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わたしは黄泉の光に魅せられる  作者: 雪鳴月彦
動画越しの執念
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動画越しの執念 12

 水沢さんの言葉に強く頷き話を始めたアカリさんだったが、喋っている途中から自信を喪失するように少しずつ声量が小さくなってしまう。


「つまらない妄想だって言われてしまえば、それだけの話ではあるんでしょうけど……」


「いや、そんなことは思っていませんよ。むしろ、美山さんが仰ったような事例は過去にいくつもありますから。こちらとしては、現時点でお話を否定することもできません」


「え? 前例があるんですか?」


 驚いたように、アカリさんは伏せていた顔を上げて水沢さんを見つめる。


「ええ。人を呪う、祟るといった霊は悪い霊と書いて悪霊と言われています。文字通りの意味で、我々人間に悪影響を及ぼす存在です。美山さんがそういったモノに目をつけられてしまっているのなら、日常的に不幸が多発しても何らおかしくはない」


 淡々と語る水沢さんは、チラリとこちらへ視線を送り、何かを合図するように小さく頷いた。


 それを見ていた沙彩さんが立ち上がり、水沢さんのデスクへと歩いていくと、引き出しを開けて用紙を数枚取り出し水沢さんの元へと持っていく。


「ありがとう」


 用紙を受け取った水沢さんは、短く礼を告げアカリさんに見やすいようにテーブルの上に並べて置いた。


「何となくの事情はわかりました。美山さんの依頼内容をまとめると、今現在発生している様々な問題。それらが怪異によってもたらされているかどうかを調査し、もし怪異に該当するようであれば解決を希望する。ということでよろしいでしょうか?」


「はい。お願いできますか?」


「もちろんです。でしたら、こちらに用意したのが依頼を受けるにあたっての契約事項と合意書になりますので、まずはご確認をしていただいた上で問題がなければサインをお願いします」


「はい」


 テーブルに置かれた紙をそっと手に取り、アカリさんは真剣な表情でそこに書かれている内容へ目を通していく。


 仕事の契約と水沢さんは説明したけれど、どんなことが記されているのか、今後自分が関わらせてもらう職場の知識として、是非ともわたしにも読ませてほしいなと、つい好奇心を膨らませそうになってしまう。


 後で沙彩さんに頼めば、わたしにも見せてもらえるかなと期待しつつ、ひとまず今は水沢さんの邪魔をしないよう大人しく椅子に身を預けたまま『待て』を言い渡された忠犬のように、大人しく成り行きを見守ることに集中した。

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