続編!
…意味が分からない。今、晴臣は俺に何と言った?
「は、晴臣?もう1回言ってもらっていいか?」
「何度だって言うさ、俺らはあの世界にはまだ帰れない。」
これは悪い空耳だって、夢だって疑いたかった。
でも、晴臣の瞳が嘘を言ってるようには見えない。(女が嘘をついているかはさておき)
少し落ち着いてからまた話しかける。
「……帰れないってどういうことだ…?」
「帰れないんじゃないよ、正しくは返してもらえない。俺らは“ある任務”を遂行しない限り2度とあの世界に戻れない。」
「その“任務”って何なんだよ。てか、まずこの状況自体把握出来てないんだけど。」
「それを少しずつ説明するから夜翔はちょっと黙ってて」
「お、おう…」
晴臣が言うことをまとめると、
・この世界〈メディザ〉は地球とは違う惑星にあること
・〈メディザ〉は魔族と人族(他種族もいるが希少)が住んでいる
・この世界は今、戦争の真っ最中だということ
↑なんでも、2種族を殺して王になりたい奴が現れたらしい
・戦争は約30年続いている事
・俺らは魔族、人族側の救世主〈メシア〉として召喚された
・戦争に終わらせることで元の世界に帰れること
などなど…
よく考えたら俺らに全然メリットなくね?
だって、何も言われないでいきなり異世界に飛ばされてましてや戦えって言われたって…
出来るわけないだろ!!
ふざけんな!!こっちのことをもう少し考えてくれよ!
あ!てか、俺の試合ってどうなったんだよ!
折角優勝したのに、死んじゃったら意味無いじゃん!!
「なぁ、俺たちが突然居なくなったりしてあっちは大丈夫なのか?」
俺がそんな疑問を投げかけたら、晴臣が待ってましたとでも言うかのように話題に食いついてきた。
「あぁ、あっちには影響は何も出ないよ?だってこっちの世界はあっちの世界よりも時間が進むのが圧倒的に早いからね。確か、1日でこの世界の100年だったかな?」
マジかよ…いくらなんでも早すぎねぇか…?
現実とは思えない事態に頭がついていかず、グルグルと考え込む夜翔。そんな空気をぶち壊すかのようにグーと大きな音が部屋に鳴り響いた。
「「…???」」
「す、すみません!///失礼します!!」
先程の音は、今の今まで置いてけぼりにされていたコルバードの腹の虫が盛大に鳴り響いた音だった。
そのせいで羞恥で顔が真っ赤になり、恥ずかしさに耐えきれず部屋を飛び出して行ってしまった。
「…晴臣、今何時?」
「…19時半…」
「俺が起きたのは?」
「17時」
「……あるならそろそろ夕食食べようぜ」
「そうしようか…」
流石にアレは俺でも恥ずかしい。
あの子には後で少しフォローをしておくか…
きっと夜翔は親切心でやろうと思ったのだろうが、それは返ってコルバードの黒歴史とも言える出来事を掘り返す事になり、その晩はコルバードの羞恥による絶叫が建物中にずっと響いていたという。
「いやぁぁぁぁぁあああああーーーーーー!!!!!!!」