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わたしは黄泉の光に魅せられる  作者: 雪鳴月彦
動画越しの執念
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動画越しの執念 69

 問われる風音は、あたしに腕を掴まれたまま俯き、何も答えようとする気配がない。


「風音。あなた、本当にあたしのこと恨んでるの? 小さい頃はあんなによく遊んだのに。あたしの何が嫌いになったのよ」


 埒が明かないと、直接あたしが声をかけてみたが、それでも風音の口は真横に引き結ばれたままで、開こうとする様子は窺えない。


「水沢さん。犯人が風音なのはわかりました。この子があたしの動画に誹謗中傷をしていたのは確かなようですけど、それならあの動画に入っていた声は、何だったのでしょうか? 少なくとも、風音があたしの目を盗んで動画のデータを弄ったりするほどのスキルがないのはわかっていますし、あたし自身動画を撮影している最中に声が入り込んでいなかったことは断言できます。あれは、どういったトリックだったんですか?」


 話す気のない相手に時間をかけても仕方がないと判断し、ひとまず水沢さんへ気になっていた疑問を投げかけることに意識を切り替える。


『ああ、それはトリックではありません。あの動画に入り込んでいた声は、全て風音さんの生霊によるものです』


「生霊……? それって、生きた人間が飛ばすとか言われている、あの生霊のことですか?」


『ええ。生身の声とは違って、くぐもった声に聞こえたためにわかりにくくなっているのですが、後ほどもう一度よく聞いてみてください。風音さんの声だとわかるはずです』


「……」


 リアルでの誹謗中傷。ネットでの怪異。


 本当に両方とも、妹がきっかけとなって発生していた問題だったというわけか。


『とは言え、風音さん本人には生霊を飛ばしていた自覚は一切ないはずです。今こうして話をしてみても、風音さんに意図的に生霊をコントロールするほどの力は感じ取れません。アカリさんへ対する負の感情が強すぎた故に、無意識で飛ばしてしまっていたと考えるべきでしょうね。そして――』


 本当に自覚はないのだろう。生霊という単語に、あまり強い反応を示さない風音を見つめながら水沢さんの話を聞いていたあたしは、


『――アカリさん。風音さんがそこまで追い詰められた原因は、どうやら貴女にあるみたいですよ』

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