爆発少女
少女の名前は、鬼頭 照 〔キトウ テリ〕
家は、陰陽師を、やっていた、まつえの神社らしいが
奴の、異常行動は、それとは、全く持って、関係がないらしい
家族全員の証言
ただ、それは、巨大怪獣いや、災厄の災害並の破壊動力だ
並の人間なら、どうがんばっても、店一つムチャクチャにするのが限界だろう、しかし、奴は違う
根本が、肉体が、ちょっとばかし、いかれすぎている、壊れすぎているといっても、言い過ぎではない
奴の怒りが爆発したせいで、この前の町、即ちは、旧しなが町は
壊滅した
実質、奴一人のせいで
今現在、僕らが住んでいる、この町は、現しなが町
復興から五年の時が流れたのである
奴は、今現在も、生きており
今なお、俺の前の道を、意気揚々と、歩いている
その名は 鬼頭 照
人間最悪の最終兵器である
「また告られちゃってさー」
奴は、一人だ
それなのに、一人で、告られたと言っている
たぶん間違いではないだろう
軍の人間が、証拠にもなく、勧誘してくるのだ
何と言っても、
町一つ肉体だけで破壊し尽くしたのだ
核兵器を持てない日本にとって
格好の兵器になりうる
まあ、自分たちでさえ、ぼろぼろにされたのだ
その精度は実証済みのはずだ
「もー困っちゃって」
気のせいではないはずだ
奴の顔が、わずかにゆがみ
目から、水滴が落ちそうになっている気がする
それは、孤独に慣れない
いや、慣れることの知らない求めない人種だからだろう
それは、そう、地獄の5年前より更に、二年前の夏
奴は、交通事故になった
それは、手足が、切断し、意識が長い間、戻らないぐらい程の大きな怪我だった、そして目を覚まし、自分の歳が、二年増えていることを知った彼女は、町を滅ぼした
死傷者は、住人の半分を超えた
それは、何の前触れも、いや、その前ぶれさえ
こんな事になると、誰が思おうか
十四歳のちいさなごねだと
少なくとも、家族と親族と、クラス規模の人間を、不幸にするくらいだと
「葛城深夜」「はい」「御堂御影」「へい」「立本館」〔タチモトタチ〕
「はーい」「鬼頭照」「はい」
なぜだろう、先生の声が、微妙に振るえている
これは、厳罰行きだろう、いくら注意しても直らないのは
体罰クラスの躾が必要不可欠だ
もし、やつの心が、傷つこうとする物なら
町一つ消えるのだ
それが、一体、どのような物なのか
分からないわけでもあるまい
一体、国は、なぜこんなポンコツを、よこしたんだ
別に、頭が良いとか、教えるのが旨いとかなんてどうでも良いのだ
奴の気さえふれなければ
普通にしているだけでも良いのだ
それこそ、何も知らない
何も困らないお嬢様にしたって良いはずだ
だが、家族が反対したのだ
「彼女は、巫女なのだ、ここにいなければいけない」と
果たして、町一つ壊しておいて
何が、居なくてはいけないのか
やはり、彼女は、何かしらの力を、持たざるべき理由があって持っているのではないのだろうか
しかし、奴らの言い分は
千年も続いた、この神社を、潰すわけには行かない
血の繋がった彼女に婿をとらす
と言う、弟は、先の怒りに、巻き込まれる事さえなかったが
先日、逆恨みにより殺されている
それにより、彼女が、怒り狂うことはなかった
悲しみが上回ると、そう言う事態は起こらないのか
彼女は、すべての授業を、受け終わると
「あー疲れた」と、一こというと
圧倒的な早さで、教室を出ていった
クラスの皆は、口々に、ため息のような物を漏らすが
それも、訓練により
あまり表立ったものではない
あくまでも、空気がわずかに
ゆるむのだ
ここに集められた物はすべて、彼女が、怒ることなく
学校生活と言う作り物を、全うさせるために、集められた
要員であり、少なくとも、彼女に危害を加えるような物は、いない
虐めもなく、会話もない
進学校でさえ、会話の一つあるだろう
しかし、ここでは、彼女が、誰かに嫉妬しないように
一人として、友達を作る物はいない
外でもそうだ
それは、徹底している
かく言う僕も、訓練された一人であり
数少ない、この町の住人である
「はぁー」
いつものように、一人、肩に鞄を提げ、下校している
道には、常時、いくにんもの関係者が配置しており
たとえ、百メートル先からスナイパーが、ねらおうと
