表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグ「恐怖の幕開け!」


ゆうは何気なしにPCを開いた。,

いつものネットタイムである。

ふと広告に目をやると、いかにもな美少女キャラクターが、まるでこちらを誘うかのように作られた笑顔で微笑んでいた。

祐は何気なしにメールを見やる。

いつものようにヤフーの広告メールだけが並んでいる。

ふと気になるものがあり、祐の目線はそこに釘付けになった。

昨日ネット通販で届いたものと同じも品物が写った通販メールの広告だ。

特に不思議ではない。

PCの閲覧経歴から対象者が興味を持つ品物が、広告として現れるのはよくあることだ。

しかし奇妙だと祐は思った。

その商品(美少女キャラクターの絵柄入りの抱き枕)は職場のPCを使い購入したものであり、自分のPCからはその商品どころか美少女キャラクター自体検索はしない。

自分だけが使う検索履歴などは誰も見ていないPCではあるが、心なしかそういったものに恥ずかしさはあった。

なので新しいPCにしてからここ数年、アニメやゲームに触れることはなかった。

ネットでも検索はしない。

するのは生活に必要なものか、職場に関係するものくらいであった。

職場のPCで美少女キャラクターを買ったのは、酒だけがお供の寂しい夜が続いたからと、ちょっと昔のゲームやアニメが好きだった頃の自分に戻りたかったという気持ちが、どこかしらにあったからだろう。

ふとヤフーメールのホームページ内に羅列している広告を見やる。

祐と同じくらいの年齢の中年の男が、祐と似たような上下の服を身に着け、祐と同じように正座をしてこちらを寂しげに見つめていた。

広告文字を見ると、そろそろ婚活を!本気になって!と書かれていた。

婚活…実は今日部長や同僚に「そろそろ婚活をしてみてはどうだ?寂しいだろう?」と言われていた。

祐は不思議な気持ちになりながらも、その広告にマウスを合わせる。

するとその広告が唐突に変わった。

本当に唐突に、何の前触れもなく。

ネットのブラウザの「更新」ボタンは押していない。

変わった先の広告は缶ビールの広告であった。

祐は今自分が右手に握っているものを見やる。

同じメーカーの缶ビールがそこにあった。

下のほうにある他の小さい広告に目を移す。

祐と似たような顔の男性の顔がアップになった写真があった。

眉毛のお手入れの広告である。

祐は自分の眉毛を指先で触る。

もうそろそろ眉毛の手入れをと、そう思い始めてはいた。

その下の広告に目を見やる。

カメラの広告である。

無機質なレンズがじっとこちらを覗いていた。

祐は、自分のPCのカメラに思わず指先を当て隠す。

心臓の鼓動が早くなっていた。

一度電源を切り、ガムテープでそこを隠す。

不安をかき消すようにタバコに火をつけ煙を吐く。

そしてまたヤフーメールを開いてみた。

すると一番大きい広告に祐と酷似した後ろ姿が写っていた。

その後ろ姿はPCを前にしていた。

後ろ姿でも祐本人ではないと分かるが、それでも気味が悪かった。

広告内の文字には「いつまでもPCばかりが恋人では…そろそろ婚活を」と書かれていた。

もう一度更新する。

今度はたばこの広告が姿を現した。






















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