第一章 罪人編 第二話 プロローグ2
罰金刑 50万円。
何の罪を犯したかって?
窃盗だよ。
「万引きは軽い犯罪だ」と思ってる人はいるかい?
確かに万引きはほとんどの場合、計画性がなく、衝動的に行うことも容易な犯罪で、被疑者の罪悪感も少ない事が多い為、発生件数もかなり多いのが実態だ。
しかし、例え100円以下の商品でも、店員の目を盗んで窃盗行為をしたらそれは立派な犯罪となる。
いくら被害が少額でも犯罪に変わりない。
そのうち窃盗事件で逮捕・起訴されて被告人となり、『実刑判決』
が下される可能性があるだろう。
余談だが、窃盗罪の場合の刑事時効の期間は7年間だ。初犯でも再犯でも時効は同じとなる。
刑法235条 窃盗罪
『他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。』
僕は、罰金刑50万円を言い渡された。
まあ罰金額で想像してくれ。
カードゲームの万引きから始まったんだ。
ほんの出来心だった。
欲しいカードがあった、でもお金がなかった、小学生で働けないしお小遣いもない。
そもそも、貰ったことが無い。
お年玉も誕生日プレゼントだって無い。
というか家が貧乏だった。
その上、僕は発達障害で主にコミュニケーションが苦手。
話が得意では無いからか、相手にされない。友達もいない。いや、イジメてくる友達はいた。
「貧乏だ」と。「親が底辺だ」と。「近寄るな」と。
だから、周りの子が持ってる物を持ってれば仲間になれるんじゃないかと。
そう思って、手を伸ばした。
店を出て笑顔で走った。
「やった!手に入れた!」
その後すぐに背中に衝撃が走った。
地面に顔を打ちつけ、気づいたら狭い部屋のイスに座ってた。
警察官が来て、「君が盗ったんだろ?」。
そう言われた。
「何で盗ったの?」
と聞かれたから、正直に答えた。
「欲しかったから」
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