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序奏

『花園』シリーズを読まないとわかりにくいところが少々あるかもしれません。今回は特に『どう考えても私のお守り役が怖すぎる件について・・・・・・』を読んでいないとわかりにくいかもしれません・・・。

「あー、足いだーい!!!」


 私・・・・ワイス・ウスユキソウ・キクは今、舞踏会を抜け出し、夜の庭をぶらぶらと一人・・・・いや、一応一人ではないのか・・・で散歩している。・・・舞踏会を抜け出しちゃっていいのかって?いいんだよ!!こまけーことは!!!


「で、ここはどこでしょう?シンイさん。」


 ん・・・・?この声は・・・!!!!


「・・・・うわーん!!!私だってどこか聞きたいよぉー!!!スノウさまだってわかってるでしょ!?」


 シンイちゃんだ!!そして、スノウさま!!


「そういえば、はじめてお会いした時もあの森で迷っていらっしゃいましたね。」

「違う!!あれは家出!!」

「でも、迷っていらしたでしょう?」


 可愛いー!!・・・・・というか、この世界って本当に乙女ゲームの『花園』の世界なんだな。シンイちゃんとスノウさまでなんかまた実感させられたよ。


「・・・・・ちょっと、方向音痴なだけだよ・・・・。ふんっ・・・・!!」

「おやおや、そんな顔をなさらいで下さい。そうでないと、私・・・・・・ククッ。」


 ヤバい・・・!!胸のときめきがとまらない!!・・・というか、原作よりも二人・・・かなり仲がいいような・・・?いや、原作でも二人は凄く仲良しで、いいコンビだったけど、なんか・・・スノウさまが・・・?気のせいか・・・・?


 ガサッ


「えっ!?」


 ゲッ!!悶え苦しみ過ぎて近くの草に触っちゃった!しかも、めっちゃ大きな音でた!!


「お静かに・・・・・・。」


 ああ、あア、アアアアア!!!スノウさまがシンイちゃんを背にかばってる!!イイ!最高!!萌え死ぬ!!


「シャアーッ」


 え・・・・?ん・・・・?なんだ・・・?って、


「ギャッファー!!!」


 ガシャンッ


 蛇じゃん!!!・・・・って、鏡が割れちゃった!!!そして私に破片がァアア!!!!


「うっ・・・・痛い・・・・。」


 わりかし本気で!! 


「お待ちなさい・・・・!!」


 きゃあっ!!スノウさまの静止の言葉を無視してもきてくれるシンイちゃん優しい!!そして、シンイちゃんを心配してすぐに追いかけてくるスノウさま慈悲深い!!なによりも二人とも可愛い!!激萌え!!


「えっ!?わっ!!大丈夫!?」


 うへへへへ・・・・。


「だ・・・・大丈夫です・・・・・。多分・・・・。」


 実は全然大丈夫じゃない。私は今、色んな意味で動揺している。

 まずは、怪我をしたこと。かなり痛い。

 次に、鏡が割れたこと。マジごめんよ、オデット。

 その三に、シンイ&スノウさまコンビに会えたこと。これが一番デカい!!シンイちゃん可愛い!!マジ好き!!スノウさまマジ麗しい!そして慈悲深い!!最高!!というか、このコンビってでこぼこって感じで可愛いよね!細ーいスノウさまと小太りなシンイちゃん・・・!!無邪気なシンイちゃんと策士なスノウさま!!最高 of the 最高!!!ぐへへへへ・・・・。


「か、鏡はどうすれば・・・・!?弁償とか・・・・!?」


 ぎゃん!!人のことちゃんと思えるシンイちゃん可愛い!!マジ天使!!って、早く返事しなきゃ!!

 

「だ、大丈夫です!!そんな大事な鏡じゃないし!!」」


 気を使わせちゃいけないよね!!そして大切じゃないなんて言ってごめんね!!オデット!!本当はマジ大切!!大好き!!・・・・あ、オデットっていうのはこの鏡の、


「・・・・・・軽率にそういうことを言うのは・・・・よくありませんよ。」


 なんのこっちゃね・・・?って、早くここから立ち去って、スノウさまとシンイちゃんのツーショットを・・・じゃなくて、いち早くこの二人に立ち去ってもらって、鏡を回収しなきゃ!


