第一話
はぁ〜。あれから何日か…スキルの果物使ってみたけど…果物を召喚出来るだけって…せめて食べ物とかで、食料出せるのにしてよ…果物ではフルーツのヨーグルト出せたし、加工?っていうか調理済みのも出せるだろーし、そしたら食料問題解決何だよね…なんで10歳の私が、食料問題に困っているか、それは…この世界では十歳になったら一人暮らし、って決まっているからだ!でも、成人は15歳。だから15歳までの一人暮らし…自立の練習なんだって。親に頼れないしお金もそんな無いし、本っ当に果物レベルアップしてフードってスキルになんないかねぇ。食べ物何でも出せるヤツ…果物もね?飲み物ってスキルも欲しいわ〜…
『スキル果物が進化しました。食べ物になりました。飲み物を取得しました。付与魔法が食べ物と飲み物に統合しました。効果付きの食べ物、飲み物を召喚できるようになりました。浄化魔法がレベルアップしました。心を浄化できるようになりました。』
え?え?今?今なんかアナウンスみたいなの聞こえたよね?え、どうせなら何でも聞けるスキルあった方がいいな〜…うーんやっぱりいまさっきのは…?とりあえずスキルプレート…えっ?!
フルーティア・ハーピー
種族 人
年齢 10
能力 聖女
体力 123456789/123456789
魔力 ∞/∞
スキル 食べ物 飲み物 浄化
使用可能魔法 水 風
上位使用可能魔法 氷
……え?!やばいめっちゃ強い…?もしかして、もしかしてもしかしてもしかして…
私って…めっちゃ強い?いやそんなわけないよね〜。ハハハ…
ドォォォォン!ドゴォン!ワオーン!
今のって…もしかして、魔物ってやつ…?
ピンポンパンポーン ピンポンパンポーン
「緊急事態発生 緊急事態発生 パワードウルフが居ます 戦える者は直ぐに戦ってください 回復ができる者は戦場へ来てください 繰り返します…」
大変…!私も戦わないと!そうだ、果物の剣を作ろう…召喚しよう!出来るかわかんないけど!
「食べ物!りんごの剣[付与・攻撃力増加]、召喚!」
「飲み物!ぶどうジュース[付与・剣術スキル]」
早く飲んで…あれ?またあの声!
『剣術スキルを取得しました。スキル召喚を取得しました。』
おぉ、スキルを召喚することが出来るのか…それってどういう事だろ?まぁいいや…早く行かなきゃ!
「あなたは…聖女!回復が出来ないんじゃ…?」
「はい!そうですけど!怪我している人にこの果物を食べさせてください!回復魔法を付与してあります!これなら、完全にマックスまで回復できますよ!」
「はぁ…それがほんとか分からないけど、信じますよ。えっと、あなた…これを食べて」
「…!おいしい!それに、怪我が無くなっている!ありがとう!」
「…聖女さん、本当にありがとうございます、これからも…」
「では私は戦いに行きます…さようなら!」
「?!聖女さ……」
早く行かないと…あ、あれがパワードウルフ…よし、いくぞ…っ!
「っっ!とりゃあああああああああああっ!」
「?!ワオーーーン!ギャウウウ!」
これで倒せた…かな?!うん、倒せたみたい!
「聖女さん…いえ!聖女フルーティア様…ありがとうございます!」
「あのパワードウルフ…みんなでかかっても倒せなかったのに、さすが聖女様だぜ…」
「いえ、それほどでも…私はこれで。さようなら」
「あっ、聖女フルーティ………」
彼女がそう言いかけた頃には、フルーティアは姿を消していた。