第141話 ふんどしの中
連載再開です。
修理から帰ってきました。バンザイ。
「ショウガさん!後はあなただけでごわす!」
縄はショウガを襲う。右から左。上から下へと縄は絶えず動く。
「うおっ!危ない!」
「クソッ!柔らかい体でごわすね!避けられると狙いにくいでごわす!」
縄が、ショウガの体に通る。
「まずい!」
ショウガの体は、縄の切れ端によって固定される。
「クソッ!我も!」
「やっと全員捕まえたでごわす...それじゃ、殺していくでごわす!」
「うわぁ!助けてくれぇ!誰かぁ!誰かぁ!」
シンドークが急に叫びだす。
「うるさいでごわす!お前から殺すでごわすよ!」
オーエスはシンドークの方に向く。すると───
『飛閃軟突流 背反〜対〜』
”ザッ”
『飛閃軟突流 背反』
”ザッ”
”ジョキッ”
「はぁ...ありがとな!シンドーク!」
「大儀であった!ショウガ!しっかりこのシンドークの意思を汲み取ってくれたな!」
「なっ...なんで、抜け出せない固定から抜け出したんでごわすか?」
「残念だなぁ...我は刀を持ってるんだ!」
『背反』は、体の前方に刀を持ってきて、超スピードで胴を『柔軟』を使って移動して、背中にあるものを斬る技だ。『背反〜対〜』はその逆だ。
「我に斬られるがいい!」
ショウガは走り回りながら、刀を振り回す。
「縄を斬るなでごわす!」
「嫌だね!わざわざ負ける必要なんてないんだからよ!」
ショウガはブルムンドを解放する。
「ありがとうございます。ショウガさん。私も助太刀しましょう」
”キィィン”
リンザルも解放される。
「最初からやり直しになってしまうでごわす!最終奥義でごわす!」
砦の壁・床・天井から縄が出てくる。
「まずい!捕まってしまう!」
「ショーちゃん、大丈夫かい?」
「ショッ、ショーちゃん?」
「あぁ、夫婦になるんだからあだ名で呼び合ってもいいと思わないかい?」
「やめろ!我にはショウガという名前があるんだ!」
「そうか...なら、ショウガと呼ぼう。ショウガがショウガと呼ばれることを望むなら」
「あぁ、ありがとうな」
「そんな惚気話をしてる暇はありませんよ」
「あぁ!すまない!ブルムンドさん!」
シンドークを除く、ショウガ達3人は、縄に囚われ、天井に吊るされていた。オーエスは3人に能力を使うのをやめたのだ。シンドークは、まだ縄の切れ端に挟まれて動けない。
「縄、斬ったらやばそうか?」
「えぇ、斬ったら落下するのは確実ですね。そうしたら着地地点を狙って殺しに来るでしょう...」
「そうでごわす!殺してやるでごわす!」
「でも、こちらを警戒していないとお嬢様のことは殺せない故、オーエスも何もできない状況ですね」
「そうか...シンドーク!すまない!もう少し待ってくれ!」
「このシンドークに命令するな!頭が高いぞ!」
「さて、僕もそろそろ活躍しようかな?」
「リンザル?」
リンザルはつばを吐く。すると、その唾が虫に変わった。
「こいつで気を紛らわせて、その間に逃げようか」
「残念でごわす!能力はいつでも使えるんでごわすよ!」
「───ッ!」
3人は縄を貫通して、落下する。オーエスが『綱引』を使ったのだ。
「オーエスを狙え!」
「───!刀が!」
「刀は取り上げたでごわす!」
3人の刀は吊るされた縄の中に残っていた。
「能力で選別も行えるんだ!」
3人は地面に着地する。3人は別々の方向に逃げた。
「まずはショウガさんを狙うでごわす!」
「───ッ!」
オーエスはショウガに迫る。すると───
”スーーーッ”
”ハーーーッ”
「────ッ!」
オーエスの動きが止まる。
「なっ...何が起こったでござ───」
また、オーエスの動きが止まる。
「このシンドークを忘れているのか?このシンドークは『呼吸』だ!貴様に電気を流している!」
縄を伝って、オーエスに電気が流れているのだ。
「───ッ!」
「どうだ?このシンドークを縄から外せ!そうしないと、貴様の体には多量の電気が流れるぞ!」
「離さないで...ごわす!絶対に...離さないで───ッ!」
オーエスの体から煙があがる。オーエスは一歩ずつシンドークに近づいていく。
「これで...終わりでごわ───ッ!」
”ジョギィィン”
オーエスの首は斬られる。ブルムンドが吊られた縄から刀を取り出したのだ。
「首が...斬られたでごわす...」
「やはり、創者ですか...と、すると急所を探すしか無いですね...」
「───ッ!」
ブルムンドは、オーエスの体を切り刻む。
「───ッ!」
「なっ!老害!このシンドークになんて汚いものを見せてくれるのだ!」
オーエスの履いていたふんどしは斬られ、地面に落ちた。すると、陰茎が顕になる。そこも、ブルムンドに斬られた。
「ここが...急所でしたか」
オーエスの急所はふんどしの中にあった。オーエスはそのまま塵になって消えていく。
「このシンドークに汚いものを見せた罰だ!死に腐ればいい!」
「お嬢様、もう少し丁寧なお言葉を...」
「うるさい!この老害が!このシンドークがあいつの汚いものを見なければならなくなったのは間接的にはお前の責任だ!謝れ!」
「すいません...お嬢様...」
「今回は撃破したから許してやろう!だが、次はないぞ!いいな?」
シンドークは頬を赤らめながら怒っている。
「初めてだったんだろうな。見るの」
リンザルは微笑していた。