「あ、えっと・・・・失礼します!!!」


 走り去る・・・!!と見せかけて近くの草葉の陰に隠れる!!草葉の陰から見守ってますよ・・・ぐへへへ。あ、私まだ死んでないや。


「えっ!?あ、鏡・・・・・。」


 うんうん!いいんだよ!シンイちゃんは気にしなくても!悪いのは二人の会話を盗み聞きしてた私だからね!!少しの間二人で話してそのまま立ち去ってね!!私はその様子を・・・どぅふふふふ・・・。


「この鏡・・・・どうしよう・・・・・。直さなきゃ・・・・・。」


 いいんだよ!鏡のことなんて気にしなくて!


「・・・・・・・恐らくですが・・・・・。」


 え、なに?スノウさま?


「移動をします。移動手段として少々奇妙な手を使いますが、どうかお許しを。」


 え、ちょっと待って。なんで、鏡の破片持っていくの?そしてなんで一瞬にして消えるのおおおおおおお!!!!



 * * * *



「本当にすみませんでした!!」


 正真正銘の土下座である。いや、でもマジごめん。鏡割っちゃって・・・。悪気はなかったんだ・・・。あ、怪我はもう治してもらったよ、オデットに。


『・・・構いませんよ・・・。もう許しております・・・・。別に、鏡が割れたところでそこまで問題はありません・・・・。しばしの間、天上に戻るだけです・・・。』


 いや、絶対許してないでしょ。

 そして、さっきから私と話している相手は、


「なんでもするんで、鏡から出てきてください!!オデットさま!!!」


 そう、鏡の中にいるのだ。この”オデット”というのは、神様というヤツである。まぁ、その割には随分と親しみやすいし、人間とほとんどなんにも変わらないけどね。違うといえば、人間離れした超・麗しい見た目・・・すんごく綺麗な顔とすっごくほっそりとした手足を持ってるんだよね。一つ気になるとしたら、一回も開けた姿を見たことのない目ぐらいだね。あとはやっぱり人間離れした能力かな。あ、オデットの能力の属性は光と水の二つ持ち(!)で・・・・いや、二つ持ちって時点でヤバいんだけど、能力は『水』と『光』である。えー!そのまんまですやーん!と思ったアナタ!!そう!この方は水と光を司る神様なのです!だから、水と光関係の能力はほとんど使えるらしい。・・・・まぁ、少し特殊な感じの能力だと使えないものもあるらしいけどね。


『なんでもする・・・?』

「それはちょっと嘘ですが、できる限りはします!!」

『そうですか・・・・。』


 えー・・・。


「いやー!本当に許してよ!!オデット!!大好きだから!!ね!?このままだと私、夕ご飯、なにも食べられないよ!!」


 私、料理なにもつくれないし。


『・・・なにも食べない方がいいのではありませんか・・・?そうしたら、そのだらしない体型もどうにかなるかもしれません・・・。』


 キーィッ!!!いいじゃないか!!!少し太ってるぐらい!!シンイちゃんに比べれば大分痩せてると・・・シンイちゃんマジごめん。マジ愛してる・・・。


『シンイ・・・?』

「あ、なんでもありません!!」


 オデットは神様なだけあって心が読めるので、余計なことを心の中で呟くと視線がブリザードになる。・・・・いや、眼は開いてないから視線もなにもないけど。 


『あれの傍にいた人間ですか・・・。』

「え?」

『いえ、なんでも・・・・。』


 私も心が読める能力をぜひ習得したい!!!


「あーもー!!いいよ!!私、ディアポロにごはんたかりにいくから。」


 オデットの機嫌が直らなくとも、今晩ノー飯よりはよっぽどマシだ!!!


『・・・お待ちなさい・・・。今、用意しますから・・・。』


 お、一気にオデットの気が変わった!!そして鏡の中からもでてきた!!!よし、これからはこの手を使おう。名付けて『ディアポロに飯たかりにいくぞ脅迫作戦』!!


