食べるものを選り好みしなければ肉も結構手に入るものだ
ちなみに日本ではゲテモノ料理扱いの蛇ですが、中国南部や東南アジアでは比較的普通に食べられているようです。
さて、今日もウリボウたちと一緒に山に入って木の実や果実や芋や茸を探している。
そしてヤブに近づいていた、ウリボウが悲鳴を上げて俺に方へ逃げてきた。
「きゅー」
「ん、何かそっちのヤブにいるのか?」
そちらをよく見るとそれなりに大きさの水律蛇がいた。
まあ、体長はせいぜい50センチぐらいだろうから、俺にとってはそこまでやばいというわけでもないが、ウリボウには十分脅威だろう。
「ふっ!」
俺はチロチロと下を出して威嚇音を上げている蛇の頭目掛けて飛刀を投げつけて蛇を殺した。
本来は生きたまま確保したほうが良いのだが、現状では難しいので頭を落として血抜きをし、内蔵を取り、蛇肝以外は捨てることで魚と同じように〆た。
「こいつはなかなか食いでがありそうだ」
しかしウリボウたちは足元に集まって俺を見上げて何かを訴えかけるように鳴いてくる。
「きゅー」
「ああ、すまんな。
お前たちにはあまり意味がなかったか」
猪も腹が減れば動物の死骸を食べることもあるが、基本的には芋や豆などが主なものだから好んで食べたりはしない。
その後はウリボウたちが嗅ぎ当てた場所の芋やキノコ、木になっている棗や桃などの果実、胡桃や栗や椎の実などを拾いつつ薪も拾って小屋に帰る。
虫食いのキノコや水に浮かぶ古い木の実などをウリボウたちに食わせて、俺は〆た蛇をバラすことにする。
と言っても頭をとって内臓も捨ててあるので、あとは皮をはいで骨を取り、残った肉を適当な大きさにぶつ切りにするぐらいだ。
そして肉の1つと蛇肝を串に刺し、火をおこして炙って食べる。
蛇は爬虫類でそこから進化して恐竜になり、さらに進化した鶏の肉と味はあまり変わらない。
強いて言えば蛇は全身が筋肉のようなものだから、どこを食べても肉の弾力がすさまじく、蛇のほうが鳥の胸肉よりさらにパサパサしているとも言えるが、まずくはないし問題はない。
カエルやトカゲ、イモリやヤモリなどもだいたい同じような感じだがな。
肉の残りは軒先に吊るして干し肉にしておく。
蛇の骨や適当な野草などと一緒に煮込んで鍋にして食えば、干して固くなった肉でも美味く食えるだろう。