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わたしは黄泉の光に魅せられる  作者: 雪鳴月彦
動画越しの執念
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動画越しの執念 35

 誹謗中傷はもちろん、犯罪などの証拠としては有効なものではあるだろうけど、相手が幽霊ならどうなるのか。


「幽霊がネットか。面白いけど、さすがにそれは難しいかな。今回の件に限って言えば、犯人は幽霊であって幽霊じゃない。一人の生きた人間が、リアルとネットの両方に干渉していることで起きている現象だよ」


「一人の人間が? それなら、動画に残されている声はどうやって……何かしらのトリックを仕掛けているってことですか? それともまさか、アカリさんの自作自演?」


 水沢さんの告げる内容が理解できず、わたしはただただ首を傾げて疑問を放ることしかできない。


「まさか。自作自演なら、お金を払ってまでここに助けを求めになんか来ないだろう。そうじゃなくてね、まずコメント欄で悪意をばら撒いているのは、生きた人間の仕業だ。ま、パソコンかスマホを使って、普通に書き込みをしているんだろう。そして、動画に入っている美山さんとは別人の声。これは、誹謗中傷をしている人物の生霊(いきりょう)。幽霊と言うよりは、生きている人間の精神エネルギーとでも解釈した方がしっくりくるかもしれないな」


「生霊? それってつまり、何者かが自分の魂を飛ばしてしまうくらい、深い恨みを美山さんへ抱いてるってことよね? そうじゃなきゃ、余程の霊力を持った、それこそ呪術師とかでもない限り生霊なんて飛ばせないって前に聞いたことがあるけど」


 そう言ったのは、沙彩さんだった。


「そう。ただの一般人が意図的に生霊を飛ばすのは、至難の業だ。だが、この動画を観る限りじゃ、プロの霊媒師や呪術師が関わっているほど、強い力は感じない。となると、生霊の正体はかなり強く美山さんを恨む素人――ってことになるわけだが。恐らくは美山さんをよく知る人物、クラスメイトや友人、ブイフェイ仲間当たりに犯人が紛れ込んでいると踏むべきだろう」


「身近な人が、犯人? 何を根拠にそこまで絞れるんですか?」


 依頼に関係がありそうな箇所は、昨夜それなりにチェックした。


 だけど、犯人の正体を暴けるようなヒントなんて、わたしは見つけることはできなかった。


「今観た動画だよ。そこに入っていた声が、証拠かな」


「この動画に?」

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