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狂人転生記  作者: aki
対決準備編
41/55

悪夢の集結

 世の中には忘れられたものが多数ある。それは時代というものに取り残されたものだったり。意図的になきものにされたものだったり。色々なものが作られれ、そして消え去っていったのだ。それは進化とも呼べるし、退化とも呼べる。きっとそれが世の中の流れなのだ。だから忘れ去られた設定とかも色々あるけど、まぁしょうがないよね。俺はそう思う。

 

 

 魔族の王が一人、無貌の王が、粒子となり、世界に溶けていく。その光が世界に帰る前に、なぜかその光は俺の方へと向かってきた。


「あ? 死して尚、俺に歯向かうか!?」


 その光明らかに意思を持って、俺の方へ向かってきている。

 色々疲れてしまっていた俺はその光を避けることもできず、その光をモロに受ける。しかしその光は俺の妖精さんに吸い込まれていったのであった。

 あ、そういえばそんなのいたね、完全に描写とかないから忘れてたわ。最近は、どこかに行ったりとか、見ることも少なかったからまぁしょうがないね。

 その光を浴びた妖精さんは、何か分かったような雰囲気を出して、北の方へ飛んでいってしまった。


「まぁいっか」


 深く悩むことに意味はないのだ。悩んだところで答えは出ないし、いなくなってもリンクみたいに探そうとも思わないし。

 さて、あたりは地獄絵図。他の軍団の面々がなんとか魔物を抑えようとしているが、溢れ出す魔物に対応が間に合わなくなっている。このままでは確実に押し込まれ、そのままやられてしまうだろう。

 折を見て逃げる準備をしたほうが良いなぁ。いや、逆転の発想だ。防がなくても良いやと考えるんだ。そうすれば逆に帰っていくんじゃないか? ないなぁ。

 魔力にはそこそこの余裕はあるが、精神的な疲労が結構しんどい。誰かに褒めてもらえればなんとかなるかも知れない。


「しかし、全員大丈夫かね」


 皆集団行動が苦手なので、きっと好き勝手に動いているのだろう。ちょっとお母さん皆のこと心配。

 うんうん、兵士の皆さんも大変そうだ。頑張ってくれたまえ。


「ちょっと! 何が起こってるの!」

「あばばばばば」


 突然頭を揺らされ脳が揺れる。脳が揺れるっていうことは、俺には脳が入っているということだ。詰まってないとも言える。


「何よ! この状況、屋敷から絶対に出るなって言われたから、ちょっと騒がしくてもおとなしくしてたのに、こんな状況になってるなんて」

「あら、アトランテさん、お元気?」


 そういえば獣耳はこの大陸にはいない人種なので、おとなしくしてもらってたのだが、忘れてた。車に子どもを忘れる親の気持ちが少しだけ分かった。いや、それはやっぱ分かんねぇか。


「元気じゃないわよ。なにこれ? 故郷みたいになってんじゃない」


 ああ、そういえばあの島も今地獄絵図でしたね。一緒に地獄絵図だし、共感感じるわ。いや叫喚か。


「同じような状態ですね」

「やっぱりあの魔族?」

「あ、それは倒しました。俺の聖なる光魔法で浄化したわ」

「は、え? あのヤバイ奴? 倒したの?」


 え、ちょっとマジでみたいな顔をやめてほしいんだけど。なんなん? 世界平和のために倒したんだけど? なんでそんな目されるんすか? ちょっと抗議のためにに尻尾をもふもふしよう。


「なんで!?」

「理由がいる!?」

「いや、なんで怒られてるの私?」


 俺のこのやるせない気持ちを少しでも分かってほしい。理不尽には理不尽だ。目には目を歯には歯をだ。あれ? 目には歯だっけ? 超痛そう。


「もう離して欲しいし、この状況でふざけるのはちょっと」

「あら? ふざけない私たちに存在価値はあるのかしら、いやない」


 訳の分からない反語を使う存在は俺は一人しか知らない。いや他にももっといる気がするけど、なんかいないって言ったほうが良いって誰かが言ってた、


「ちょっとまってなんで生きてるの?」


 俺としては彼女を死地に送り込んだつもりだったんだけど?


