雨が降ってきたので横になってゴロゴロしているか
さて、ヤスでついて採ったイワナを炙って食べて満腹になったところで天気が急変して雨がザーッと降ってきた。
山の天気は変わりやすいので仕方ないが、雨が降ってしまうとやれることがぐっと減ってしまう。
秋とは言え冷たい雨に濡れてまでやらないといけないことは現状特にない。
家の寝台がある部屋の土壁には瓶を埋め込んでそのそこをぶち抜いて丸く開けた丸窓が2つあるが、そこから雨が吹き込んできて中が濡れては困るので、そこへ木の板をおろして塞ぐ。
冬の寒さが厳しい北方では多くは竪穴式住居であるため灯りと気温調整を兼ねて炉に火がくべられているらしいが、このあたりはそこまでしなくても済む程度には温かいので無駄に燃料を燃やし続ける必要がないが、そのため窓を塞ぐために木の板をおろすと部屋の中は真っ暗だ。
雨具としてはわらを使った蓑があるから外に出かけられないこともないが……。
雨水を貯めるために水瓶を土間の外に出しておいて、後は特に何もしないでのんびりしていたほうが良いだろう、動けばかえって腹が減るし、栗や胡桃はまだのこっているからな。
食うために動き、動くために食って寝る。
税を収めるために必死に朝から晩まで畑を耕すでもなく、戦争のために矛を振るうわけでもない今の生活は気楽ではある。
1日を燃料と食料の採取のために費やせば、2日は特に働かずにいられる。
もっとも現状では問題ないが病気や怪我をした場合一人でいるのは危険でもあるが。
燃料となる薪も食料となるものも何かを縛るための草などの繊維や何かを作るための材料になる竹も豊富にあるから、明日を思いわずらって沢山蓄える必要もない。
必要なものが見つかれば休憩してもいいし、暇な時間は横になってゴロゴロしていればいい。
朝から晩まで必死になって働くよりもずっと楽ではあるが、焼き畑などを行なうにはやはり10名から30名位に人間はほしいところではあるな……。
まあ、さしあたっては食っちゃ寝生活を堪能するとしようか。
人が増えた後どうするかを考えるのはその時にまた行えばいいだろうし。