01．OpeninGー始まりのゲンインー
第二話ですっ(^O^) 楽しんでいただければ嬉しいです♪
◆◆1
浅黒い肌の少年が広い額に汗を流し、つたつたと歩いて行く。
その堂々とした出で立ちは見るものに恐怖と威厳を与え、そしてどこか人懐っこい印象だ。
そして、その後ろを
色黒の少年と似たような顔つきで白い野球ユニフォームを着た少年と、制服を纏い(まとい)、狐のような顔をした少年がぴったりと歩幅を合わせ、歩いて行く。
ここは私立豊穣学園。
小等部から大学院まで成る大規模な教育施設だ。
その学園の廊下を彼ら三人は歩いていた。
ガラッ。
先頭の少年が
「生徒会室」と書かれた扉を開けた。端正な装飾の施された重々しい扉だった。
◆◆２
「おい！生徒会長！」
押しの強そうな太い声で彼は言った。
「………。
ドアを開けるときはノックと名乗り。そして返事を聞いてから中に入る。小学校で習いませんでした？野球部部長 岡崎透さん。今は会議中です。それと生憎、僕は生徒会長という名前ではありません、瑞之江一也です。」
透き通った低い声で
「生徒会長」と呼ばれた少年が答えた。長い机の前方に20人程度の生徒を従えて座っている。長めの黒髪に、整った顔立ちの美しい少年だった。
「細かいことはどうでもいいんだ。今はそんな些細なことを言っている場合じゃない。写真だ。」
「岡崎透」と呼ばれた少年はそこで言葉をぐいっと区切り、砂ぼこりの付いたユニフォームから一枚の写真を取り出した。
「それは？」
瑞之江一也が席を立った。それと同時に生徒会役員に一声かけた。瑞之江に続き４人の生徒が席を立つ。
「部員が部室で見つけたんだ。さっき俺のところに持ってきた。これはあんたに渡したほうがいいと思って葛西とここに来たんだ。」
岡崎は苦々しそうに写真を見つめ、助けを求めるように瑞之江を見た。
瑞之江はそれを受けとると同じく苦い顔をして、写真を見つめた。
「……
「また」ですか…」
その美しい顔を歪めながら彼は言った。
「日にちと時刻、発見者及びその場にいた生徒、教師名、それと写真を触った生徒を調べて頂けますか。
葛西先輩には副部長として詳しくお話を伺いたいので、ここに残っていただきます。
それと各委員長の皆さん。今日は会議を中止します。また、後日
「イタズラ」についてご説明をさせて頂きますので、歯切れの悪い終わり方ですが、各委員会厳重注意を呼び掛けてください。よろしくお願いします。では、解散。」
瑞之江は迅速に指示を出し、その場にいた生徒はその指示に従った。
あとには瑞之江を含む生徒会役員、岡崎を含む3人が残った。
どうだったでしょうか？ 今回は原因をテーマに書いてみました(*^^*) 感想&評価お待ちしてます
