表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/1070

第132話 獣人

10000PV感謝!!!


春都 ショウガ・シンドーク・ブルムンド・リンザル

夏都 リューガ・カゲユキ・ホリーネス・クレハ

秋都 リカ・ユウヤ・カミール・タンドン

冬都 トモキ・マユミ・ノノーム・モルドフ


 

 ***


{それじゃ、これから俺たち16人は、各々の目標の季都に侵攻し、王を殺す。勝つぞぉぉぉぉ!}


「じゃあ、3人共!行こう!」

「「あぁ!」」

「はい!」

 リカとユウヤ・カミール・タンドンは秋都に入っていく。


「よぉ、兄ちゃんたち...随分と外でどんちゃん騒ぎしてたじゃねぇか?」

 オレンジ色の毛並をした獣が、2本足で立っていた。その獣の口からは大きな牙がはみ出ていた。


「な...獣人?」

「え、獣人って伝説上の生き物じゃないんですか?」

「そうか!『創意』は何でも創れるから、伝説上の生物だって創れるんだ!」


「貴様ら、何しに来た?俺様が相手してやんよ!準備OK?」

 その獣人は、爪から斬撃を飛ばしてきた。


「うわぁ!危ない!」


 ***


 そもそも、獣人などという存在が生まれることは有り得ない。

 まず、獣人の定義から話そう。獣人というのは、「知識を持ちそれを利用し文化を形成する獣」のことだ。

 本来、知識を利用できるのは、猿から進化した人族・蜥蜴から進化した蜥蜴人間(リザードマン)や龍人・自然から愛されて生まれてきたエルフ族しかいない。吸血鬼や、淫夢魔(サキュバス)植人族(ハナ)は人族の派生に過ぎず、魔神は、無から生まれるのだ。無から生まれる2生物の内の1生物である。残りの1生物は「精霊」だ。魔神は魔人を連れている。


 話はそれてしまうが、魔神達の話もしよう。魔神や魔人は魔女と言われる魔法の象りを創った太古の人間を崇拝している。月光徒も、魔女を崇拝し、魔女復活に力を入れている。

 魔女復活には「蘇生魔法」というものが必要だ。だが、まだ「蘇生魔法」は完成されていない。

 魔女は邪の象徴などではなく、月光徒や魔神達にとっては、キリスト教でいう「イエス」や、イスラム教でいう「アッラー」のような存在だ。相違点としては、魔女は複数いるところだろうか。


 ***


 話は、秋都に戻る。


「ひぇ!あんなの、当たったら一溜まりもない!」

 獣人の爪から出た斬撃は、砦の壁に当たり、しっかりと爪痕を残していた。


「俺様が貴様らに負ける訳なんかない!何故ならば、俺様は強いから!」

 獣人はこちらに走ってくる。狙いは、秋都組の紅一点、リカのようだ。

「まずは、貴様の腕から貰うぜ!」

「『硬化』!」


 ”ガブッ”


「───ッッッ!!」

 その獣人は、『硬化』したリカの腕に齧り付いた。

「アァァァァ!痛い!痛い!痛い!」

 獣人はその場で転がり藻掻く。だが、その水色の瞳は確実に他の4人を捉えていた。


「みんな!こいつに、背中を見せずに距離を取ろう!」

 ユウヤが適切な指示を採る。

「リカ!大丈夫そうか?」

「はい!怪我は無いです!タンドンさん!心配ありがとうございます!」

「健気だなぁ...」

 カミールはそう呟いた。


「俺様の牙で傷一つつかねぇとはよぉ!貴様!名は何という?」

「お褒めありがとうございます!リカです!」

「あぁ?ビワっつぅのかぁ?」

()()です!」

「あぁ、そうかぁ!リカっつぅのかぁ!可愛い名前だなぁ!俺様の名前を聴け!俺様の名前は、ケンランだ!よーく覚えとけ!貴様らを肉片に変えてやるお方の名前だからなぁ!準備OK?」


「まただ!」

 ユウヤの方向に爪の斬撃が飛んでいく。ユウヤは横に飛んで避けた。

「残念!俺様は貴様の動きなんざ見切ってんだ!」

 ユウヤが飛んだ先に、別の斬撃があった。このままでは───


「空間削除!」


 ”ビュンッ”


 ユウヤが1mほど横に移動する。カミールが空間を削除したのだ。カミールの能力では、気体以外の物質は削除することが出来ない。気体以外に真空も削除することは可能だ。要するに、液体と固体がある場合のみ削除できないのだ。


「カミール!助かったよ!」

「あぁ!助け合いだ!」


 準備OK!・・・自分の爪から斬撃を出すことが可能。


「貴様ら!避けやがってぇ!準備OK!」


 カミールとリカの方向に斬撃が飛ぶ。2人は斬撃を避けた。

「斬撃が避けられるなら、齧り付くまでだ!」

 カミールの目の前にケンランは来ていた。カミールは剣を取り出す。


 ”ガブッ”


「こんな陳腐な剣、砕いてやる!」

 カミールは剣を、ケンランの口から引き抜く。


 ”ジョギッ”


「───!」

 ユウヤがケンランの横腹を斬った。ケンランが着ていたタンクトップは白から赤に変わっていく。

「貴様らぁぁぁ!俺が『創者』じゃ無けりゃ、死んじまうところだったぞぉ!」


 ケンランはゆっくり立ち上がる。横腹の傷は治っていた。

「「「!!!」」」

「みんな、急所を探そう!」

「あ、あぁ!そうだな!」


「準備OK!3連撃だぁ!」

 タンドンの目の前に3つの斬撃が飛んでくる。タンドンの正面と、それの左右だ。飛んで避けても、確実に当たってしまう。


「ダイラタンシー、発動!」


 斬撃はタンドンに当たらない。斬撃は、タンドンが作ったダイラタンシーの空気の壁で止められた。

「お前の斬撃なんか喰らわないよ!」


「お前らぁぁぁ!俺の斬撃を全て避けやがってぇ!」

 ケンランは地団駄を踏む。そして───


「準備OK!Final checkOK!」


 ケンランは自分の手を前方から後方にまで大きく円を書くように移動させる。


「お前らはこれを避けられねぇ!」


 ケンランを中心に、円の形をした斬撃が飛んでいく。後ろには壁だ。この斬撃を避けるにはジャンプで超えるしかない。


ケンランはアホです。


挿絵(By みてみん)


明日はクレハの誕生日!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