彼女を、攻撃することさえできない
そのために、この道は、復興にあわせて
そのように、作り替えられた
怒りの前に、彼女は、死ぬことがあるのか
確証が持てない今現在
これが最もベストだと判断さえれた
町に彼女が出た場合にも備え
ここも、同じく絶対に、殺されにくいように建築された
この町は、意志さえあれば、世界一殺されにくい町だと思う
そんな道でさえ、彼女にとっては、代わり映えしないのだろ
何時も、ため息をついている
彼女の家までは、所要時間四十分ほど
その道を、歩くことなく、自転車で行けば
二十分もかからないが、自転車で、しかも、一時間をオーバーして、彼女は帰る
商店街で、寄り道をするためだ
この場所は、唯一無法地帯だと言っても良い
ここだけが、旧しなが町を、再現しているというか
元の住人が、ほとんど暮らしている貴重な場所だ
彼らは、彼女に対して、遺恨を残さないと言う契約のもと
ここに、彼らの資金で、商店街を、再生させた
もし、何か起こるのだとしたら、ここが、震源地だろうと
多くのものが、遺憾を示す中
今のところ、大事には至っておらず
ほとんどが、コンビニチェーンの量産品に飽きたものが
数多く使用しているのもまた事実であり
そう言う画策がもしかしたら商店街にもあったのかも知らないが
詳細は、わからない
「おい」
背後で、何者かの声がした
反逆意志のものに、気づかれたか
「なんだ」
僕は、訓練で、何千と繰り返したような動作で
すきなく振り替えろうとすると
頭部に、凄い衝撃が加わる
「うぎゃ」
エプロン姿に、ねじりはちまきの男が
僕に、エプロンを投げた
「ささき、そんなところで、ストーカーの続きしてねぇーで
早く店番しろ」
「僕は、ささきじゃない、たろうだ」
「ちげぇーだろ、親が付けてやった、名前、かってにかいめいするんじゃねぇ」
これなら、最近ちまたで無駄に騒がしい異次元ネームの方が、まだだだましだ
「佐々木 笹木」これが、僕の嫌いな名前だ
幸い、僕の名前を、動機に、いじめるほど、非人道的な同級生はおらず
幼心ながらに、引いていたのか、動揺していたのか
哀れみと慰めを、かけるものがいた
「それにしてもひでぇーじゃねえか、クラスで、会話の一つもないんだって、政治家はだめだだめだと思っていたが
これほどになると、なぐってもなおらねぇーかもしれんな」
はげた丸坊主を、ぺちぺちと不気味にたたきながら
おやじはそう言った
「俺も、そう思うけど、ひっくり返せなかったんだよ」
僕は、エプロンに、袖を等しながら、そう言う
「だよなーそうなんだよ、俺も、それじゃあ、ぎゃくにしんけいがまいっちまって、もう、世界を壊しちまうぞって」
「・・・・誰に言ったんだよ」
「そりゃ、室長さんだよ」
「だからだ、親父と中悪いのは、あの人、冗談が通じないほど
頭が固い」
「いや、本気だよ」
「だとしても、助長しているところあるだろ、無理なんだよ、あの人は
よく生きていられるって程に、的確主義者」
「知ってるよ、昔は、嘘発見器として、煙たがれていた」
「おい、しらねーぞ、室長が、ここの生まれだってとこから」
「じゃ、早く店番しろよ、俺は、花屋、行ってくるから」
「またかよ」
「おめぇーも、話してやれよ、数少ない友達なんだから」
「ああ」
未一樹 「マツ カズキ」通称三日月
男のような名前の女である
性格は、眼鏡でお下げであるにも関わらず
ひどく、さばさばした
一言で言えば、深窓の令嬢とでも言える
障れば斬られるおろしいぞんざいであったが
近所の道場に、毎週通っているせいで
必然的に、顔を合わせることになった
それが、奴の友達なのであるが
奴が、爆心を、起こす以前から、あまり、会話をしない関係であったが
鬼頭以外も、さして、かいわをするわけでもないので、話をしたそうではあったが、それでも仕方がないとあきらめていたようである
そんな、数少ない、幼なじみも、今では、学校に来ていない
親さえ、引っ越して、難関のこの町にいるというのに
どうして、そこまで、この町の学校に進学したのだろうか
謎であり、いくら、奴のアパートに、行っても、その存在すら目撃できない
他には、「亀井 断」カメイタチ
女なのか、男なのかさえわからない、要注意人物でありいつの頃からか
