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第4話 レイン村の暴力ウサギ

 デュー・ガルドでの拠点となるのがここ『レイン村』です。

 おそらくレイン村が舞台のメインになるだろうと考えています。

 ハイナちゃんに案内されて村の中を歩いていく。

 言われていた通りそんなに大きな村じゃないようだ。今は男性の多くは外に仕事に出ているのだろう、すれ違うのは女性ばかりだ。その女性も事前に言われた通り様々な人種が入り混じっている。とはいえみんな人型ではあるからそこまで違和感を感じることはないが。

 

「あらぁ、異世界からお店ごと。それは大変ねぇ」

「玩具屋さんなの? 今度息子連れて行ってみようかしら」

「困ったことがあったら何でもいてね、村人みんな家族のようなものだから」


 種族を問わず皆さん非常にフレンドリー!

 現代日本からはとっくに失われた、人情がこの村には残っている。気持ちいいな、こういうのは。

 道行く人々に挨拶しながら、酒場にたどり着いた。木造の2階建てで、2階部分が宿屋になっているらしい。昼間だというのに中からは喧騒が聞こえてくる。どうやら件のシルハという人、やっぱりトラブルを起こしてるみたいだ。

 

「ただいまー」


 そんな喧噪をものともせず、正面から普通にハイナちゃんは入っていく。続くように俺も扉をくぐって。

 「うぉっと!」

 

 その瞬間、俺に向かって飛ばされるように女性が倒れ込んできた。女性の肩をつかみ、たたらを踏んで何とか踏みとどまって、改めて女性の姿を見る。紺色の体毛に頭上から生える長い耳、どことなく兎を連想する顔つきで鼻から口元にかけての体毛は白い。兎の獣人みたいだな、それにしても……。

 ほとんど太もも丸出しの際どいホットパンツに、俺と女性との間で潰れるほど良い弾力を持った魅惑の大玉おっぱ……。

 酒場の中に向き直ると、丸太のように太い腕の、筋骨隆々の犬っぽい獣人の男が肩で息をしながらこちらを睨んでいた。

 なるほどあいつがシルハか。乱暴者だとは聞いていたがまさか女性に手を上げるようなクズだとはな。

 大人しくしていようと思ったが仕方ない、ここは一言文句でも行ってやろうと、ハイナちゃんに女性を任せようとしたその時。

 

「いつまで触ってんだオラァ!!!」


 想定外の一撃は、俺の胸の中からだった。

 女性の放った渾身のストレートは俺を酒場の壁際まで吹き飛ばし、テーブル代わりに置いてあった樽を粉砕した。あまりの衝撃と痛みに俺の思考は完全停止し、目の前で星が瞬き始める。

 

「オメーこのシルハ様にセクハラたぁいい度胸じゃねーか。オスやめる覚悟できてんだろうなぁ!」


 肩掴んだだけでセクハラ認定!? ていうかシルハってお前の方かよ!?

 シルハはボキボキと指を鳴らしながら近づいてきて、俺の襟首をつかんで無理やり立たせると股間に膝をねじ込んできた。

 

「とりあえずタマ潰しとくか」


 いやああぁぁ!!! まだ自分でしか使ったことないのにこんなところで未来が潰えるのはいやだああぁぁ!!!!

 

 誰か助けてくれと、怯えきったネズミの様な瞳で酒場を見渡す。

 さっと全員が目を反らした。うん、誰だってそーする。俺もそーする。

 

「シ、シ、シ、シルハさん。待ってくだ、だ、だ、さい!」

「あん、ハイナじゃねーか。もう帰ってたのかよ」


 及び腰で声を震わせながらも、唯一助け舟を出してくれたのはハイナちゃんだった。

 ああ、俺には今の君が女神さまに見えるよ!

 

「そ、その人は、異世界から転移してきて、村にもさ、さっきついたばっかりで」

「なるほど、つまりアタシの新しいオモチャってわけか」


 こいつやべーやつだ!

 

「そ、そうじゃなくて! あの、できれば仲良くしてもらいたいなーって」


 23年生きてきてここまで酷い無茶振りは初めてだ!

 今まさに目の前で人を食い殺した虎に添い寝して来いって言ってるようなものだぞハイナちゃん!?

 

「仲良くぅ? はっ! バカなこといってんじゃねーぞ」


 とても元の世界では人畜無害なあの兎とは思えない。真の英雄のごとく眼力だけで人を殺せそうな、ていうか殺してきましたと言わても納得してしまう程の血塗れの鋭さを持つ瞳に睨まれて今にも漏らしてしまいそうだ。

 でも、さっきも言ったけど胸も大きいし、体も引き締まってる。顔だって肩口まで伸ばした銀髪に、兎独特の愛らしさもあってめちゃくちゃ美人だ。もちろんこんなこと口に出したら今度こそ殺されそうだけど。

 

「あん? オマエ、ちょっと動くなよ」

「ひゃっ、ひゃい!」

 

 体を小さくして、必死に震えを抑えるよう我慢する。

 シルハは俺の襟首を掴んだまま、鼻先を俺の首筋に近づけてくんくんと匂いを嗅いだ。

 獣人の、獲物への狩猟の合図かなんかですか!?

 ところがそのまま何かされるわけでもなく、むしろ襟首をつかむ手から力が抜けた。不思議に思い、恐る恐るシルハの方に視線を向けると。

 

「~~~~~~~///」


 ほのかに赤面し、口を真一文字に結んで睨みつけるシルハの顔がそこにあった。しかしさっきよりも顔に凄味がない。なんというか、大勢の人前で何か話した際に盛大に噛んでしまった時のような羞恥心にあふれた顔だ。

 シルハは勢いよく俺の襟首を放して、そのまま早足で酒場の出口に向かう。扉の一歩手前で足を止めて。

 

「オマエ、名前は?」

「立花宗司、だけど……」

「ソウジ、か。覚えといてやる」


 それは今後もいたぶってやる宣言ですか!?

 それだけ言ってハイナは酒場を出ると、どこかへ走り去っていった。

 何はともあれ、命は助かったらしい。へなへなとその場に座り込んで、盛大にため息を漏らした。危うく別の物も漏らしてしまうところだった。

 

「おい見たか、シルハの顔」

「ああ、間違いない」

「確か時期も一致するはずだ」


 種族を問わず、酒場にいる男達の視線が俺に集中する。なんだ? 今度は何されるんだ!?

 

「「「救世主キターーーーーーーーーーーーーー!!!!」」」

「ええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 新しいヒロインの登場です。

 ここからキャラクターがどんどん増えていく予定です。プラモデルの活躍はもう少し待ってね。

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