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第1話 店舗崩壊

 皆さん初めまして。

 初めて投稿させてもらいます、『ざすまる』と申します。

 週に2,3話くらいのペースで投稿できればと考えています。

 よろしくお願いします(*´ω`*)

 その日、日本の空は全国的に晴天で、今朝のニュースで4月上旬にしてはやや暑い平均気温23℃とニュースキャスターが言っていた。まあ、俺は空調の効いた店内にいるからたいして影響はないんだが、アイスを咥えながら歩く学生や、スーツを小脇に抱えて走るサラリーマンを見ると「大変だなぁ」と無関心ながらそう感想が口から洩れた。

 平日の午前11時。俺、立花宗司は個人で経営する『タチバナ模型店』の作業スペースで、メーカーからサンプルとして貰った新作プラモデルを組み立てながらゆったりとした時間を過ごしていた。

 店内に客はいない、アルバイトが来るのも昼過ぎから。断っておくがこれは決して俺の店が過疎っている訳ではなく、メインの客層である男子学生や男性社会人がこの時間は学校だったり会社だったりで来れないからだ。だから俺はこの時間を利用して作業スペースに篭るようにしている。作業スペースはプラモデル制作のパフォーマンスもかねて店内から見えるようにガラス張りにしているから、来店したお客さんにはすぐ対応できるようにしている。もちろん死角には監視カメラも設置してあるから万引きは絶対に許さない。


「ふんふんふふんふんふーん♪」


 店内に設置してあるテレビから流れるロボットアニメのPVに合わせて鼻歌を歌いながら、組みあげたプラモデルを手に持って見回す。このプラモデル、今から15年前に放送されたロボットアニメの物なんだが、念願かなってついにプラモデル化されたのだ。

 50年前から今なお続く世界的な名作ロボットアニメシリーズ『騎装戦士ガルバーン』。それに登場するロボットをプラモデル化した、所謂『ガルプラ』と呼ばれる一大ジャンル作品群。

『HLCEシュナイデンギルガイスト』 あぁ……、どれだけプラモ化を待ち望んだことか! 


「バックパックに装着された2門のビームガトリング砲。大型のビームアックス。カッコよすぎる!!」


 23歳男の子魂の叫び! うるさいな、男はいつまでも少年ハートの持ち主なんだよ!


 素組みを終わらせて、表面処理や塗装もやんなきゃなーと言いたいところだがこれはあくまでサンプルとして貰ったもの。製品のままの出来栄えをお客さんに見せないといけないからな。お楽しみは製品版までとっておこう。

 後でレビュー用のブログも更新しなきゃな。

 そしていくつか写真を撮った後に、完成したギルガイストを店内の展示スペースに飾ろうとしている時だった。


「なんだ? 揺れてる?」


 カタカタと、ショーケースの扉が振動する。その揺れは徐々に大きくなり、飾ってあるプラモデルはどんどん倒れていき、商品も次々に床に落下していく。


「やばい! 結構でかいぞこれ!」


 急いで店内にお客がいないことを確認すると、店の奥に戻ってブレーカーを落とした。その後に俺も避難のために正面入り口から外へ出ようとした、その時。

 大量の塗料を並べた棚が俺めがけて倒れこみ、重さに耐えられず押しつぶされたまま気を失ってしまった。


 


 次に気が付いたとき、店内は照明が落ち真っ暗闇の中だった。

 運よく俺は生きているらしい。棚に潰されて身動きは取れないが、四肢は動かせる感覚があるから骨折はしていないようだ。ツンと鼻をつくシンナーの臭いが朦朧としていた俺の意識を強制的に覚醒させる。塗料が割れて漏れ出しているらしい。

 ひとまず落ち着いて、どうにか抜け出せないかと思案する。数時間くらいならこのままでも耐えられるだろう。その間に自衛隊でも救助に来てくれればいいんだけど……。

 うつ伏せになっているせいで首の動く範囲しか確認できないが、店内はまぁ酷いありさまだ。ほとんどの棚が倒れて積んであったプラモデルも潰れてしまっている。いわずもがな、飾ってあった完成品のプラモデルもぐちゃぐちゃになっているだろう。