クラスにいて、トイレ、プール、身体測定など
体の特徴が、分かる場所には、行ったところを目撃されることがなく
そう言うときは、保健室さえ居らず
いつの間にか、授業には出ていて
先生に聞いても、分からないと言う、それこそ、意味の分からない要注意人物だ
こいつは、試験に落ちたにも関わらず
ちょくちょく、ここら辺に、現れており
こんどこそ、警察もんの違法者だ
この町は、ある程度閉鎖されている
どこから、あいつは現れているのだろうか
これくらいだ、この町にいる、奴の友達は
いや、誰もいないと言っても、良いのかも知れない
だから、僕くらいは、できるだけ、奴が、暴走するとかではなく
一人の友人として、気楽に話さなければいけないのであるが
どう言ったらいいか
奴は、ここ数年で、実際、きれいになった
それこそ、女性とはなすをすることさえ、しどろもどろなのだ
もう、これは、無理に近い
自分本位だななんて、単純なことで、あきらめられない
それが、現時点の現状だった
断の姿を、発見したのは、その日の夜
毎日走っているジョギングコースの中程
公園の車両進入防止用の白いパイプに、座っている様子だった
「おい、断じゃないか」
普段、かいわというものは、業務連絡くらいしかしない
僕であったが、つい、そんな連絡でも、人への耐性を付けたと見えて
すんなりと、挨拶に踏み切った
これは言っておかなければいけないが
人との会話が、不得意だからと、億劫で、挨拶しないような人間ではない
やあ、君か、佐々木 笹木君
その声は、中性的で、オカルト大好き田部君の宇宙人説もうなずける
「ああ、久しぶり、相変わらず、お前の性別は、不明呂だがな」
まあ、そんな失礼な言葉を聞くのは、珍しくないが、幼なじみに言われると「どきゅん」と、来るよ
「それは、間違っている「どきゅん」なら、まるで好意を持っているようじゃないか
正しくは」
そこで、僕の言葉が遮られ、奴の言葉が、続いた
「好意を持っていちゃいけないかな、笹木さん」
「何を言っているんだ、それこそ」
突っ込みの入れようがない
男なのか女なのかさえ分からないから
「まあ、君にはつき合っている人がいるからね、例の彼女
日本がバレる前に、秘密裏に、処理したほどの異常人物
まるで君は、空想上の中の姫を守るナイトのようじゃないか、ねえ、笹木君」
幾つか訂正がある
「幾つか間違っているぞ、断、俺は、鬼頭と、つき合ってなどいない
そして」
またしても奴は、口を出してきた
僕は、それでも続けようとしたが
目の前まで、パイプからジャンプして、歩いてきていた
そのまま、人差し指で、口に当てると
「彼女は、姫じゃない、巫女だと、言わせて貰うけど、君の守り用は、命のかけようから、ナイトだよ、SPとでも、言ってほしい」
「何とでも言えよ、お前こそ、どうやって、ここにいるんだ
最終忠告だ、つまかるえに、この町を出ろ」
「・・・もう一つ聞きたいんだけど」
「なんだよ」
ろくなことじゃない、こいつといると
何か感覚的にイヤだ
「照ちゃんと、つき合ってないのだとしたら、まだつき合っているの
あの根暗筋肉馬鹿と」
心当たりが一人だけいる
「ミカズキか」
「そうだよ、あんなに仲良くしちゃってさ、それも、中学までの
良くある破綻かな」
「まあ、良くある破綻とは、状況が違うと思うがな」
「そう言うこと」
「町一つ壊れたからな、きっかけは、でかいよ」
「そういってもね、まだ彼女のこと心配しているでしょ」
「みてるのか俺を」
「ははは、たまたまだよ、今だってね」
「おまえ、相変わらずよく分からんわ」
「そう言う聞くと「ずきん」って、来ちゃうよ」
「早く帰れよ、どこにいるか知らないけど」
「知りたい」
「帰れ」
これだから、男か女か分からない奴は苦手だ
その上で、こいつの性格は、もっと、もっと苦手だ
接し方が、今でも迷う
「そうは言っても、待ち合わせがあるんだよ」
「鬼頭か」
「さーね」
間違いない、鬼頭だ
「俺も、ここにいるよ」
「えー、やだな、いじめられっこと居ると
自分まで、いじめられちゃう」
冗談じゃなくてもきつい、幼なじみだから、それは、経験者だから
怒れない
「まあ、そう言わずに、何か奢るから」
「君が奢るなんて珍しい」
