14.Strategy1ー甘いワナー
久々ですー。
◆◆◆23
「で、2人はどうしたわけ?」
目の前に困り顔の長篠紘司。
「や。別に……。」
その目の前に罰の悪そうな瑞ノ江と綾乃。
生徒会室で日下部が説明をしている最中に、いきなり瑞ノ江が綾乃を連れて戻ってきた。
何がなんだか訳の判らない長篠は取りあえず二人を椅子に座らせた。
二人は大人しく椅子に座り、瑞ノ江が一言彼に告げた。
「聞き込み失敗」
それもそのはず、
瑞ノ江が美術室にたどり着いた時、そこには異様な空気が流れていて、調査どころではなかった。
立ちすくむ綾乃と
呆然とする美術部員。
彼はそれら二つの収拾をつけるため、現状を聞き、
事実とでたらめを混同させて話した。
『文無月の友人が美葉に虐められていた。
だから彼女は美葉を恨んでいる。そのためこんな行動をとってしまった。』
そして、逃げるように綾乃を連れて生徒会室に戻ってきたのだ。
「失敗って…?」
里奈が思案しながら問いただした。
「話、聞いてるから。
進めて。あとで話すから」
瑞ノ江の言葉通り
そのまま日下部の説明が再開された。
◆◆◆24
「判った。つまり写真の特徴は人物、文字、場所ってことだね?」
柳川がぴりぴりしながら、日下部に言った。
「ええ。要約すればそんな感じです。」
「了解。
それじゃ、僕は行くよ。
海南子が心配だから。
依頼、よろしくね。」
くるりと椅子に背を向けて、
立ち上がった。
「待ってください。」
瑞ノ江が声をかけた。
「俺の話も聞いて頂けますか?
あなたにお願いしたいことがあるんです。」
柳川は眉をひそめて、
首をかしげた。
「……いいだろう。
なんだい?」
「海南子さんに学園を
辞めてもらえますか?」
「なっ!」
「罠をかけましょう、
解らないように。」
にやりと口元を歪めて
せせらうように呟いた。
また動かせました(笑) 結局、いつも瑞ノ江で始まるんですよね〜(笑) 評価&感想お待ちしています。