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異世界転生したが夢だと勘違いして無双

 木の匂いがする――気がつくと俺は冒険者ギルドのような場所にいた。

 壁にクエストの依頼の紙がびっしりと貼ってあるあれだ。

 ファンタジーな夢を見ているなぁというのが率直な感想だ。

 そして夢が夢だと自覚できてるから、これは明晰夢なんだろうと思う。


「見ない顔ですね。君、ここは初めて?」

 俺の隣にいた、銀髪に赤い目のバニースーツの美少女がそう言った。

「ああ、あんたは?」

「見ての通り冒険者ギルドの受付嬢です」

 バニースーツが受付嬢らしいファッションかはともかく、まあ確かに冒険者って服装じゃないな。

「なるほどな」

「君、初めてだし、私と一緒にパーティを組みませんか? チュートリアルってやつです」

 夢特有の謎展開だな。俺はおとなしく従うことにした。

「よろしく」

「私は受付嬢」

 いや、名前とか無いんかい! とは思うがその辺は夢だししゃーない。

「俺は明晰夢使い? (ひいらぎ)

「明晰夢? よくわかりませんがよろしくお願いしますね! 柊さん!」

「おう、ところで受付嬢、どのクエストが初心者向けなんだ?」

「採取クエストとか迷子捜しですね」

「なるほど確かに定番だが地味だな」

「まあ初心者向けはそういうものですよ。討伐クエストは難易度が高くて、最悪死んだりします」

「じゃあ討伐クエストに行くか」

「柊さん私の話聞いてました? 最悪死にますよ?」

 現実ならまあそうなんだろうが、俺にはこれが夢だという自覚がある。

「俺は無敵だそんなことは起こらない」

「柊さんって案外――危険な方ですね。だけど私そういうの嫌いじゃないです――」

 これがゲームなら非攻略対象であろう、受付嬢が完全にメスの顔をしてもじもじしている。

 さすが夢の世界。人生がイージーモードだ実にちょろいな。

 ん? 俺のポケットに何か入ってるな。

 俺がポケットから取り出してみるとそれは美少女図鑑と書かれたスマホのようなものだった。

 美少女図鑑の一番目に受付嬢が記録されている。

「受付嬢これお前だよな?」

「これが何かはわかりませんが私ですね」

 受付嬢がそう言い終わったタイミングで、冒険者ギルドが爆発して吹き飛んだ。

 夢の主の俺と、受付嬢だけが無事で他は跡形もなく吹き飛んでいる。

 やがて俺たちの目の前に二人のモブ冒険者の姿が見えてきた。


「やったか?」

「いや、最悪だ……柊がすでに美少女図鑑を使ってるぞ!」

「クッソ! 撤退する!」

 どうも目の前のモブ冒険者二人が、冒険者ギルドごと俺たちを吹き飛ばそうとしてくれたらしい。

「これは俺の夢だ逃がさねぇよ。凍れ!」

 俺は念じただけで、二人のモブ冒険者の足元から上半身にかけて凍らせていく。

「これが明晰夢使いの力ですか――柊さん」

「ふはは、拷問しても無駄だぜ! 俺たちは別の冒険者ギルドのクエストを受けて柊を始末しに来ただけだからな!」

「本当だ! 頼む! 殺さないでくれ! 金なら渡すッ!!」

「かはッ!」

 一人が血を吐いて死んだ。

「そんな……口封じかッ!? 死にたくな……」

 もう一人も血を吐いて後を追う。

 まあ夢の主である俺と敵対するものの末路なんてこんなもんだわな。

 美少女図鑑を見てみると受付嬢以外の美少女の表示は彩度が低い。

 まだ図鑑が埋まってないからか?

「受付嬢、美少女図鑑にのってる他の美少女を知ってるか?」

「ほかの冒険者ギルドの有名人ですね」

「なるほど、とりあえずほかの冒険者ギルドへ行くか、何かわかるかもしれない」

「そうですね」

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