「逆に聞きたい、私が死ぬと思ったの?」

「いやまぁ、思わなかったけど。あわよくば死なねぇかなと」

「私たち仲間よね?」

「え? 理解できないのは仲間とは言わないんだよ?」

「じゃあ、一生あなたは仲間できないわね」

「心で分かり合えば良いんだよ」

「じゃあもっと無理じゃない」


 無理なのか? 無理なのかなぁ。


「というかどうやったら無傷で帰って来れたんだよ」


 あの仮面さんに比べて弱いとは言え、流石にアオにはかなり厳しいと思うんだが。いや、確実に殺される実力だった。


「戦ってる間に蝶蝶になって外に飛んでったわ」


 ありえないだろ。いや、戦闘中蛹から蛾になるボスがいたからありえなくはないのか?


「あんなに戦う雰囲気だったのに、飛んでったん?」

「頼んだら帰ってくれたわ。ついでに魔物も帰るよう頼んだわ」

「みなさーん、この人魔族の王とつながってますよ! 裏切り者ですよ!」

「何を言ってるの? こんな可愛い女の子がお願いしたのよ? 断るやつなんているわけないじゃない」

「俺は断るね。というかイモムシに好かれる系の女とか嫌だわ」

「イモムシすら私の美貌にはメロメロなのよ」


 自分で言うのがすごく気持ち悪い。というか、アオさんはギャグパートとシリアスパートの使い分けをしないからなぁ。平気で敵をふざけながら倒すし。俺のことを見習って欲しいわ。


「まぁ確かに虫みたいな気持ち悪さはあるな」

「酷くない? 女の子に対して虫みたいとか」

「酷いのはお前の性格だろ」

「というか、私を無視しないで! 状況が全然分からないんだって!」

「無視と虫をかけたの? アトランテちゃん、ベタやね」

「そんなのはどうでも良いのよ!」

「うるさいわ。このグズどもめ」


 ゆっくりと魔物の群れを吹っ飛ばしながらこちらに歩いてくるエリナさん。化物かよ。


「あら、エリナさん。お久しぶり」

「こういう状況でふざけるな。早く状況の収集をするぞ」

「あ、それなら大丈夫だって、アオさんが魔物も引き上げてくれるようにあっちの王様に頼んだってさ」

「おう、イモムシみたいなやつは大体友達?」


 やっぱり内通者じゃないか。というかイモムシ仲間とか嫌なんだけど。


「馬鹿か? そんなことが起こるわけないだろ」

「アオさんが言ってんだぞ! アオさんがこれまでについた嘘を思い出してみろよ。意味のない嘘はつくけど、意味のある嘘はつかないんだぞ。中身のない人間なんだぞ」

「中身がないのは関係なくない?」

「アルト様! 私超頑張りましたの! 戦った後は殿方も心が高ぶると聞きましたわ、一発抜きましょう!」


 今度はものすごい勢いで抱きついてくるフェリスさん。


「まて、その半裸で抱きつくな。俺の股間が暴発する」

「まって勿体無いわ!」

「おい、フェリス、ふざけるな」

「あらエリナ、胸がない嫉妬?」

「嫉妬でもなんでも良いから、どいて身支度を整えろ。私が殺すぞ?」

「まぁ怖い」

「ちょっとまって、なんでフェリスは半裸なの?」

「あら、カイエ、結構ボロボロじゃない」

「いや、お前に言われたくないんだけど」

「それもそうね。ソーラスは普通ね」

「お前は早く前を隠せ! この淫乱売女め!」

「あら、ウブなのね」

「お前が可笑しいんだよ!」


 さて収集がつかなくなってきた。さすが俺が集めたメンツだ。皆が皆自由すぎる。


「ふぉふぉふぉおふぉふぉ」


 じいさんもいつの間にか帰ってきていた。というかこいつなんなん? 俺もよく知らないんだけど。まぁ良いや。


「はいはい、ふざけるのもいい加減にして! 町のピンチなんだよ!」

「いや、お前絶対そんなこと思ってないだろ」

「カイエシャラップ! そろそろ文字数的に締めの時間なんだよ」


 まぁ、まだ色々驚異が残っているので、人類の味方としては頑張らなくては。


「さぁ行こうぜ悪夢を見せにな!」

「なにそれ決め台詞? 流行らないわよ」


 締まらねぇ。

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