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わたしは黄泉の光に魅せられる  作者: 雪鳴月彦
動画越しの執念
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動画越しの執念 77

「ああ……そうですね。正直すぐに仲良くって雰囲気ではありませんけど、はい。少しずつ、お互いに歩み寄れたら良いなとは思っています。あの電話の後にすぐ謝りはしたんですけど、さすがに今はまだぎくしゃくしたままなので。仕方がなかったんですけどね。あたしが自身の至らなさに気がつけなかったんですから」


 水沢さんの問いかけに、アカリさんは自虐的にも受け取れそうな笑みを薄っすらと浮かべ、静かに視線を自らの膝へと伏せる。


「お姉ちゃんだから妹よりしっかりしていて当たり前。いつだってどんなことでもお手本になってあげなきゃって、子供の頃から常に考えて風音とは接してきました。でもそれが、風音にとってはコンプレックスを生み出す原因になってしまっていた。あたしは、あんな風に人格が歪むくらいまで、実の妹を追い詰めていたんですよね。本当に……どうしようもない馬鹿な姉でした」


「そんなこと……」


 ないですよ。そう言葉をかけようとして、わたしは声を詰まらせた。


 当事者でもない立場で、無責任にかける慰めの言葉なんて、軽々しいだけだ。


「ありがとう。でも、大丈夫ですよ」


 だけど、アカリさんはそんなわたしへ優しい笑みを向けてくると、まるで安心させようとするかのように、小さく頷いてみせてきた。


「時間はかかるし、どうすることが正しいのか、すぐに答えが出せるような問題じゃないけど、絶対に乗り越えてみせます。あたし一人でじゃなくて、風音と二人で。だから、心配しないでください」


「……」


「ブイフェイとしてもっと有名なるっていう目標の他に、風音と昔みたいな関係を取り戻すっていう新しい目標だできたと思えば、頑張ろうって前を向く気力が湧いてきますし。それと、これはまだ風音には言ってないんですけど、少し落ち着いて色々準備ができたら、風音と一緒にブイフェイをやってみるのも面白いかなって考えてるんですよ。姉妹で活動するブイフェイ。これだけでも、やり方次第では人気が出そうじゃありませんか? 風音、活動は放置しちゃってますけど、雫森エリムって名前でブイフェイのアカウントは作ってたんですよ。渋々って感じで本人が話してくれて」


「え!?」

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