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第104話 ピーテル

誘拐集団トルボットのメンバー

トルボット(カゲユキの格好)・ニコル(トモキの格好)・ガンバラ(マユミの格好)・ピーテル(ユウヤの格好)・フリカ(ショウガの格好)・ガリル・ガンドリム・フェルナンド・デルフィーノ・ボルトリ・ドルフ(剣士)

 

 ───仲間を助ける。


 と高々に宣言したことはよかったのだが、誘拐集団トルボットがどこにいるのかがわからない。

 街を闇雲に散策する。

「どこにいるんですかね?」

「さぁ?わからねぇ...それに、まだ捕まったことも確定じゃないからな...」

「えぇ...そうですね、可能性が高いってだけで...」

「あぁ...」

 俺たちは街を歩く。いや、俺はリカの手の上に乗っているので歩いているのはリカだけだ。

「いませんねぇ...」

 その時だった。俺の視界にユウヤが入り込む。

「おい、あれ!」

 俺ユウヤの方を指差す。ヒヨコの状態なので羽を突きだすが正しいだろうか。


「あ!ユウヤさん!それに...トモキさんもいます!」

「行こうぜ!」

「はい!」

 リカはユウヤとトモキの方へ走っていく。ユウヤとトモキは見たことのない女と歩いていた。

「おーい!ユウヤさん!トモキさん!」

「あ?リカ...なのか?」

「はい!リカです!」

 ユウヤ達は辺りを見回している。

「リカ!とりあえず、ここで立ち話するのも何だし、路地裏にでも行こうぜ!」

「はい!そうしましょう!」

 いやぁ、よかった。見つかって。俺たちは路地裏に向かう。

「そういえば、カゲユキさんとマユミさんは?」

「あぁ、あいつら?あいつらは...見失ってて...」

「あぁ!それで、この女の人と一緒に探してたんですね?」

「そうだ!な?ボルトリ?」

「あ、あぁ!そうだ!」

 俺たちは路地裏の中に入る。

「で、リューガはどこに?」

 トモキが意味不明なことを言い出す。

「は?俺ならここにいるだろ?」

「「「え?ヒヨコが喋ったぁぁぁ?」」」

 3人は驚く。ボルトリさんならともかく、ユウヤとトモキが驚くのはおかしい。


 もしかして、メモリーイートモスキートに俺の記憶を奪われたのか?

「え?俺のこと...覚えてないの?」

「あ?あぁ!覚えてる!覚えてる!今のはちょっと、ビックリしただけだ!」

「リカ...こいつら、偽物だ...」

「え?」

「リカ!こいつらから距離を取れ!」

「は、はい!わかりました!」

 リカは数歩、後ろに下がる。

「お、おい!偽物?何言ってるんだよ!俺たちは本物だよな?」

「あぁ!そうだよ!俺たちは本物だよ!」

「俺は騙されないぞ?だって、本物のユウヤから偽物に騙されるなって、連絡が来たんだからな!」

「なっ、あいつらどこで連絡を!」

「ちょっ、馬鹿!ピーテル!」

「お前ら、引っかかったな!」

「な、何?何の話?」

 ボルトリは一人何かわからないような顔をしている。

「ユウヤとトモキのフリをしやがって...俺は今、鎌をかけたんだ!偽物さん達よぉ!」

「クソッ!2人を捕まえるぞ!ピーテル!」

「あ、あぁ!」

「生物変化!」

 俺はピーテルと呼ばれたユウヤの格好をした人物とトモキの格好をした人物を植物に変える。2人はマリーゴールドになった。


「なっ...なんだこれは!」

「ひぃぃぃ!2人が花になったぁぁ!」

 ボルトリは走って逃げていく。

「あ、待て!」

 リカが追いかけようとするも、もうボルトリの姿は無かった。物凄い逃げ足だ。

「なぁ?2人共?名前を教えてもらおうか?」

「なっ...動けない?それに、視界が低くなった!何が起こって!」

「おい、ピーテル!お前、花になってるぞ!」

「は...花?って...ニコルお前も!」


「ほう、ニコルとピーテルと言うのか!2人は今、マリーゴールドになっている!」

「お前、元に戻せ!殺すぞ!」

「そんな事を言うと、リカが踏み潰しちゃうよ?試しに葉っぱの一枚でも取ってもらう?」

「ごめんなさい!」

 そう言うと、リカはピーテルと呼ばれた人の方の葉を一枚もぎ取る。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!痛い、痛いよぉぉ!」

 ピーテルは叫ぶ。

「この葉っぱは、体のどこだったんだろうね?」

 俺はもぎ取った箇所だけ生物変化を解除する。右腕だった。

「あぁぁぁ!俺の...俺の腕がァァァ!」

「大丈夫、血は出てないよ!」

「ひっ!助けて...助けてくれ!」

「じゃあ、質問だ...お前らは何者だ?」

「私達は誘拐集団トルボットだ!」

「そうか、そうか...さっき逃げた女も君たちの仲間かな?」

「あ、あぁ!そうさ!仲間だ!」

「じゃあ、私達の情報は...」

「向こうに伝わっているだろうな...尋問を続けるか...」

「副リーダー!そんなに喋っていいんですか?」

「どうせ、私達は金だけの関係だ!命のためならなんだって話す!」

「そうか...随分生に執着してるんだね...メンバーは全部で何人?」


「11人だ!11人!」

「そうか...残りは9人...そうだ!変装してたみたいだけど能力なの?」

「あぁ、能力さ!能力!『変身』って名前の能力だ!」


 変身・・・触れた相手に変身することが可能。一度解除するともう一度触れなければならない。服などは再現不可。


「最後の質問だ...これに答えれば命だけは助けてやろう...」

「なんでも聞いてくれ!なんでも話す!」

「アジトの場所は?君たちの仲間を惨殺する!」

「なっ...」

 2人は一瞬、黙り込んでしまう。

「『破壊』...」


 ”ブチュブチュ”


「うっぐえっ...」

 ピーテルだった花は破壊されて、跡形もなくなる。

「場所は?」

「私が案内する!だから、助けてくれ!」

「リカ...取り押さえる準備を!」

「はい、わかりました!」


 リカがバッグから縄を取り出す。俺は生物変化を解除すると、トモキの服を着た女性が現れた。

 リカは急いでその女を縛る。


「それじゃ、アジトに連れて行け!嘘ついたら...ね?」

104話終了時の状況


トルボット(カゲユキに変身)・フェルナンド・ショウガ→ポルニフ6世の所に移動中

リューガ・リカ・ニコル→路地裏の外に出てニコルの案内でアジトを目指す。

フリカ(ショウガに変身)・ガリル・ガンドリム・ドルフ(剣士)→リューガ・リカを探して街を散策中

ガンバラ→探訪者がやってくるところ(スポーン地点)の見張り

ユウヤ・トモキ・マユミ・カゲユキ→アジトにある檻の中で監禁中

デルフィーノ→ユウヤ達のいる檻の監視

ボルトリ→街を散策中のメンバーの元に逃げている途中


誘拐集団トルボットのメンバーは残り10名

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― 新着の感想 ―
[良い点] 成る程、こういう攻め方できたか。 リューガ、流石は主人公。 さてここから仲間を救えるか!!
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