アレカラ シュリーヴィランガ
燦燦と照り付ける太陽と、永遠に続くと感じる荒地が大部分を占める27の世界───シュリーヴィランガを、リューガ率いる『チーム一鶴』はほとんど旅をしていない。
この世界には、四大人工精霊の1体であるサラマンダーの元になった人物、サルマンという魔神が跳梁跋扈していた───という伝承があり、『サラマンダー』として童話が広がっているのだけれども、その『サラマンダー』の話さえも、リューガ達が9の世界で出会った人工精霊の模倣を前に行われているため、ほとんど述べることが見つからない。
───シュリーヴィランガだって、最初はこれほどまでに荒れた土地ではなかった。
最初は緑も多く人も多い栄えた待ちだったのだが、一体の魔神『水使い』サルマンが現れ、暴虐の限りを尽くしたのだ。
そのため、街は荒れ果ててしまったし、街も滅びて今のような生活になってしまった。
だが、これを救ったのは探訪者であった。勇気ある旅する少年達が、サルマンに立ち向かって勝利したのだ。
───四大精霊の伝承は世界各地に散らばっている。
例えば、グノームの元になったグルフォンは52の世界に存在し、つい100年前まで斧を作っていたと言うし、オンディーヌの元になったウンネは77の世界に存在したとされる。
また、唯一現存している人工精霊であるシルフは、シルフィーユと言う人物がもとになっており、その人物は182の世界におり、破壊兵器として現在も利用されている。
四大人工精霊として童話でも嗜まれている作品はこうして、全世界の散らばっているのだ。
人工精霊と言えば、月光徒が魔女を復活させるのにも人工精霊と生身の肉体の両方を利用して行おうとしている。
人工精霊に用意した魔女の魂を、その魂に適合した人物に送り込み復活させる。
───それが目標であったのだ。
実際、月光徒にはその魔女の魂に適合する器が12体分揃っている。
『付加価値』の『×』であり『裏切者』の2つ名を持つカールだって、その器の1人だと言えるだろう。
───と、今はシュリーヴィランガの話をするべきなのに大きく話がズレてしまった。
だが、『チーム一鶴』がこの世界と深く関わらない選択をした以上、多く語る必要もないだろう。
そのため、27の世界のアレカラを話すのはここで終わりにする───。




