第137話 たくましい筋肉を持ったお兄さん
無差別に飛んでくる無数の火の針。これを全て避けるにはどうしたらいいだろうか。
「マユミ、風の魔法を!」
「ウィンド!」
火の針は風で止ま───
らない。火は消えるけれども針は消えない。
「なっ!どうすれば!」
マユミは思わず目を瞑る。マユミ達に針は刺さ───
らなかった。
「なん...で...」
マユミ達4人の目の前にあったのは、水の壁だ。その壁の中に、針は浮いていた。
「なっ...何が起こったんですかぁ?」
ヨナも何が起こったのか理解していないようだ。
「ノノーム!今がチャンスだ!」
「あぁ、わかってる!わかってる!わかってる!わかってる!わかってる!わかってる!」
ノノームとトモキはハリネズミと化したヨナに近づく。そして───
「『振動』!『振動』!『振動』!『振動』!『振動』!」
ヨナの体が激しく振動する。
「なっっっっ....なんれすか!これ!」
その直後、ヨナの口から大量の血が吐き出される。
「───ッ!」
「ヨナ君のヨナ君のヨナ君のヨナ君のヨナ君のヨナ君の体の中を揺らして、血の巡り方を変えた!変えた!変えた!変えた!変えた!変えた!」
ヨナの口からクリムゾンの色をした液体からゴールデンイエローの色をした液体に変わる。胃液が逆流したのだ。
「ぼええええ...いおいれす!」
ヨナは人間の姿に戻る。立ち上がろうとするも、上手く立ち上がれていない。
「ヨナちゃん...すまない...」
トモキはヨナの頭を蹴り上げる。
「ひぇあ!」
「一発食らわせるぞ!おらよ!」
トモキはヨナの腹を殴る。そして、蹴りを食らわした。
「───ッ!」
そして、最後に大きく振り上げてアッパーを食らわせた。
「ごぶっ」
”メキメキッ”
ヨナの頭が天井にめり込んだ。
「うへぇ...めり込んだ...すげぇ...」
モルドフが少し驚いている。
「マミってる...」
「ごめんな...ヨナちゃん。俺もこんなことはしたくなかったんだ...」
トモキはヨナの下で手を合わせる。そして、上を向く。
「あ、パンツピンク色だ」
「ちょ!何覗いてるのよ!バカ!」
ヨナは、淡く儚い恋心のように塵となって飛んでいった。
「それじゃ、2層に上がろうぜ」
「あぁ!そうだな!」
トモキ達4人は2層に上がる。
「また...女か...」
「なんだい。なんだい。女で悪かったね」
そこにいたのは、顔形はヨナと瓜二つの少女だ。顔はヨナと一致しているが、着物の色と髪の色・目の色は違う。着物と髪は黄色をしていて、目はマリーゴールド色だ。髪は肩甲骨辺りまで伸びていて、ここから見ても胸は大きく見える。
「別に...悪いわけじゃない。でも、俺は女を殴りたくないんだ」
「あらあら、たくましい筋肉を持ったお兄さん。僕の鼻をナメないでほしいね。お兄さんからは僕の妹のヨナの血の匂いがする。先程の音といい、君たちが僕の妹のヨナを殺したんでしょ」
「そうだ...でも、殺したかった訳じゃない!この砦の上にあるレバーをONにしたくてここに来ているんだ!」
「だから、それは僕達を凄惨に虐殺する理由と同義じゃないか。レバーをONにしたいってことは、ここ冬都にいる11人を殺すのと同じなのさ。最も、僕達は人間じゃなく{創者}だから有から無に戻るだけなんだけどね」
黄色髪のその女は自分の黄色髪を指でいじくりながらそんなことを言った。その目はこちらを見ていない。
「僕達はここで戦う運命なんだ。ここから徹底したとしても僕は許さない。きっと、僕の姉のマオも許さないだろうね。おっと、名乗ってなかった。僕の名前はヤエさ。ヨナの姉だ。ヨナよりかは強い自信があるよ。と、言ってもお姉ちゃんだから見栄を張りたいというところが本音かもしれないけどね。うぅん、君たちは何ていうの?」
「俺はトモキだ!」
「マユミよ」
「ノノームだ!ノノームだ!ノノームだ!ノノームだ!ノノームだ!ノノームだ!」
「モルドフです」
「へぇ、個性豊かな名前ね。名前だから個性豊かなのか、個性を表すのが名前なのかは、知らないけど。うぅん、名前忘れちゃった。たくましい筋肉を持ったお兄さんと、魔法使いのお姉さんと、龍種のお兄さんと、弱そうなお兄さん───で、いいかしら?」
「弱そうって、俺のこと?」
モルドフはキョトンとした顔で自分を指差す。
「えぇ、そうよ。あなたのこと。名前は、覚えてないわ。モル・・・モルモットかしら?」
「俺はそんなにビビりじゃねぇよ!」
「ふふふ。あら、そう。弱そうなお兄さん、ツッコミは出来るのね。ツッコミの弱いお兄さんって呼んであげるわ」
「あぁ、もう!好きな風に呼べ!あんまし長いと作者が困るからな!」
「あら、メタ発言もするのね。メタ発言をするツッコミの弱いお兄さんでいいかしら?」
「あぁ!どんどん長くなる!」
「大丈夫よ、心配ご無用だと思うわ。きっと、コピペしてるんだし。そうでしょう?今必死こいてキーボードで文字を打ってるお兄さん」
「そろそろ2000文字行くから、とっとと勝負始めんぞ!ヤエ!」
「あら、名前覚えてくれたのね。嬉しいわ。たくましい筋肉を持ったお兄さん」
そう言うと、ヤエは立ち上がった。
「なっ...」
目の前には巨大な犬がいた。ヤエが変化したのであった。
狼犬・・・犬に変化することが可能。
メタ発言を一度すると、一気にそっちに走ってしまう。
減らそう。
あ、今日のキャラステータスはナシです。今から2個作ってきます。




