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第161話 三毛猫

本日2話目。

創作意欲がムンムン湧いてくるじゃあねーかッ!おいッ!

 

 トモキ・マユミ・ノノーム・モルドフの4人は冬都の4層へとあがる。


「ミャーオ」

「また、猫?」

 マユミはそんなことを呟く。4層にいたのは、三毛猫だった。


「猫...だな...」

「変化したって訳でも...なさそう?」

「そうね。ただの猫」

 その猫は、こちらを黄色い目で見つつ、毛づくろいをしている。


 ”チリンチリン”


 自分の顔を洗うと、首輪についている鈴がキレイな音を出す。

「こいつが、4層の守人なのか?」

「そうだな。そうだな。そうだな。そうだな。そうだな。そういうことになるだろうな。なるだろうな。なるだろうな。なるだろうな。なるだろうな」


「ミャーオ」

 猫は、こちらを威嚇することもなく毛づくろいを続けている。

「一応、守人なら気をつける必要はある。ゆっくりと、5層に向かうぞ」

「そんなこと、わかってるわよ」

 トモキ達4人は、その三毛猫を通り過ぎる。猫は、日向ぼっこしていた。


「なんか...気が抜けたな...」

「えぇ、そうね...」

「5層は気を引き締めて行くぞ!行くぞ!行くぞ!行くぞ!行くぞ!行くぞ!」

「あぁ、そうだな」

「俺もそう思う...」

「「「───ッ!」」」

「なんでここに、カゲユキがいるんだよ!」


「あぁ...リューガに冬都の助太刀に行ってこいと頼まれてな...」

「本当か?俺は疑ってるぞ?」

 モルドフは疑念の目を向ける。

「それもしょうがないな...疑われてもしょうがない...でも、幼馴染の2人ならわかってくれるよな?」


「あぁ、次の問題に答えられたら信じてやるよ!じゃあ、問題だ!ギャンブルは?」


 トモキは合言葉のような問題を出した。


『ギャンブルは───』

 何が入るのか。



「ギャンブルは、ほどほどに...だろ?」

 カゲユキは冷静にそう答える。

「いやぁ...正解だぜ、カゲユキさんよ!」

 そう言うと、トモキはカゲユキの顎をアッパーする。


「───ッ!」

 カゲユキは、先程の三毛猫に戻る。

「不正解...だったな、仔猫ちゃん。半分正解で、半分不正解さ」


 トモキが求めていた答え。それは、

 {ギャンブルはあまり賭けすぎないようにしろよ?}

 だ。5の世界で、ギャンブルを行う時に、カゲユキが発した台詞。そして、トモキが珍しくツッコミを入れた言葉だ。


「カゲユキはよぉ...俺らのことを大切に思ってくれてるんだよ...何せ、俺やマユミ・ユウヤは全員、家族に何らかの問題を抱えていたから頼れるのは幼馴染の俺らしかいなかったんだよ!」

 トモキは三毛猫の首根っこを掴む。猫は逃げる動作もせず、大人しくなった。

「だから、カゲユキはなぁ...俺らとしたことは、会話は一言一句覚えている!気持ち悪いだろ?俺の親友は。でも、その気持ち悪さを形容するとするのなら、{友情}という2文字しか思いつかねぇ!」

 トモキは猫の目の前で叫ぶ。猫は驚き、目を細めた。


「これ、猫を殺したら猫好きの奴らから怒られちまうんだよ...だから、蚊にでも変わってくれないか?動物愛護団体は怖いんだ...虐待だって、すぐ怒る。人間の虐待は無視するっていうのによぉ!」

 トモキは、三毛猫の喉に綺麗に蹴りを入れる。猫の喉は潰れ、小さな口から血が溢れる。


「ごめんな...猫又さんよぉ...俺だって、殺したくはなかったんだ...」

 4層の猫又をらくらく倒し、4人は5層へと向かう。


 ***


 ユウヤ───俺は、両親に捨てられハラさんに拾われた。

 これは、俺が8歳の頃の話だ。


「なぁ、ユウヤ。お前にも友達が欲しいだろ?」

「いえ、ハラさんがいれば俺はそれで充分です」

「ははは。そう言わずに、友達を作ったらどうだ?ユウヤだって、ずっと家の中で絵を描いたり剣を振るったりするのも飽きてくるだろう。少し、公園にでも行かないか?」

「そうですね。じゃあ、公園に行きましょう」

 ユウヤとハラさんは公園に行く。


「おい、チビ共!金、出せよ!金!」

 公園に行くと、ユウヤと同い年くらいの少年少女2人が、筋肉ムキムキの男達3人に虐められていた。

「君たち、幼き者を虐めるのはやめていただきたい」

 ハラは、その筋骨隆々とした男達に声をかけた。

「あ?何だお前は?」

「この俺らのことは知らない老害とちゃうか?」

「俺ら{筋肉は全てを解決する}は強いんだぜ?お前なんか一捻りだ!」

「そうか...猛者は自分で強いことを自慢しない。故に、貴様らは弱い」

「あ?やるのか?」

「お兄さん、喧嘩売っちゃいけない人に売っちゃったみたいだな?」

「ユウヤ、少し太い枝を」

「あ、はい」

 ユウヤは、公園に落ちていた太い枝を拾う。


「お兄さん、そんな枝で勝てると思っているのか?あ?」

 3人は、ハラにへと集る。

「下がっておきなさい。ユウヤ」

「あ、はい」


『原流1本刀其の三』


 ハラはジャンプをして、3人の頭に太い枝を横一文字にぶつける。

「うぐっ!」

「ぐへっ!」

「ほぎゃ!」


「な...なんだ、こいつ!覚えてとけよ!」

「そうだそうだ!ガキの前だからいい気にさせてやるよ!」

 そう言いながら、「筋肉は全てを解決する」の3人は逃げていった。


「大丈夫だったかい?君たち」

「あ、はい!ありがとうございます!」

「あの...助かりました」


「そうか、無事ならよかったよ」

 これが、ユウヤがトモキ・マユミと出会った最初の話だ。


 カゲユキが仲間に加わったのも、ユウヤとトモキ・マユミが仲良くなってすぐの出来事である。


 ***

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