このあたりは冬の寒さがあまり厳しくなくて助かったな
さて、冬も深まってきてだいぶ気温は下がってきている。
だが、このあたりは雪が積もったり、地面や湖が凍りついたりするほど気温が下がららないのは正直助かる。
雪と泥濘でまともに動けない時期があるのとないのではだいぶ違うからな。
とはいえそもそもイノシシがいる場所ではそういう心配はあまりない。
「きゅぴー」
イノシシは地面の下の芋を探しては食べるわけだが俺が食える分はもだいぶ少なくなってきた。
「しっかし、お前らもだいぶ大きくなってきたな」
もうかなり立派な体格になって来ていて可愛らしいウリボウから立派なイノシシになってるからその分食べる量も増えてるからな。
「きゅぴー」
イノシシは足が短いため豪雪地では身動きができないし、真冬日が有り土が一日中凍ってしまうようなところでは地中の芋などの匂いを探せないし、地面をほじくり返して食べるのも難しい。
イノシシの春の主食はタケノコでイノシシはタケノコを好んで食べるがその他の野草の新芽なども食べる。
なので3月から6月にかけてはイノシシの食べ物の心配はあまりない。
だが冬場や夏場はそうは行かないから水辺でのイモリ、カエル、ミミズ、水生昆虫、淡水性巻き貝なども採食しているので、水飲み場やぬた場として利用される場所はそういった餌場としても重要だったりする。
そして狼だがやっぱり眠そうにしてる。
「くうぅぅ」
「どうした眠いのか?」
「くぅぅ」
やっぱり狼は眠いらしい。
狼は本来は夜行性だし、肉食動物は不必要なときは眠ってエネルギーの消耗を抑えることも多いからな。
「すまんが鹿狩りをてつだってくれな。
お前さんもそろそろ腹は減ったろう?」
俺がそう言うと狼は小さく吠えた。
「がう」
狼の場合は基本は野ネズミや野ウサギ、鹿などを狩って食べるわけだが、ようやく鹿などをねぐらから吠え立てることで脅かしておいだし俺のいる方へ誘導するということができるようになってきた。
そうするとお互いに肉や骨の入手が楽になるわけでだいぶ助かっているよ。
「メェ~ン、メェ~ン」
とヤギが細く長く鳴いているときはそばに来てほしいと思っているときらしい。
「どうした?」
「メヘェェェ…」
どうやらさみしがってるらしい。
「お前さん意外と寂しがりだよな」
「メヘェェェ…」
ヒツジほどではないがヤギも集団性の強い動物で、リーダーの後ろに従って一群になって行動する。
ヒツジよりもヤギのほう活発なのでヒツジの集団にヤギを入れるとがリーダーになり、人間はそのヤギだけをコントロールすれば、どんな大きな群れでも一人で思うままに動かせたりもするが、ヤギは人間が好きなんだよな。
そしてヤギは枯れ葉や雑草、木の枝や樹皮などでも命をつないでいくことができ、前足をあげて後ろ足立ちになり、高い場所の枝葉も食べることができるが、一番好きなものは柔らかい新芽でそれを好んで食べるので数が増えすぎても困ったりするのだが今はそんな心配はいらないだろう。
来年の春にはヤギにも子供ができて乳もでるようになるはずだしなんとか皆で一緒に冬を無事越したいものだ。




