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ミカンの季節

私は冬が好き。


コタツが好き。


コタツで食べるミカンが好き。


冬の温かい日が好き。


---------------------------------------------------


高校1年生の冬。

私、松内小春(まつうちこはる)は高校入学時からずっと思いを寄せていた男子生徒に告白した。

結果は、あっさりフラれておしまい。

「松内とは友達って感じだから、ごめんな。」って、そんなありきたりなセリフでフラれて…頭が真っ白になって、しばらく何も考えられなくなって…。

その人が帰っちゃった後も一人でぼーとして、その後で泣いた。一人で泣いた。誰もいない夕日がかすかに差し込む教室で泣いた。グラウンドから聞こえてくる野球部の声も冬の寒さも乾燥も何も感じなかった。ただ悲しかった。


ずっと泣いて、泣き疲れてもう帰ろうって思ったとき、一人の男子が声をかけてきた。

「どうしたの?何か疲れてるみたいだね。あ、俺今から帰るんだけど一緒に帰る?」

何も言わず、ただうなずいて私は教室を出た。

その人は隣のクラスだった。その人は自分の話をずっとした。私に何も聞かず、ずっと自分の話を楽しそうに話していた。

「あ、俺こっちだわ。ごめんね、勝手に一人で話しちゃって。」


「ううん。こっちこそごめん。それに楽しかったから。」


「そっか。良かった。そうだ、名前聞いてなかった。」


「松内小春。」


「小春…良い名前。俺は菊池冬真(きくちとうま)。じゃあまた!」


「うん、また。」



私は冬が好き。


でも、今日食べたミカンは少しすっぱかった。


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