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第1000話 ㄜ Ɩ ı ₹ ꒭ ੭ੇ

1000話突破です。

3年ちょっとでここまで来れたのは嬉しいです。

ありがとうございます!!

 

 地下1層にいた『付加価値(アディショナルメンツ)』の『肆』であるアインの相手をイブとステラ・リミアの3人に任せて、地下2層にいた芸術家気取りのオリリスの相手を政治に任せた俺達は、地下3層へと順調に進んできていた。


 そこで、俺達が邂逅したのは───


「πヒー@」

 そこにいたのは、人ならざる言葉を甲高い声で口にして、首を直角に曲げながら俺達の方を見ているボクサーのような格好をした人物であった。


「「ヴァレンティノか...」」

 俺とカゲユキの言葉が被り、お互いに顔を見合わせる。


 俺の目の前にいる変人は、『付加価値(アディショナルメンツ)』の『壱』であり『自意識無情』の弐つ名を持つヴァレンティノであることを、月光徒のリューガに22の世界で『憑依』した時に知っていたのだが、どうしてカゲユキが知っているのだろうか。


「カゲユキ、知ってるのか?」

「あぁ、俺が月光徒に潜入してる時に月光徒にいるヤバい奴ってことで何度か名前を聴いた、会うのは初めてだが、一目見ればヴァレンティノはヴァレンティノってわかる──と説明を受けていたからな」

 カゲユキも、ヴァレンティノの存在は知っていたらしい。


「多協クZ〇9⃣」

 ヴァレンティノが奇声をあげながらボクシンググローブを振るい、戦う準備が万端であることを示している。だがまぁ、いつ俺達が攻めに来るかわからない状況で待っていたのだから、戦うのはいつだって可能なのだろう。


「誰が行く?ヴァレンティノとは戦ったことがないから戦闘スタイルは一切わからないんだが...」

 だが、その見た目から考えるにヴァレンティノは近距離攻撃タイプだろう。そうなると───


「───オルバとアイラ、行けるか?」

「俺達!?」

「相手は近距離攻撃してきそうだから遠距離攻撃ができるオルバはわかるけど、どうして私が?」


 アイラは、不服そうに俺のことを目を細めて睨む。だけど、アイラに任せたのには大きな理由があった。

「ヴァレンティノが攻撃する時は、接近しなければならないと思う。そうなると、武器を持っていない以上アイラにダメージを放つには触れなければならないわけだから、そうなればアイラの『回収』を発動しちゃえば勝てるってわけだ」

「そういうことね、わかった。じゃあここは私とオルバで行くわ」

「応!任せとけ!」


 アイラもきっと、ヴァレンティノのような言葉が通じない敵の相手をするのは不服なのだろう。

 だけど誰かが相手をしなければならないのだ。ここはオルバとアイラの元『陽光の刹那』の2人に任せることにした。


「それじゃ、俺達は先に進むよ」

「了解」

「勝てよ!」

 俺達はアイラとオルバに激励を貰って、地下3層から4層に降り───


「「「───ッ!」」」

 腹が刺されたようなオーラを感じて、俺達はその足を止める。

 体の内側から食い破られるような不快な痛みを錯覚した俺は、朝に食べたものを吐き出してしまいそうな感覚に溺れながら、なんとか口を開く。


「なんだ、このオーラ」

「禍々しい...」

「この階には一体、どんなものがいるんだ...」


 俺達は、その不快感と幻覚に耐えながら地下4層に辿り着く。そこにいたのは───


「───貴様らが『チーム一鶴』か?」

 そう口にするのは、頭に菅笠を被っている一人の女性。その女は服を纏っていないのだが、その理由を俺達はなんとなく知っている。


「───お前は魔神か?」

「如何にも。拙者は、サタナキアの親友でありアガリアレプトの知己でありフルーレティの旧友でありサルガタナスの盟友でありネビロスの戦友だ」

 そこに挙げられた魔神の名を、俺は聴いたことがある。


 サタナキアとフルーレティは、つい先日行われた月光徒の2度目のアジト襲撃の際に俺達の前に立ち塞がって来た2人の魔神で、アガリアレプトは18の世界で『7人の同志』と共に攻めてきた人物だ。そして、ネビロスは9の世界で俺達で戦い『憑依』もした人物でありサルガタナスは7の世界でワッケラカエンの見方をして今はどこにいるかわからない魔神の名前だ。


「じゃあ、お前は...ルキフゲ=ロフォカレ!」

「正解だ。拙者を知っているとはな」

 俺は、先述の通りネビロスに『憑依』してその過去を読み解いていた。であるから、俺は消去法で目の前にいる魔神がルキフゲ=ロフォカレであることを察したのだ。


 ネビロスの記憶によれば、ルキフゲ=ロフォカレは彼の知る中での最強。その能力は誰にも明かさず、ただ肉体と剣一つで能力を大量に持つ魔神に勝つような猛者───。


 刹那、部屋にいるオレ達全員の首が飛ぶ。



 そんな幻覚が俺達の頭を襲い、俺以外の全員が自分の首筋に触れる。


「死んだ───ような気がした」

 ユウヤがそう声をこぼし、目の前の猛者を前にして冷や汗をかく。


「───リューガ達は先に行ってくれ。ここは姫様と一緒に俺達で食い止める」

「バトラズ...」

「うむ、それが良いだろう。リューガ達がいても、手も足も出ず敗北しそうだしな」


 そう口にして、バトラズとモンガも前に出る。


「拙者の相手は鬼神(オニ)が2人か。満足させてくれるか?」

 そう口にして、ルキフゲ=ロフォカレは抜刀する。忌々しい空気に吐き気を覚えながら、その一挙手一投足を注視していた俺だったが───


「行け、お前ら」

 バトラズが荒々しい口調でそう口にして、我に返った俺はユウヤとマユミ・カゲユキちおう3の世界で出会った生存しているメンバーの中では最古参の3人を連れて階段を降りて行ったのだった。

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