーゼンデル14世の親は何してるんだよ!」
「ピーゼンデル14世の母親は、出産直後に殺されたさ。事故という風にね。そして、ピーゼンデル14世の父親───ピーゼンデル13世は、フィオーレ宰相が毒薬を飲ませていて病気で寝込んでいる」
「そこまで知っていて...何故、助けない?」
「見ていて面白いからさ」
「...は?」
「滑稽だとは思わないかい?生物なんていつかは死んでしまうんだ。あ、俺は例外だよ?死んでしまうというのに、権力を手に入れて、金を手に入れて、理性と共に行動して。時間は有限なのに、それ以上のことを考えている。面白いだろう?」
「それが、当たり前だ」
「死んでしまえば、全て無駄なのさ。死は逃げる手段じゃない。全てを投げ捨てる手段だ。万札をドブに捨てるようなもん。なんて愚かな行為なのかな」
「それは...死に対する冒涜か?」
「ははっ!まさかぁ?俺は死なんて体験したことがないから羨ましいんだよ。ま、無限の命も無限の命で楽しいんだけどね?愚かな人間共の動きが見回せる。まるで、神になった気分だよ。だから、俺は権力はあまり求めないし、金だってあんまり必要だとは思ってないよ。どうせ、どこかで手に入るだろうしね?」
フェニーは嗤う。ショウガ達は再度、剣を構えた。




