誰かと一緒に寝るというのは暖かくてとても良いものだ
さて、土の壁に開けられた丸い窓から差し込む朝日に俺は目が覚めた。
「ふわあ、もう朝か」
日差しが部屋の中に差し込んできている。
そして横を見ればすやすやと寝息を立てて無防備に寝ているマオ。
寒くなってきた季節では、こうやって二人で寄り添い合いながら寝るのはとても暖かくて良い。
野郎と寝るのとは違って、マオは柔らかいし、なんだかいい匂いもするしな。
「んん……」
無防備な寝顔を眺めていると、つい口にしてしまう。
「マオはやっぱり可愛いな。
まあ二人の子供もだけど」
自分ひとりのためだけに狩りをしたり、漁をしたりするよりも、ずっとやる気が出るのは男の単純さを物語っているようだが、実際として家に戻れば、彼女たちがいるというのはとても素晴らしいことなのだと思う、
さて、水を汲んで、山塩もとってくるか。
俺は水瓶を持って沢に降り、水を汲んで上がってきたあと、人間が生きていくために大事な塩を取りに出かける。
山の奥で塩を補給するには、動物の生肉を食べたり、血を飲んだりしてもいいのだが、それだと病気や寄生虫が怖い。
むろん、よく洗った腸に血を流し込んで煮込むという方法もあるが、4人分となると少々足りないし、子どもたちには生臭くて不評だ。
海が近ければ海水を煮詰めて作る海塩が手に入るがここらへんではまず無理だ。
しかし、このあたりには自然と湧き出している山中地下鹹水があり、それを煮詰めれば山塩を作ることができるが、別に煮詰めなくても濃いめの塩水として利用できる。
鹹水を汲んできて塩分補給に当てるわけだ。
水も重たいが、鹹水も重いから結構重労働だがな。
そんなことをしていたら、マオが目を覚ましたようだ。
「よう、おはようさん」
「あ、おはようございます」
そして下の子が母親に擦りついて乳をせがみだした。
「おかあさん、おっぱい」
「あ、この子におっぱいあげちゃいますね」
「ああ」
マオは下の子供に母乳を与え始めた。
この時代だと3歳から場合によっては5歳位まで母乳を与えるのも珍しくはない。
無論、普通の食事も与えるわけだがな。
俺はその間に、火をおこして、干した魚を炙っておく。
やがていい感じに火が通った頃、下の子供は満足したようだ。
「んじゃ朝飯にするか」
「はい」
「はーい」
みんなで炙った魚をかじるだけでも、なぜか楽しいのだから不思議に思うが、きっとそれが家族というものなのだろう。