「・・何が良い、コンポタージュか、オニオンスープか」
「汁物ばっか」
「いらないんだな」
「ホタテとクリームのトリュフ乗せ」
「・・・」
最近発売された高級品を言いやがった
これだからやりにくいんだこいつは、冗談を、冗談に出来ない冗談で越えていく
「あれー、何でいるの笹木ちゃん」
こいつは、昔から、俺の髪が長かったせいで、チャン付けする
それも、中学にあがってから、丸坊主に、した後も、続けている
「もうちゃん付けはよせ」
「だって、笹木ちゃんは、笹木ちゃんで、決定してるんだよ」
「仕方ないよ、今だって、彼女、君のこと、女の子だって、信じてるんだから」
「そんなことないよ、中学までだもん」
「っな、おれ、水泳の時、スクミズ着てなかっただろ
どうして、女だなんて」
「いや、かわいそうな発育」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「殴ることないじゃん」
「どうせ、俺は、女っぽくて、いじめられるよ、だから成長しなかったんだ」
「ほら、認めた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「殴ることないじゃん」
「そうですよ、女子トークを、邪魔するなんて、その気なら、警察呼びますよ」
「良いのか、お前、捕まるぞ、ここの警察は、一流だから、この町に暮らしている、すべての人間の顔を知っているぞ」
「大丈夫ですよ、わたし」
「そうだよね、変装できるもんね」
「出来るのか」
「ふふふ、だまされったーー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「殴ることないじゃん、そんなことしたら次みみかづきさん呼んじゃうから」
「お前相変わらず、奴の名前は、さん付けだな」
「まあ、親しい仲にも、礼儀だよ」
「ビビっているだけだよ」
「違うって、そうだよね、断ちゃんは、分かっているよね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ほら違うって、それに、叩かれる前に、寸止めされているし
しかも、真剣しら羽鳥で」
「違うよー、何で、止めちゃうのよ、それにこれは、真剣じゃなくて腕だよ」
「何が違うんだ」
「いや、殴ってないもん、これは、おきまりなんだよ」
「決まってませんよ、照さん」
「むすーーーー」
「言葉に出すな」
「可愛いじゃありませんか、どうです、今度は、二人の時でもそのノリで」
「そうだよ、なんで、話しかけてくれないかな、あの学校なんか変だし」
こいつ、まさか、気が付いていなかったのか
「いや、進学校だしな」
「そうなんだ」
納得したのか・・
「それで、お前等は、何で、こんな所に待ち合わせしたんだ
危ないだろ、夜の公園なんて、鬼頭の家にでもすればいいのに」
「無理だよ、何か、除霊待ちの厳ついお客さんいっぱい居るし
兄弟も、部屋同じだし」
「お前、兄弟は」
「あれ、笹木くん、まだ知らなかったんですか
今、雨音〔フルネ〕君、実質、国の保護課にいたんですが
帰って来ちゃったんです」
「来ちゃったって、それじゃあ、死んだって時に、こいつが、何も起こさなかったのって」
「まあね、そう言うことだと思う」
「だとしても、なんで、お前がそんなこと知ってるんだ」
「それは・・・・・友達だもんねー」
「ねー」
「二人して、ねーじゃない、頭まで傾げて」
「ねー」
「ねー」
「もう帰るから、どうする、送っていくか鬼頭」
「えー自分は、送ってくれないの」
「良いよ、男か女か教えてくれたら」
「じゃ、またあおう」
「あいつ、逃げやがった」
「ふむ、謎は、つきませんな」
「お前が言うな」
「叩かなくても」
「叩いてない」
「でも、頭に」
「知らないぞ」
「っえ」
「お化けかもな」
「怖いよ」
送り道、暗闇の中
二人しか居ないことに
今更気が付き
急に、話辛くなるわけにも行かず
どきどきする帰り道だった
「おーい」
十分経っても、相も変わらず
居るのかいないのか、判別不明だ
まるで、昨晩の彼奴のようだ
日課を終え、学校に向かう
家を出るのは、毎日八時ジャストからプラマイ30分
断のアパートに、六時に、到着
