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氷の令嬢(お嬢様)のスカートがトイレ後、めくれていた→貧乏陰キャの俺が直してあげたら俺にだけデレデレになりました。







氷の令嬢(お嬢様)のスカートがトイレ後、めくれていた→貧乏陰キャの俺が直してあげたら俺にだけデレデレになりました。



俺とはクラスが違うが、同じ高二の

氷室さんは財閥令嬢。でも、

彼女は女子から嫌われていた。


彼女は銀髪美少女のため嫉妬がひどかった。

その容姿ゆえ。

男子からモテてはいたが、振り方が、


噂に拠れば、

滅茶苦茶トゲのある言い方で。

俺は告白したことがないから、にわかには信じられないんだが、

「うざっ」

の一言で済まされてしまうらしい。



ちなみに。俺の親友のシンヤは。

噂通り、

「うざっ」で一蹴されたと嘆いていた。


そんな、氷室さんだが。

女子とは連まない。

基本ひとり。


そんな彼女にはニックネームがあって。


誰に対しても素っ気なくて冷たいから、「氷の令嬢」なるあだ名で呼ばれていたんだ。

俺は氷室さんと会話をしたこともなければ、

目を合わせたこともなかったのだが。


ある日。


平行線だった関係性が大きく動く出来事に見舞われた。


氷室さんが、

女子トイレから出てきて、廊下を暫く歩いて

いる姿を俺は彼女の後ろを歩いてて

目撃してしまったんだ。


ギョッとしてると。


廊下でだべっていた

女子生徒何人かが、


ヒソヒソと騒めき出し。


その理由は一つしかなかった。


氷室さんのスカートがめくれており。


水色のショーツがモロに見えていたんだ。


氷室さんてば、

女子からたいそう嫌われていたから。


誰も指摘しない。


スカートがめくれてとんでもないことになってることを...!!




時刻はちょうどお昼休み。

彼女は気が付かず、教室に向かって歩いている。今は廊下にいる女子だけが彼女の事態に気が付いているけど、そのうち、何人かの男子が廊下に飛び出てきたなら、男子が気付いて騒ぎ出すだろう。


そ、その前に、だ、だれか、教えてあげるべきだろ...!?


俺はそんな事を考えつつ、彼女の元へと走った。


声をかけるより先に。


スカートの布だけを意識して

右手でつまんで引っ張り、俺はなんとか、

彼女のショーツを隠すことに成功したんだ。


何事もなかったかのように。

彼女を追い越そうとしたら、

「待ってよ...!今、なんかした!?」


と声をかけられた。




「な、

何もしてないからね!」


そんなセリフを吐いて。

俺は逃げるようにその場を立ち去ろうとしたのだが。



俺はドカン...!と何かにぶつかり、

思わず尻もちをつくことになった。


「うわ...」


俺が廊下の床に倒れてすぐ。


キンキン声が聞こえてきた。

ちょうど、視界には6本の膝から下の脚があった。


「全く...!余計なことをしてくれたよね!?」


「ほんっと!折角、面白い見せ物だったのに...!あの女のショーツ、丸見えで、

マジウケたのに...!!」


「スカートの裾がさ、ショーツに挟まって

大変なことになってたのに、

どうして、直してあげたのよ!」


見上げると。


不良女子トリオが俺を見下げていた。

そのうち。

1番のリーダー格の金髪女が、

「男子が見て騒ぐ前に、あいつが恥かく前に!

スカートをきちんとしてやるなんてさ!

余計なことを...!?」


「この、ど、陰キャが...!!」

俺に対しての罵声が飛んできたときだ。


「おい、何やってる...?」

「もう授業始まるぞ...」



幸いにも授業道具を持った学年主任の怖い先生が、不良ギャルトリオの背後から現れて、


「どうしたんだ?尻もちをついているが、

大丈夫か?山吹」


と俺の名前を呼びながら右手を差し出してくれた。


俺は先生の手に捕まることなく、

慌てて、両手を使って、

立ち上がってみせた。


「あ、なんでもないです...!」


「そうか...」


俺がそう強がり、対して三人組の不良女子は。


「授業行かなきゃ...!」


「そうそう!次は音楽の授業だったよね?」


その場から逃げるように立ち去り、学年主任の先生は三組の教室へと消えて行った。


やれやれと思いながら。


俺はふと、

背後を振り返った。


誰かの視線を感じたからだ。


ばちっと。


氷室さんと目が合った。




いつも、顔色ひとつ変えないのに。


頬がピンク色に染まってた。



二年二組の氷室さんと俺はクラスが違う。


たまたまスカートめくれ事件があったから

ただちょっと会話しただけ。



俺は、今の不良女子トリオとの会話、聞かれてたかもなと思ったが、目を逸らし自分の四組の教室へと消えたのだった。


やがて放課後になり、事件が起きた。

帰宅部陰キャの俺はとっとと家に帰ろうとしてた。足早に校門を出ようとしたんだ。


だが。


美少女に通せんぼされた。


「ねぇ、一緒に帰らない?」


急に校門の陰から出てきたもんだから。


ドン!と、俺は彼女の胸に飛び込むことになり

慌てた。


俺は氷室さんの胸にダイブしていた。



恥ずかしさのあまり、

パッと顔を後ろにやろうとした。


しかし。


氷室さんは俺の首元に手を回し、


「暫くこのままで...」


などと言ってのけたから

このあと大変なことになった。



俺みたいな陰キャが。校門のところで、美少女といるとこ。



陽キャな奴らからしたら、目ん玉が飛び出る様な出来事だ。



「おい...」


ドスの効いた声。




この声の持ち主は、



同じクラスのサッカー部エースのイケメン。


学年一のモテ男であり、不良でもある

藤島君だ。


氷の令嬢に熱を上げていたが。

他の女子ばかりに告白されるも、

氷室さんに告白しても、全く振り向いて貰えないもんだから、声に


滅茶苦茶イライラ感が混じってる。


「今すぐ離れろ...!」




俺は何もいえなかった。



俺の口元は、氷室さんの胸の谷間の奥深く?