 また大きな地震は来るだろうと言われていたけど、わざわざ開店してから一周年記念の今日に来なくたっていいじゃねーかよ……。

 と、まぁ文句ばっかり言っててもしょうがない。何とか抜け出せないかいろいろ試してみないとな。

 そうやって、棚と床に挟まれてもぞもぞしていた時だった。


「すいませーん! 誰かいますかー!」


 電源が落ち、動かない自動ドアの向こうから聞こえたのは少女の声。磨りガラスになっているため姿はわからないが、映る影の大きさからすると中学生くらいだろうか。

 運が良かった。こんなに早く助けが来てくれるなんて。


「おーい! 中で荷物に潰されてるんだ! 誰か大人の男性を呼んできてくれないか!」

「潰されてる!? ちょっと待っててください、すぐ助けますから!」

「い、いや。結構重いから君みたいな子供じゃ」

「大丈夫です! 任せてください!」


 しばらくの沈黙の後、再び少女に「壁から離れててくださいね」と声をかけられる。


「いや、動けないから離れるも何も」と俺が言いかけた時。

 ていうか離れてろって、何をするつもりなんだ。


 不意に、大きなごつごつとした影が磨りガラスの向こうから迫ってきた。


 ガシャーン! と、串に刺さった団子のようにいくつも連なった大きな岩が周囲の壁ごとドアを破壊して飛び込んできた。しかしその岩は飛び込んできたと思ったらそのまま空中に停止し、ゆっくりと店外へ引き抜かれていく。

 その様子に俺は、声も出せず呆気にとられていて眺めていることしか出来なかった。


「だいじょーぶですかー?」


 そして破壊された壁の影からちょこんと、まるで御伽話に出てくる子供のような、野暮ったく少しボロい服を着た少女が顔を覗かせていた。






「これは、とりあえず立てておけばいいですか?」


 俺が棚に潰されている様子を見た少女は大慌てで足の踏み場もない店の中に踏み込むと、後ろから着いてきていた小さな岩の人形に棚を持ち上げるよう指示を出した。ひょこひょこと動く岩の人形は軽々と俺が潰されていた棚を持ち上げると、少女の傍に戻ってそのまま動かなくなった。


「無事で何よりです」

「あ、ありがとう、本当に助かったよ」


 いろいろと突っ込みたいことはあるが、ひとまず命の恩人である少女にお礼を言う。中学生くらいだろうと言ったが、それにしては体がほっそりしすぎているし、着ている服もとても現代の物とは思えないくらい古臭くて、近くの学校でそういうコンセプトで文化祭でもやっているのかと一瞬疑ってしまった。

 そんなはずないよな、なんせ……。


「あああっ! こら! 屋根壊しちゃだめじゃない!」


 ドアを破壊した岩の正体、身の丈5mはありそうな大きな岩の人形が店の天井を壊して中をのぞき込んでいるのだから。


「あの、あの、ごめんなさい! わたしお金はないですけど、責任もってゴーレム達に直させますから!」

「ゴーレム……」


 こんな小さな、しかも女の子の口から『ゴーレム』なんて単語が飛び出すとは思ってもいなかった。いやもちろん、その手のゲームや本が好きな女の子だっているだろうが、って! そうじゃないだろ!


「ゴーレム? ゴーレムって言った?」


 天井を破壊した巨大ゴーレムは自らの体を一部を砕いて器用に屋根を形作っていく。どうやらこれも少女の指示のようだ。

 

「はい。あ、そういえば自己紹介してませんでしたね。わたし、ハイナ=クロティエって言います。ゴーレム技師してます!」


 登場するプラモデルにはもちろん元ネタがあります。

 怒られない程度に名前を変えて、様々なジャンルから登場させようと考えています。

 そこらへんも推理しながら読んでもらえると、嬉しいですね。

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