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捨てたどんぐりにうウリボウが餌付けされたらしい

 さて、ドングリをひろって食べた翌日も天気は良いようで何よりだ。


 そして背負い篭を背負って家を出たところ、昨日水につけて浮いていたことで古いか虫食いと判断して捨てたドングリを4匹のウリボウ達が食べていた。


 猪の子は春に生まれるが、秋になると乳離れして山から下りてきて人目につきやすくなるため秋によく見かけるようになる。


 今はちょこまか歩いていてかわいいが、半年もすれば数十キロの立派な猪に成長し、その突進は命にかかわるようになる。


 まあ、ウリ坊なんか不味くて食えんというものもいるし、ウリ坊の肉が柔らかくて一番うまいという奴もいて、肉質はとても柔らかいがそれまで何を食っているかで味も変わるらしい。


 昆虫とかを食っているウリボウはまずいし、キノコやドングリを食っていればうまいはずだ。


 イノシシの母性本能は結構いい加減で、狼や猟犬に追われるとかで自身に危険を感じるとウリ坊を置き去りにして逃げてしまい、ウリ坊は親に必死に着いて行動するがおいていかれることもよくあるらしい。


 ウリ坊はしばらく飼うと良くなつき、どこへでも着いてくるようになったりするらしいので、人間の残飯を食べに来たものが、人間になついてしまい家畜化されたものがやがて豚になっていったのだろう。


 これは狼が人間の残飯を目的に集落に近づいて飼いならされて犬になったのと同じようなものだが、犬の場合は骨や内臓といったものが目当てだったのに対して猪はどんぐりや木の実の残飯が目的だったろうから犬よりはずっと遅かったのだろう。


 イノシシはメスをリーダーとして母系集団で1年を通して生活し、大人になったオスはその群れを離れて生活するのが普通であるらしいが、こうしてはぐれてしまうと生き残るのは大変らしいが。


 俺は貯蔵していた栗、胡桃、ドングリなどを水につけて浮いてきた奴はウリボウの所に投げてやった。


 ウリボウたちはそのドングリなどはぐはぐ食べているが、それはともかく俺は新たなドングリなどを拾いに行かねばなるまい。


 山の中に入って栗や胡桃、棗、椎の実、薪さらに桃の実も見つけたのでそれも、もいで採取した。


 そして小屋に戻ったころにはウリボウ達はいなくなっていた。


 まあ、もともと猪は基本的に昼行性だが、人間が近くにいる場合は夜行性になるらしい。


 そんな感じで今日も取ってきたどんぐりを水に入れて選別しつつ、浮いたものは外に投げすてて、桃を食べつつ、ドングリも軽く煮てから食べて一晩を過ごした。


 そしてその翌日だが捨てたどんぐりをまたウリボウ達が食べていた。


 そして、俺がドングリを探しに行こうとしたらついてくるようになっていた。


 どうも俺と一緒にいればドングリが食えると思ったらしい。


 まあ、ウリボウ達がなついたならそれでもいいか。


 とはいえ放し飼いにしておいて十分大きくなったら食べるつもりでもあるが。


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