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わたしは黄泉の光に魅せられる  作者: 雪鳴月彦
動画越しの執念
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動画越しの執念 37

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「瓜時くん。そろそろ時間だから、今日はそこまでで良いよ」


 睨みつけるように視線を貼り付けていたスマホから顔を上げると、水沢さんと沙彩さんが微笑を浮かべながらこちらを見つめていた。


 即座にスマホへ視線を戻し時刻を確かめると、いつの間にか既に六時半を過ぎてしまっている。


 作業に集中するあまり、完全に時間感覚が無くなっていた。


 水沢さんから渡されていた、アカリさんと面識のありそうなブイフェイをリストアップするためのノートには、それなりの名前を記すことはできたけれど、作業開始の際に想定していたほどの成果をあげるには至れず、わたしはモヤっとした気分を胸中に膨らませてしまう。


「あのぅ……もう少しだけ、続けさせてもらっても良いですか? バイトのことは家族に話してあるので、少しくらいなら帰りが遅くなっても全然平気ですから」


 不甲斐ない思いとキリの良い所までは続けたいという気持ちから、わたしは懇願するように水沢さんへお願いをしてみる。


「いや、初日からそこまでさせるつもりはないよ。明日も作業は継続してもらうから、今日はもうあがってくれていい。慣れてきたら、もう少し頑張ってもらう日もでてくると思うし、スタートダッシュで全力になる必要はないさ」


「そうよ。夏場とは言え、この時間帯は女の子一人で歩いてたら変なのに遭遇することもあり得るし、なるべく人の多い道を選んで、気をつけて帰った方が良いわ」


「でも……」


 二人に優しく諭され尻込みしながらも、わたしは未練を引きずるような気分でノートと自分のスマホを見比べる。


 何の根拠もなく、わたしは二人の足を引っ張っているのではないかという不安があり、それがどうにも落ちつかない。


「あ、でしたらこれ、続きは家でやっても大丈夫ですか?」


「ん? 家で?」


「はい。どうせ夜は暇ですから。それなら少しでも時間を有効に使って作業を進めた方が――」


「いや、学生なんだから、勉強だってあるだろう?」


「いえ、ないです」


「即答か」


 こちらの声を遮って言葉を重ねてきた水沢さんへ迷いなく否定を返し、わたしは「どうでしょうか?」と自らの申し出の是非を訊ねる。


「うーん……瓜時くんがやりたいって言うのなら、止めはしないけど。ただその場合、職場の指示とは別に瓜時くんが自己判断で仕事の続きをしたことになるから、時間外手当とかは出ないぞ? ただ働きになってしまうけど、それで良いのかい?」


「平気です。そんなこと、全然気にしませんから」

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