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救うべき想い 4

 どうしようかと、迷いが生まれる。


 無関係な二人に裕子のことを話したところで、ただ困らせてしまうだけではないか。


 一番の親友が事故に遭って、危険な状態かもしれないんです。


 そんなことを告げられて、器用に立ち回れる人間なんてそういるわけがないのだから。


 無暗に迷惑をかけるだけなら、黙っていた方が賢明。


 そう判断を下しかけたわたしの耳に、これみよがしなくらい大袈裟なため息が聞こえてきた。


 チラリと視線を上げて水沢さんを見ると、呆れたように顔を歪め、小さく首を振る仕草をしてくる。


「良くないなぁ、そういうところ。悩みを話してみなと言ってるんだから、遠慮しないで話してみればいいんだよ。ここで何でもありませんとか言われたって、そんなあからさまに落ち込んだ顔されてたら、嘘だって嫌でもわかるしね。口に出すだけで気が楽になることもある。ひとまず、話してみたらどうだい?」


 そこまで露骨に顔に出ているのかと若干居心地が悪くなりつつ、それでもわたしは水沢さんの気遣いにまた少し心がほぐされる感覚を味わう。


「はい、どうぞ」


 そんなタイミングで、沙彩さんの作ってくれたアイスココアが、目の前に置かれた。


「ありがとうございます」


 カランと氷のぶつかる軽い音が響き、それを合図にしてわたしは今日起きた出来事を、ポツリポツリと語り始めた。


 とは言え、現時点でわたしから語れる内容なんて微々たるもので、ほとんどは個人的に感じている不安ばかりになってしまったけれど。


 それでも二人は、終始親身になってわたしの話に耳を傾てくれた。


「……お友達、そんな大変なことになっちゃったんだ。それじゃあ、平静でいられないのは当たり前よね」


 わたしが全てを語り終え、重い空気に包まれそうになる室内に、こちらを労わる沙彩さんの声が混じった。


「そんな状況なら、無理して来なくても良かったのよ? お友達の容態が落ち着くまで、仕事なんか休んじゃっても問題ないから」


「いえ。一人でいる方が、あれこれ考えてしまって苦しくなっちゃうんで。何かしら仕事をしている方が、気が紛れるんです」

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