その後、鬼頭家に、行き、見張りの人と交代するのが
七時前だ
「あっおはよう」
わざわざ、学校とは、反対方向の電信柱の陰にいた
僕を、みて、そう言う
「ああ、おはよう、よく眠れたか」
「うん」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「殴らないで」
「何もしてないだろ」
「いや、空白が」
「・・・・・」
「空白が」
「お前、他に隠していることはないか」
「隠してる事って、弟のこととか、毎日、ある女子高校生を、お越しに行く逆お兄ちゃん起きてを、していることとか」
「お前、なぜ知っている」
「いや、あれだよ、幽霊」
「意味が分からない、昨日のお返しかお化けの」
「そうそう」
「そうそうじゃない、どうせ、断だろ」
「ちちちちがよ、ミカズキさんが、うるさいって、メールで」
「嘘だな、彼奴、機械音痴だから、電子レンジ、テレビ、ラジオ、お風呂でさえ、使わないんだから」
「そんなことまで知ってるんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「痛」
「ほら行くぞ、遅れる」
「うー」
「・・・・」
「そんな深い仲だったとは」
「ちげーよ、知ってるだろ、あの親父が、近所でも有名な
顔に似合わず、電気関係に詳しいって
その逆で、娘は、点で駄目なの」
「ふーん・・殴らないでね」
「いくぞ」
「うん」
何とか、会話をごまかすことが出来た
やはり苦手だよ断
髪の間から、白い噴煙が、あがる姿は、人とはとうてい思えない
一足、歩くごとに
コンクリートに、足がめり込み
その呼吸の熱さは、空気を焼き付きさんとしているように見えた
それが、怒れば、二、三軒が、一瞬で、壊れ、火を噴いた
止めるすべはない
だだ、歩いている姿は、何も違いはない
普通の人間と
ただ、それは、止められなかった
まず、家の壁を貫通
その後、破壊の限り暴れる
破壊辺が、別の家を壊す
それは、壊した家よりも、周りの散らばるそれの方が被害を甚大とした
スナイパーの玉は、彼女の前に来ると
陽炎のように揺らぎ、当たらない
刃物は、折れ
ミサイルは、爆発するも、無傷
ただ、彼女の怒りに、油を注いだ
その炎は、一夜にして、町を無きものとした
それこそ、怪獣が暴れたように
大災害が起きたように
そんな、彼女は、記憶を忘れていた
だから、彼女が、どうして怒ったのか、本当の所は、良く分かってはいない、だから、公式的には、二年の月日に、馴染めなかったことからの失望
そして、怒りだと、思われた
でも、実際は、違った
すべては、あの二年前
とんでもなく、つまらなくも、平常な日常の
一抹が、小さな波紋を揺らし
そして、その振動は、ついに、彼女を、爆発させた
人間でありながら
煙を、吐き出しながら
彼女を、暴走させたのだ
「おい、大丈夫か」
目を覚ましたとき
僕は、何かの下敷きにされていた
それは、暖かく、重い
「・・・・・・・・・」
何とかどかそうとして
それが、肉体だと思った
だれだ
僕は、そののしかかっている奴のを頭みた
そこには、ひまわりの髪留めが、付けられていた
「照なのか」
それは、動かなかった
どうしてだ、なぜ、病院にいたはずだ
どうして、こんな所にいるんだ
なんで、俺の上に
その場所は、救出されて、始めて分かったが
巨大なコンクリートのわずかな隙間があり
そこで、ふたりして、倒れていたのだ
何があったのか、必死で、思いだそうとした
しかし、あなたの中に残っていたものは
ただ、誰かと、話していて
そう、断と、話していたんだ
明日から高校生だと
そんなとき
頭というか
体に、凄い衝撃が
その後のこと、僕は知らない
後は、救出されたときだ
彼女の起こした
あの惨状を、知ったのは、すべて、この町に
戻ってくるときの課程でのビデオを見たときだった
それは、人ではない
でも、どうみたって、人型で、幼なじみで
弱いあいつなのだ
それは、無駄に豪華な画像の荒い特撮を見ているようで
僕は、三回か見た後でないと
何をみたかさえ
分かっていなかった
彼女であり、それが本当の彼女の姿なのだろうと
操られていたわけでも、彼女が、別人に、成り変われたわけでもない