そのあたりに今あったから。


「はぁ..?」


「離れろ、ですって?なんで

あんたの言うこと、聞かなきゃいけないわけ?」


「....っ!」


藤島くんは舌打ち後、こう捲し立ててた。


「俺としてくれないか...?そういうことはさ!

俺、お前とカレカノになりたいっていうか...!」


「はぁ?」


「もう10回くらい、藤島くんの振ったじゃん...!いい加減、諦めて。イケメンの藤島くんならさ、近寄ってくる女の子沢山いるよね...」


「イケメンだって思ってくれてるんならさ、

そんな陰キャとそんなことしなくたって

いいじゃねえかよ...!!」


「陰キャ?私は山吹くんのこと陰キャだなんて

思ってないわよ...」


「どっからどう見ても陰キャじゃねぇか...!」


「山吹くんのこと、貴方より、カッコいいと思ってるわけだから、

少なくとも、陰キャではないわ...」


「はぁ!?お前、なんで...」


「あのねー、藤島くんに、お前なんて呼ばれる筋合いないわ。山吹くんにならそう呼ばれてもいいけどね...」


俺は氷室さんの胸のなかで。


ドキドキしていた。





「山吹が何をしたっていうだよ...!?こんな運動もできない帰宅部で!成績も最悪で毎回、補習組なのに!その、ど陰キャに氷室さんのこと惚れさせる要因があるわけねぇんだ...!!」


「スカートの裾がめくれてるの、直してくれたわ...」


「え」


「私が恥をかかないように。

私の下着が男子に見えないように、そっと

直してくれたわ...」


「ええ」


「待て待て待て!

山吹の奴は!氷室さんのスカートの中を見たってことか...!!」


うん、そうだ。

それで、


さり気なく直したまで。


「山吹くんにはね。

私のレース使いの派手な水色下着をモロに見てしまったわけだから。責任を取って、

彼氏になってもらおうと思ってる...」


「な、なんだと...!?」


「おいおいおい!いつになく、氷室さん、

顔が赤いけど、大丈夫かよ...!」


「触んないで...!」


パシン... !!!


「いってぇ...!」


どうやら。


藤島のやつ。


氷室さんのおでこかどっかに触れようとしたらしかった。


俺の首元から。


左手が外れて。


俺は自由になった。





それと同時に。

クラクションが鳴った。


黒塗りの高級車、ロールスロイスがキッ!

と停まった。


運転席から。


白髪頭のおじいちゃん運転手が出て来て。


「お迎えに上がりました」


と綺麗にお辞儀をしてみせた。


「あ、あのね...!紹介するわ...!

私、彼氏ができたの...!」


俺、もうなんか。


彼氏にされてる件。


「なんと...!それはおめでとうございます!

漸く、心許せる男子が見つかったのでございますね...!」


「そうなのー!」


キャッキャとはしゃぎ。


俺は間近で、氷室さんの笑顔を見た。


初めてだった。


てか、多分な。


いままで

誰も見たことなかったと思うんだ。


チラリと藤島を見ると。


やはり、というか。


「わ、笑ってやがる...!!」


と、口をぽかんと開けて。

石のように固まっていた。

藤島がそうなったように。

俺も。


氷室さんの笑顔に完全にノックアウトされた。



彼女の笑った顔、もっと近くで見ていたいと

思った。


右手首を握られ、


「行こ...!!

家まで送ってあげる...!てか、その前に。

パパに挨拶しなきゃね...!」


俺は最初に書き忘れたが。

母子家庭の

貧乏陰キャ。


対して、

藤島くんは。


どっかの大企業の社長息子だから。


経済的には氷室さんと釣り合うのは藤島くんなのだが。


なんか、俺、選ばれちまったっぽくて。


「あ、あいさつ??氷室さんのお父さんに挨拶しなきゃなの??え、えええー」


「大丈夫!絶対認めさすわ...!」


俺は半ば強引に高級車に押し込まれた。


藤島くんは、地団駄を踏んで悔しがってた。


「俺が乗る予定だったのに...!

俺、ベンツしか乗ったことないのに...!!」


バタン。


と後部座席の車のドアがお抱え運転手によって閉められて。


このあと。

俺は大豪邸に赴くことになるのだが。


車中はずっと、氷室さんと恋人繋ぎしてた。



結果から書くと。


こんな事件があって、5年後。


俺は逆玉の輿に乗ることになるのだが。


その間、滅茶苦茶大変だった。


氷室さんの父親の跡を継ぐべく。

経営者になるための素養をオックスフォード大学で学び、

その費用とか全部出して貰ったんだけど。


大好きなゲームをろくにやれず、

勉強三昧だった。


結果的に、無事に大学を首席で卒業できたんだけど、毎日が苦しかった。


でもな。喉元過ぎればなんとやら、で。

今は滅茶苦茶幸せだ。


母親は俺の結婚を、もう、手をたたいて喜んでくれたし。


それでな。


昔の、氷室さんを端的に表した言葉。


氷の令嬢なんて言葉がなんの意味も持ってないんじゃないかってほど。


かつての通り名が嘘みたいに。


嫁は俺に滅茶苦茶デレデレしてる。


特に夜!ベッドの上で、なんだが。


詳しく描くとヤバイんで、皆さんの想像にお任せすることにする!












読んでくれてありがとうでした。

評価してもらえると嬉しいっす。

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