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小料理 タヌキ屋  作者: まんまるムーン
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 私はクローゼットを開け、ギュウギュウに詰まっている洋服やバッグをベッドの上に全て出した。ベッドの上に山が出来た。とりあえず記念に写メを取り、ネットに投稿した。



“断捨離始めます!”



 浩平好みだろうと思って買った服は、ことごとく処分用の袋に入れた。家でゴロゴロしている時用の古くなったダル着も全て捨てた。バッグも必要最低限まで処分した。

そして再び必要な服をクローゼットに戻すと、頭の中を洗濯したみたいにスッキリした。

 

 心が洗われるってこの事だね!

 もっと早くすればよかった!


断捨離に目覚めた私は、さらに拍車がかかった。

冷蔵庫の中の賞味期限切れの食品や調味料、使わない食器、とっておいた割りばしやプラスチックスプーンなど、ことごとく分別して処分用の袋へ詰め込んだ。


そうやって家中を断捨離すると、ゴミ袋の数がすごいことになった。


まともにゴミ出しの日に出すと、埒が明かない…。

私は弟を呼び出し、軽トラをレンタルしに行った。


「久々に連絡来たと思ったらゴミ処理要員かよ…」

「ごめんごめん、終わったらご馳走するから!」

「…焼肉な!」


私と弟はひたすら部屋と軽トラを往復し、全てのゴミを荷台に積んだ。向かうは市営のゴミ処理センター。


「最近どうしてんの? あんまり連絡ないから母さん心配してるよ。」

「…報告できるような事が無かったからね~。彼氏とも別れたんだ…」

「…マジ…?」

「…」


「だからこの断捨離か…なるほど…」

「おかげでスッキリした。」


「で、どうすんの? これから…」

「何も考えてないけど、とりあえず普通に会社行って…したかったこと少しずつしようかなと思う…」

「…いんじゃないの。」

「…お母さんには…ガッカリさせて申し訳ないなと思うけどね…。結婚するんだろうと思っていただろうから。」

「いや、母さん、姉ちゃんが結婚すんの、正直心配してたよ!」

「え、そうなの? 何で? 速く収まるとこに収まって欲しかったんじゃないの?」


「そんなことない。しょっちゅう言ってたもん。あの子は趣味も資格も特技も何にもなくて…このまま結婚したら…私の二の舞になるんじゃないかって…」




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