それが彼女なのだろうと、そう思った、いや、知ってしまったと言うべきか
「ねえ、彼女は、本当に、人なのかしら」
僕は、そのとき何も知らなかった
断が、何を言っているのか分からず
すぐに、身の安全を訪ねようとしたが
彼女は、それを、断ち
「わたし、あれを殺してみたいと思ったの
何なのかしら、これは、私に流れる親父の血だというのかしら
あれを、素手で、倒すことは出来ない
羆でさえ、私は、去年倒したわ
大の大人だって、小学校を出る頃には
道場で、残る敵は、親父と、数人の門下生だけだったけど
そのころの私は、肉体による強さよりも
大勢による、戦略
そして、武力による、強さに、心を引かれるようになった
言ってしまえば、趣味のようなもの
たとえ、それが、本意ではないにしろ
その断片を少しでも見てしまえば
それを見ずに入られない
そのことを、語らずには居られない
口をふさがれても
言葉が、漏れ出る、次から次へと
体を固定されても
その後で、そばくから解放されようものなら
何が何でも、行かなくてはならなくなる」
僕には、彼女が何を言っているのか分からなかった
確かに、彼女の部屋には、ミリタリーグッズを、模したエアーガンのようなものが、置かれていたことは、あったが、それは、悪魔で玩具のようなもの、そこまで熱いものなど、見ることが出来なかった
でも、彼女は、子供が、玩具を欲するように、殺人を、欲していた
武器を欲していた
止めるべき何じゃないか
僕は、そう思った、でも、彼女の目を見た瞬間
それが無駄だと思ったのだ
その目はとても、僕が止めることなど出来ない
いや、止めることは出来るかも知れないが
そのとき
彼女の瞳は、沈み込み
もはや、彼女では、いや、人間でさえない
そんな予感がした
それ程、彼女の目は物語っていた
「でもね、私、分かるの、たぶん負けちゃう
だから面白いのよ、
五分いな
倍いな
そんなんじゃ足りない
私が動きたい相手は
はかることの出来ない
何者にもそばくされず
理解できない
そんな敵でなくてはいけない」
その日から、僕は、約束通り
彼女の家の前に
あの日から、二年後
彼女がアパートに越してきた日から
続けている
彼女が、顔を出した日が、結構日だ
それは、止めるべきなのか、僕には分からない
でも、どちらを選んでも
二人の一人
もしくは、それ以上の人間が死ぬかも知れない
なら
でも、僕は、それを、ひどいことに、後回しにしていた
ただ、彼女がいる
そこにいるという事が、今の僕が、ここにいる理由になっている
その噴煙が、起こったのは、奇しくも、彼女が、朝、窓から顔を出した日だった
僕は、前もって、答えを出していた
でも、それは、僕の力を待たずに
無に返されてしまう
彼女は、僕が、懐から、もしもの時に、効くかも分からない睡眠作用がある針型の拳銃を、取り出すも
その時、僕は、もう一つの、睡眠拳銃を、彼女の手に見ていた
「やめろ」
そんな声は、むなしく、胸に突き刺さった、針が
僕を、ねばったるい夢の中に、落ち込こませた
どうしてだろう、前にもこんな事があった
誰かに、上にのしかかれているそんなことが
そして、それは、災厄の出来事の終わりを、僕に示していた
でも、目を開けた僕の目の前には
彼女が居た
しかも、頬が、僕に近すぎるくらい
と言うか、引っ付いていた
それは、声さえ聞くことが出来なかった僕にとっては
とても嬉しいことであったにも関わらず
彼女ではない行動が、不安を、さらにさかなでた
だめだ
何かが駄目だ
それは、僕が、横を見て、彼女から目を、そらして
そして、見てしまったのだ
そこに二人の影と
その周りに、背後から、駆けつける
ありの群のような、黒い服の男たち
僕は、その時思ったのだ
また、奴が、怒るのか
僕は、どうにかしなくちゃと、頭の中で、考えていたが、出来たことは、断を、突き放し、照に、かけだそうとしていた
でも、実際には、それは、間違いだったのだ
断を止めるべきだった
すべての発端を起こそうとしていたのは
断なのだ
でも、その時僕は、煙を、はいていた彼女のことが頭に浮かんだ
でも、すべては遅かった
僕が、照に、走った時に
僕の背中に、何かが当たった
その瞬間
おねしょを、したときのように
一気に、背中が熱くなるのを感じた
