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終点

作者: Kanon
掲載日:2026/03/29

電車の中だった。


気づいたときには、私は列に並んでいた。

前にも、後ろにも、人。

誰一人として顔を上げない。

声もない。


ただ、進む。


一歩。

また一歩。


一定の間隔で、機械のように。


次の車両に入ったときだった。


音が聞こえた。


ぐちゃ、ぐちゃ、と。

何かを潰すような、生々しい音。


それに混じるように、声がした。


「つぶして、こねて、やいて、できあがり」


歌だった。

子どもの遊び歌のような、軽い調子。


内容とはあまりにも釣り合わない。


列は止まらない。

誰も、何も言わない。


おかしい。


そう思った。


思ったはずなのに、

私の体も、止まらない。


足が勝手に前へ出る。

腕も、指も、私のものじゃないみたいだった。


次の車両。


匂いがした。


鉄と、脂と、焦げた何か。

鼻の奥にまとわりつくような、嫌な匂い。


吐き気が込み上げる。


でも、吐くこともできない。


ただ、進む。


前の人の背中だけを見て。


次の車両に入った瞬間。


それが見えた。


巨大な鉄の塊。

いくつも並んだ機械。


人が、押し込まれていく。


一人。

また一人。


服を脱がされ、

生まれたままの姿で。


そして、


ぐちゃ、と音がして、消える。


「つぎはミンチ、つぎはプレス」


歌が近い。


黒い。

形のわからない何か。


あれが、歌っている。


全身が警告していた。


ここにいてはいけない。


これは、夢だ。


夢だ夢だ夢だ。


目を覚ませ。


必死にそう念じる。


だが、目は閉じられない。

体も動かない。


逃げられない。


見続けるしかない。


前の人が消えた。


次は、その前の人。


そして、また一人。


列は確実に、減っていく。


気づけば、私の手が動いていた。


服に触れる。


やめろ。


やめろ。


やめろ。


そう思っているのに、

指は止まらない。


ボタンを外す。


布を剥がす。


肌が空気に触れる。


寒い。


怖い。


それでも、体は前へ進む。


あと三人。


あと二人。


あと一人。


前の人が、消えた。


足が、動く。


次は、


私。


――


そこで、目が覚めた。


息が荒かった。


汗が、首筋を伝っていた。


夢だ。


ただの夢だ。


そう思ったときだった。


ふと、違和感に気づく。


布団の中。


私は、


服を脱いでいた。

いやぁ、猿夢だよねこれ、マジで怖かったです!

それから特に夢に進展はなかったので、なかなか貴重な体験が出来たかなと思います!

よければ評価頂けると幸いです!

よろしくお願い致します!

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― 新着の感想 ―
 知ってはいけない具材でハンバーク゜か何かを作っているのかと思いきや、夢でしたか。 驚きと引力のあるお話でした。
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