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わたしは黄泉の光に魅せられる  作者: 雪鳴月彦
動画越しの執念
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動画越しの執念 9

「言われなくても、お客を相手に不敬はしない。と言うか、きみらは少し静かにしていてくれるか? 話が進まない」


「あ、ごめんなさい」


 わたしと沙彩さんが好き勝手に喋るのを諫める水沢さんへ素直に謝り、わたしはそそくさと身を引っ込めるように身体を縮ませる。


「ええと、それで美山さんは、どういった依頼で?」


 仕切り直すように、水沢さんがやり取りを再開する。


「はい。今お話をしたように、あたしは普段からブイフェイとしてネット上で活動をしているんですが、半年ほど前から身の周りで色々とおかしなことが起こり始めていまして」


「おかしなこと。具体的には、どのような?」


「最初は、室内で家鳴りが聞こえる程度のものでした。と言っても、今まで家鳴り自体ほとんどしたことがなかったので、何だかおかしいなと気にかけてはいたんですけど……」


 そこまで話をして、アカリさんは神妙な面持ちで顔を伏せる。


「その家鳴りがし始めた頃を境にして、良くないことが頻発するようになったんです」


「ふむ。良くないこと、ですか。それは、霊的な現象を含んだ意味で、ということですね?」


「はい。正確に言えば、現実的なこととそうでないことが両方起きているといった感じです」


 水沢さんの問いかけに判然としない返答をして、アカリさんはそこで一度わたしの運んだコーヒーに口をつけた。


 家鳴りという単語は、わたしも知っている。


 オカルト用語でラップ音と言われたりもしている現象と酷似していて、温度や湿度によって家の柱などが伸縮したりする際に発せられる音であり、テレビを観ているときや寝ているときに、前触れもなく天井や壁を叩くような音が鳴る現象だ。


 わたしも体験したことがあるけれど、子供の頃はお化けが出たのではと勘違いし、恐くなって親の側へ逃げてくっ付いていた記憶がある。


「現実的なことでは、ネット活動における嫌がらせ。俗に言う誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)というやつですね。それが、家鳴りがし始めて一週間後くらいから、毎日のようにされるようになってしまいまして」


「誹謗中傷……確かに、穏やかではないですね。場合によっては、それが原因で命を絶つ人がいるというのは、私も認識しています。現実的ではない部分での良くないこととは、何があるのですか?」


 アカリさんの話に同調するよう頷きつつ、水沢さんが話の先を促す。


「はい。霊的な現象では、声がすることです」


「声?」

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