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お願いだからここから出して!

執筆は遅くなると思います。

 悪いことをすれば罰が当たる。いつだってお天道様が悪人を見ている。一番初めにそんなことを言った人間ってのはどんな奴だったんだろう。きっとそいつはよっぽとのバカか、底抜けのお人好しだったに違いない。この世の中は不条理だらけだ。理不尽な目にあってる人間を助けてくれる奴なんてそうそう存在しないように、都合よく悪人を成敗する人間もいないのだ。

 俺は両手両足を壁に取付けられた拘束具によって磔にされながら、ふとそんなことを考えた。

 俺がこの衛生環境最悪な牢屋に放り込まれて一週間は経ったか。呼吸をするたび腐肉と汚物の臭いが鼻を刺激していたのも最初だけ、慣れたせいで鼻がバカになったのか今は何も感じなくなっている。

 ここに閉じ込められてから食事どころか水すらまともに飲んでいないため「グウルルリュル」と俺の腹から盛大に音が鳴る。

「はらへった。めしをくれ。ここからだしてくれ。」

 自分ではそう言っているつもりだが、カピカピに干からびた口からはかすれた音が「カシュカシュ」と漏れるだけだ。

 空腹を紛わすために無心であろうとするがうまくいかない。頭を使うだけでも腹は減る。なるべく考えないようにしようとすればするほど、余計な思考が俺の頭をよぎる。ちくしょう。眠ってしまえば楽なのに、腹が空き過ぎて眠ることすらままならない。

 さすがに持ってあと一日だろうか。もう限界だ。水をくれ。肉をくれ。ふかふかのベッドで横にさせてくれ。

 今ならまだ、俺はお前達を許してやる。だから、頼むから俺をここから出せ!

 話せばわかると思っていたが、相手がいなければ話すことだってできやしない。俺を牢にぶちこんだ奴らはそれっきり姿を現すことはなかった。そもそもなんで俺がこんな目にあっているのか、少し振り返ってみてもいいかもしれない。

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