それが、打たれたと気が付いたのは
地面に飛び散る血と
僕をの横を走り去る
でかい銃を携えた断
それは、僕など、目にくれることなく
走っていった
でも僕は知っている
この痛みは、偽物だ
地面に、こびりついた、赤い液体からは
良く知る魚を、捌いたときの臭いが立ちこめた
其れが分かったのは、魚屋の僕くらいであり
其れを目撃させる相手は、僕でも、また、その他大勢の組織の人間でもない
ただ一人、そう、睡眠針付きの血のり弾が、使用されたのを、見せなくては行けない人物
鬼頭 照が、そこには居た
頭から、白い蒸気を、噴出させて
今度こそ、目を覚ましたのは、すべてが終わった後だった
僕は、病院の白い病室で、寝かされていた
他には、誰も居らず
ただ、無機質だった
目を覚ましてからすぐに
心音を、調べる機械でも合ったのか
すぐに、看護婦が、現れ、僕の意識を足すかめていると
すぐに、医者まで来た
「あの、あのあと、何が起こったんですか」
僕は、眼鏡をかけた、医師に、そう聞く
「まだ、病み上がりです、其れを聞くのは」
「大丈夫です」
僕は、医師にそう聞く
「そうですか・・では、これを、見てください」
あらかじめ、用意されていたようで、医師は、懐から、茶封筒を、取り出すと中から、ディスクを出し
ベット横のテレビの下にあるプレイヤーに、差し込んだ
「・・・・・」
僕は、思わず、堅く結んだ握り拳を
布団下の足に、殴りつけた
その光景は、同じだった
あのあの四年前の
「あの、彼女は、彼女は、どうしたんですか」
「大丈夫ですよ、生きています、ですから大丈夫です」
「町の被害状況は」
「ええ、すべてが、四年前の通りです」
「・・被害者は」
「それは、ほとんど居なかった、いえ、逃げ出すのに成功しました」
「そうですか」
このあと、僕は、無期限に、国の病院に、隔離されることになった
「つまり、彼を好きになった、女性は、恐るべき、力そして保有欲を、有すると言うことなんですね」
「ええ、面白いことに、従来であれば、強い雄には、数多くの雌を、作るものですが、この例を、検見すると、逆に、何者も、よせつけず
それどころか、破壊した
其れはつまり、彼を、奪われないようにするため
もしくは、守ろうとしたのかも知れません」
「というと、断の場合は、どうなのでしょうか、彼らは、つき合っていた
しかし、彼女が、そのような行動を、取ることはなかった」
「そこなんです、始め、我々は、照と彼が、つき合っており
二年後、事故から目を覚ましたとき
彼が別の女性に、取られていた、だから、奪い返したと言う結論を、導き出したのですが、どうやら、一方的な、嫉妬からくる、物だったようです
そして、それこそが、この症例の特徴で、これは、逆なんですよ」
「逆」
「ええ、強い物を、選りすぐるように出来た、雌同士が、勝ち取ることの出来る」
「彼女らは、これから大丈夫でしょうか」
「ええ、ですから、今後、彼を、隔離した方がいいでしょう
我々は、多数の死傷者を出しながら
何とか、彼女から、彼を、救出できた
そして、その距離が、半径ちょうど一キロ
これが、彼女らを、発狂させられる距離のようです」
「ええ、断が、ぎりぎりまで、意識を保ち、照を、くい止められた御陰です」
「我々も、確証はもてませんが、何か強力な意志による物だったのでしょう、彼女の頭からも、噴煙が、見られましたが、意志だけは、何とか通じじたようでした」
「では、無期限に、電話類の使用も、何が起きるか分からないので」
「ええ、その方が良いでしょう職員も、女性は、駄目です、それに、それっけのある男性職員も
なんなら、顔が見えないようにする工夫も必要に違いありません」
「そうしまさす」
「大丈夫ですか」
白い、部屋から、僕は、久方ぶりに空を見た
彼女は、今度は、銃など持たず
僕の前に現れた
「ひどいです、私が先だと言ったのに」
後ろで、良く聞き慣れた声がした
確かここは、絶海の孤島だと聞いたのだが
どうやってやってきたのか
どちらにしても、めんどくさいことになりそうだった
「なんですか、楽しそうですね」
「お前こそ、どこからはいってくるんだよ」
僕は、横にいる、男か女か分からない
要注意人物を
ようゆういしながらやはり話しかけたのだった