『どうぞ・・・・。』


 後ろを振り向くと、ほっかほかのカレーとサラダ、牛乳が机に並べられていた。

 ・・・・ぐへへへへへ、美味しそう・・・。


「ありがとう!オデット!!」


 オデットは大体なんでもできるから便利だよね!能力以外にも不思議な力を持ってるし!!


『仕方ありませんね・・・・。』


 んじゃ、


「いっただーきまーす!!」


 もぐもぐもぐ・・・・


「おいし~!!!」


 そういえばさ、


「オデットを助けたのって、スノウさ・・・あの身長の高い白髪の人だよね?」


 と、まぁ・・・・シンイちゃん。


『・・・・ええ・・・。親切心でやったとはとても思えませんが・・・。どうせ貸しでもつくろうとでも考えたのでしょう・・・。』

「私の手鏡の破片で一番大きいものにオデットが逃げ込んでたら、それをあの人が拾ってオデットがもともといた神殿の鏡の依り代にオデットを戻したってことだったよね?」


 で、その後私がオデットに呼ばれて・・・というより導かれて、神殿の鏡を回収しにいったと。そして、神殿の鏡と私の部屋のでっかい鏡をあわせ鏡にして、私の部屋のでっかい鏡がオデットの新依り代になったと。

 ・・・・・オデットの依り代はもともととある神殿の鏡だったのだけど、幼い頃の私がそれと私の手鏡をうっかり合わせ鏡にしちゃったら、オデットの依り代が私の手鏡になっちゃったんだよね・・・。だから、オデットと私は一緒(?)に暮らしてるわけだけど。あ、私は一応花園学園の寮暮らしだけど、ぼっち部屋だから、同室の人が「ドキッ☆神さまと遭遇☆」な感じにはならないんだよね。ま、普段からオデットは私以外の普通の人間に見えないようにしてるらしいから、そんなことにはならないはずだけどね。皆と同じように二人部屋だった場合は・・・・私が空気とか鏡に向かって突然話しかけだすヤバい人になるって感じかな。マジ最悪。


『ええ・・・・。』


 ふーん。そういえばさ、今までの話に全く関係ないし、突然だけど、


「なんでオデットって、絶対に火の傍に近寄らないの?」


 コンロとかで火をつけようとしたりすると怒られるし、理科の実験でも怒られる。ついでにいうと、太陽の光とかも浴びたがらない・・・・太陽も一応燃えてるものだからか?とにかく、火を徹底的に避けてるし、神さまのためにつくられた場所とか、依り代(鏡)の中とか、神域に居る時以外、いっつも水のバリアを張っている。おかげでオデットに触るたびにヒヤッとする。


『昔、色々あったのですよ・・・・。昔は、火など恐るるに足りませんでしたが・・・。』


 へぇー・・・・。一体なにが・・・?


『・・・もう、食事は良いのですか・・・?』

「え?・・・ああ、うん。」


 オデットと話してたりしているうちにいつの間にか食べ終わっていた。そして一瞬にして食器は消え去った。・・・・オデットマジ有能。


『そろそろ眠ってはいかがです・・・・?』

「そうだね。でも、お風呂ちょっと入ってくるね。」


 冷や汗一杯かいたし。



 * * * *



「いい湯だったー!!よし、寝るか。」


 髪びっしょびしょだけどいいや!ねちゃえ!!ドライヤーなんて普段からかけないんだし!


『おやすみなさい・・・・。』

「うん、おやすみ。」


 私がそうかえすと、オデットは静かに微笑み、上空に突如出現した水の渦に一瞬にしてのみ込まれていった。やがて、水の渦が消えると、オデットのいた場所には白い羽根がふわりふわりと何枚か落ちてきた。


「よいしょっと!」


 ベットに入ると、私は一瞬にして眠りにおちた。



『乙女ゲームの世界で人生幸せ計画を立ててるけど結構上手く行きそうな件!!!』と繋がっているような繋がっていないような・・・?


『キャー!!ヤバい奴がいるのでどうにかして欲しい件』の登場人物紹介、投稿しております。

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