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晴天傘  作者: 野藤想
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考え事の中で

2006年7月18日 15時16分

授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く

隣の席の美織が呟く

「はぁ、疲れた〜。

 でもこの後塾だ…もう受験やだなぁ。

 1、2年の時もっと頑張ればよかっだよ」

美織がなにか言ってるが俺の耳に入る事はなかった

どうすれば美織を救う事ができるのかを考える事で頭がいっぱいいっぱいだった。

美織は電車の交通事故で死ぬ、それは塾の帰りの電車での出来事…つまり塾に行かせず、電車に乗らす事がなければきっと助けれるはず、でも塾はどうや…

ドンッッ

「ふっじー…俺、終わった…」

その言葉と共に俺の肩に手をかけてきた後ろの席の奴…和彦だ

こいつは人の事をあだ名に呼ぶのが好きな奴だ

「明後日から夏休みになるってのに志望校の判定Eだぞ…。3日に1回は図書館に篭ってるってのに…おかしいだろ!!みーおはいいよなぁ、全国模試6位で、志望校の判定はAでほぼ確定で入れるんだろ…。3年に入ってから頑張りすぎだろ…この裏切り者!!!!」

「へへぇん。まぁやればできちゃった。才能があったって事かなw」

和彦と美織は勉強せずに3年を迎えたのだが、美織は猛勉強をして成績トップに入った

しかし和彦は勉強に力を入れる事はなく、図書館に篭ってると言っても机のある席について参考書等を置いたらそれに満足するのか、変に難しいを読んでいるだけだ…和彦からすれば難しい本を読む=頭が良くなるとでも思ってるだろう

「ふっじーは国立大学側から直々に欲しいって言われたんだろ?あーもう俺どうしたらいいんだ〜」

思い悩んでる和彦慰めるかのようにこの学校随一のギャルである麻美が声をかけてきた

「和彦もさ、勉強なんて考えないでカラオケ行って、プリクラ撮って、美味しいもん食べようよ〜。」

その言葉を聞いた俺達には沈黙が流れ

…………………

俺たちは解散した


俺と美織は家が隣同士なのもあって一緒に帰ることになっている

どこまでも続いていそうな土手を2人で歩いていた

すごく懐かしい気分だ…

「塾の課題が厳しいんだよね〜。どうにかなるかなーって思ってたけど私やっぱ微分積分無理w」

「あーそうなんだ」

「藤川はどうやって理解してる?」

「んー教科書みてるだけ」

「本当に〜?」

「本当だよ」

「ふーん。なんか今日の藤川変だね。何か考え事でもしてるの?」

「んー…」

俺はどうするべきかわからなかったがこの時間に戻った意味を見出す為にも思い切って言った

「来週の7月25日!俺と花火しよう!高校最後の夏休みの思い出作りとして!!」

暫く沈黙が流れ、それは永遠のようでもあり、一瞬でもあったと思う…美織は口を開いた

「私は…」

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