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第110話 肩幅が広い方が発言に説得力が増す

本日のテーマソングは

肩幅グッデイ・モニカ

以上の二本でお届けしま~す♪

 日本海を臨む米子・松江から共に内陸に5里(約20km)の距離にある旧・尼子家の本拠地にして難攻不落の要塞、月山富田城。


 山の上に作られたその城の巨大さを目の前にして、俺達は感嘆の声をあげていた。


「で、デカいわね」

「コレ、春日山城と同じか、それ以上かもしれん」


 俺の知る限りの山城では能登の七尾城も山の上に立った見事な城だったが、それでもこの城を目の前にしたら霞んでしまうレベルだ。


 なんというか馬鹿デカい山全体が幾つもの支城や寺院で覆いつくされ、山そのものがまるで巨大な1つの城のようになっている。


 そういう意味では越後長尾の本拠地・春日山城も似たような感じだが、こちらは山が横に広がっているのでその分、デカく感じてしまう。


「はっはっはっ! このような立派な山城、田舎なんぞには無いであろう! 驚いたか旅の者よ。

 ところでそなたらはこの城に何の用じゃ?」


「あっワタクシこういう者でして、東国を代表して毛利家に友好のご挨拶を……」

「こっ、これは大変失礼仕りました! 只今、案内役を呼んでまいりますゆえ、しばしお待ちくだされ!! 」


 城の門番まで態度が横柄(ワイドストロング)な所が小気味良い。その分、こちらの素性を明かしたら急に態度が軟化する辺りも含めて。



「よくぞ参られた! 我こそが毛利元就(もうりもとなり)が次男にして【毛利両川】吉川家当主・吉川元春(きっかわもとはる)である!」


 城の者に案内されてやたらと広い城の天守閣で俺達を待ち受けていたのは、肩幅が異様に広くて大柄で威圧感のある、40半ば過ぎくらいの大男だった。


 俺が他国の大名と聞いて威信を示す為だろうか、戦では相当に目立つであろう真っ赤で色々な装飾が施された甲冑に身を包み、その上に陣羽織を着ての登場だがその陣羽織、どう見ても分厚い肩パッド的なナニかが入ってるよね?ただでさえゴツくて肩幅広いのにそんなのを着られたのでは、俺の肩幅3人分だ。


「して、東国の大名がこのワシにどのような用向きか!?」


 本人としては普通に尋ねているつもりなのかもしれないが、あまりの威圧感に一瞬ビクッとする。肩幅が広い人の方が発言に説得力が増す、って何かで聴いたような覚えがあったけどもうコレ、説得力を超えて詰問されてるような威圧感だ。


 北条氏康かよ!? ってアイツも肩幅広かったな、たしかに。


 

「此度は『来るべき脅威』に向けて、西国一の大名家、毛利殿と手を携えたいと参った次第です」


 若干怯みながらもそう告げ、義輝(よしてる)将軍から預かった書状を意思表明代わりに差し出す。毛利家の当主・毛利輝元に宛てた書状なので中身を見せることは出来ないが、これを示す事で外交的な意図は信用してもらえるだろう。


「そなたらの言う『来るべき脅威』とは織田の事であろう?我らも彼奴の動向は気になっておったのだ」


 今のところ毛利家は足利義昭(よしあき)を支持する立場で織田とも同盟を組んでいたので言葉を選んだつもりだったが、理解が早い。


「実は義昭将軍様が近々、織田と手を切りたいと申しておってな。そうなった場合には将軍を助けるため、毛利に西を平らげて京の都まで来てもらいたいと内密に話しておるのだ」


 信長と義昭が仲間割れを起こしつつあるというのはこちらへ来る前から聞いていたし、その動向に注視するために京の都付近に軍を集結させているとも聞いていた。だがまさか、そこまでとは。もはや袂を分かって完全な敵対関係になるのも時間の問題、というところなんだろうな。


「我らとしては備前(びぜん)美作(みまさか)因幡(いんば)などの毛利に敵対する小大名どもを平らげる良い理由になるが、そうなっていけばやがて織田信長と対峙するは必至! ならば勢力を広げた信長を西と東から同時に攻めるは最善策よ!」


 このおっさん話が早くて助かるわ。伊達に肩幅が広いワケじゃないな。人からの支持も肩幅と一緒で3倍、ってもあながち間違いじゃない気がする。


 でも……こんな人が何故、米子の現状や尼子の残党が横行しているのを放置しているんだろうか?


「義輝様の幕府側もそういうお考えならば話は早い。あとはこの書状を輝元に届ければ万事解決じゃ」

「いえ、そうなんですが……あの、ちょっと宜しいですか?」


 ここで大人しく引き下がっていればトラブルは無いのだろうけど、やはり気になったので尋ねてみる事にする。


「米子からここへ来る最中、尼子の旧臣を名乗る者達と戦闘になりまして。思い起こせば米子でも豊かに暮らしている者は見かけず、皆暗い顔で黙々と働いておりましたし、港からの積み荷は全て安芸に運ばれると聞きました。

 

 他家の者が口を出すことでは無いのでしょうが、このような統治を続けていては、いつまで経っても尼子の再興を望んで事を起こす者が絶えないのでは……」


「それは貴様のような他家の者が言う事ではない!!」


 言いづらいなあと思ってはいたが、やはり口出しすんなと怒られてしまった。しかし……

 


「他家じゃねぇなら良いんだな! おいテメェこの肩幅野郎、この出雲から搾取し続けて居座り続けんのはいい加減にしろ!! ここは俺達の国だ! 出ていけ!!」


 今まで後ろの方に大人しく控えていたサメが怒鳴りだす。確かに君はウチの家臣ではないけどさぁ、発言権もないよね。


「俺の名前は浜中 鮫之介(はまなか さめのすけ)! 尼子の麒麟児、山中鹿之介の生まれ変わりにしてこの、はま寿四郎の随一の家臣だ! 主君に代わって言うべき事を言ってやったまでだ!」


 うぉい!? 現代に置き換えるなら勝手に部下を名乗って自分の勝手な意見を上司が言った事にして取引先に伝えちゃうとか、どんだけDQNな新入社員だよ!? ちょっとそれは流石にこっちまでヤバすぎるだろうが。



「貴様ぁ、よりにもよって尼子の残党など雇っていたのか!?」

「いや、元より尼子に味方して我らを害するためにこの地へ来たに違いない!」

「急ぎ大殿をお守りせよ! この者達を即刻捕らえねば!!」


 周りに控えていた毛利家の重臣たちが口々に叫んで槍や刀を構え、俺達を取り囲む。これは流石にピンチと言わざるを得ない状況だ。一応東国を代表して訪問している、って肩書きはあるんだけど、それも役には立たないか。



「よかろう、そこまで言うのなら力を示すが良い!! 」



 そこに怒気を含んだ吉川元春の声が大広間に響き渡り、その声に斬り結ぶ直前だった毛利の家臣とカンパチ、サメは動きを止めた。

 

 

次回、このままどうなってしまうのか!?

次の更新は週の中ほどになるかもです><

忙しくて書くのが全然間に合ってないよぅ

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